学校マネジメントシート

    「学校マネジメントシステム」とは

     ※三重県教育委員会HPより

    趣旨

      三重県型「学校経営品質」が導入され10年余が経過した現在、考え方や基本理念は浸透・定着し、対話の大切さが認識されてきています。今後も、これまでの三重県型「学校経営品質」の考え方や基本理念を継承し、各校での改善活動の充実を図る必要があります。

      現行の「学校プロフィール」「学校経営の改革方針」「アセスメントシート」等については、学校がより取り組みやすく、より効果の出るものとなるよう見直しを図ります。

     目的

     「学校マネジメントシステム」の目的は、教職員の対話と気づきを重視しながら、学習者の視点に立って「目指す学校像」を描くとともに、継続的な改善を行うことによって、よりよい学校づくりを推進し、「目指す学校像」を実現することです。

     学校改善活動とは、学校全体で「目指す学校像」(「育みたい児童生徒像」・「ありたい教職員像」)と「学校の現状」とのギャップを十分に認識し、「対話」と「気づき」を大切にしながら、継続的な活動によって、そのギャップを埋め、「学校の現状」を「目指す学校像」に近づけるというものです。

     具体的な進め方としては、学校が掲げる「目指す学校像」の実現に向け、学校の現状と課題から中長期的(3年から5年)な重点目標を立てます。中長期的な重点目標に向かって、1年ごとの行動計画を立てながら、PDCAサイクルを回し、「目指す学校像」の実現を目指します。

     基本理念

     基本理念とは、「学校マネジメントシステム」が大切にする価値観、行動基準を意味するもので、「学習者本位」「教職員重視」「社会との調和」「独自能力」という4つの要素からなります。

    (1)学習者本位
     「学習者」とは、児童生徒をはじめ、保護者や地域の方々等、学校として「人づくり」という価値を提供する相手方を総称したものです。
    学習者本位とは、「いつも学習者の視点からものを見て、行動することを大切にする」という考え方です。
     この考え方は、決して学習者の要望を全て受け入れるということではありません。児童生徒の将来を考えた場合、受け入れられないことも当然ありますし、要望がなくてもやらなければならないこともあります。ただ、その際も、学習者の視点に立った説明や行動が必要という考え方です。
     取り組む際には、学校の活動が真に学習者のためになっているかを常に確認することが重要です。

    (2)教職員重視
     教職員重視とは、教職員一人ひとりのやる気と元気を大切にするという考え方です。児童生徒が、生き生きと学校生活を送ることができるようにするためには、教職員自身のやる気と元気が必要です。
     それらを引き出す(保つ)ために、学校は、教職員が仕事にやりがいを感じ、自らの成長を実感できる組織でなければなりません。
     そのため、教職員一人ひとりが何に満足し、何に不満を感じているかを対話等によって把握し、理解し合い、改善することが大切です。

    (3)社会との調和
     社会との調和とは、学校も地域社会の一員として開かれた学校づくりをすすめ、その役割を自覚して地域に役立つことを目指すという考え方です。
     また、教職員一人ひとりが自らの社会における立場と責任を自覚するとともに、学校は地域社会から信頼される活動をすることが大切です。

    (4)独自能力
     独自能力とは、その学校の「独自の強み」を伸ばして「特色ある学校づくり」をすすめることが、教育活動の質を高める学校経営につながるという考え方です。
     特色ある学校づくりをすすめるためには、地域のもつ歴史・伝統文化や自然、企業や施設、さらには人材など幅広い視点で発掘した教育資源の活用が求められます。
     確かな教育理念のもとに、独自の見方、考え方、方法により、目指す学校像の実現に取り組むことが重要です。

     これら4つの要素は、どれか1つだけが突出して優れていればいいというものではありません。4つの要素のバランスを考え、それぞれを少しずつでも着実にレベルアップしていくことが大切です。

    仕組み

     「学校マネジメントシステム」は、「学校自己評価」と「学校関係者評価」の2つの仕組みによって構成されています。「学校自己評価」には、「学校マネジメントシート」「組織バランスシート」の2つのツールがあります。
    (1)学校自己評価
     学校マネジメントシート
     学校マネジメントシートは、「目指す姿」、学校の状態や取り巻く環境についての認識を教職員で共有し、それらを踏まえた学校の中長期的な重点目標や当該年度の行動計画を立てるとともに、実践の進捗を管理・評価し、改善に結びつけるためのツールです。
     これまでの「学校プロフィール」「学校経営の改革方針」「学校評価報告書」を一体化することで、計画から評価、改善活動までをより把握しやすくしました。
     重点的な取組や評価結果などをこのシートによって把握できることで、教職員、保護者、地域の方々との連携がより進むとともに、活動の進捗管理や評価結果から改善策を導きやすくなります。

     「目指す学校像」を「育みたい児童生徒像」「ありたい教職員像」の2面から描くことで、より具体的なビジョンを描くことができます。
     また、それぞれの姿につなげるため、「教育活動」「学校運営等」の2面から現状認識や本年度の行動計画、評価を行います。
     これによって、学校や教職員一人ひとりの教育活動面に偏りがちな視点を学校運営面にもあてることになり、教育活動と学校運営両面の改善につながります。

     期末には、取組の結果を記入し、学校としての改善課題を明らかにします。
     さらに、学校関係者評価委員会に結果を提示し、「教育活動」「学校運営等」のそれぞれについて次年度に向けた改善策を考えます。


     組織バランスシート
     組織バランスシートは、学校組織の状態を客観的に視て、対話するためのツールです。
     「目指す学校像」の実現という観点から、8つの視点で学校の組織をとらえます。これにより、学校の強みと弱みを把握するとともに、改善活動に取り組むにあたっての改善点を明らかにします。


    (2)学校関係者評価
     学校関係者評価は、学校評価の質を高めるツールです。
     保護者や地域住民などの学校関係者により構成された学校関係者評価委員会が、学校自己評価等を評価することを通じて、以下の3つを目的として実施するものです。
    ・学校マネジメント(学校改善活動)の質を高め、次の改善につなげます。
    ・学校運営や教育活動への学校関係者の協力や参画を促すことにより、地域に開かれた信頼される学校づくりを進めます。
    ・設置者は、学校関係者評価結果をもとに適切な支援をします。

     「学校マネジメントシステム」は、PDCAサイクルの質を高めるために有効な仕組みであり、学校自己評価等について学校関係者評価委員会から評価をうけることで、さらに質の高い改善活動につなげることができます。