きょう第46回衆院選 本校生の政治意識を問う

 (2012.12.16/7:11公開) (「現代社会」の授業担当者が執筆)

 

 本日は、第46回衆議院議員総選挙の投開票日です。

 

 本校が立地する三重県名張市は、小選挙区は定数1の「三重県第1選挙区」(津市の一部、伊賀市、名張市)、比例代表区は定数21の「東海ブロック」(静岡県・愛知県・岐阜県・三重県)に属しています。

 

 15~18歳人口は未成年であり、現行制度の下では投票する権利がありませんが、その必要性が議論されて久しい「投票年齢の18歳への引き下げ」の賛否を、先日の後期中間考査②「現代社会」(1学年)の中で問いました。
 ついては以下に、その問い方(試験問題)と、回答例を列記します。

 

●近年、選挙権を現行の20歳から18歳に引き下げようとする動きについて、あなたの賛否を明らかにした上で、その理由やあなたの思いを自由に述べなさい。(どっちつかずの論述は不可)

 

[賛成する]
●18才に引き下げることによって、ふざけて投票する人もいるかもしれないけど、18才の若い人たちでもわかるような選挙活動をしてくれると思うから賛成。今の演説は、聞いてて難しすぎる。大人の人だって、わからへん人もいると思う。幅広い年齢層から投票してもらうことにすれば、いろんな考え方を反映させようとして、選ばれる人も変わると思う。若い人たちの方が現実的やから賛成。

 

[反対する]
●18歳では、まだ政治を選択する知識が少ない人が多いと思う。それから、めんどくさいと言って投票に行かない人も多そう。ただでさえ日本は投票率が低いのに、これ以上投票率が下がったら、民主主義の体制がくずれてしまう。他の国みたいに、投票に行かなかったら罰金をとるっていう制度を、日本も取り入れてみたらいいと思う。

 

 なお賛成論の中には、18~19歳人口用の投票箱をつくってその年代だけ抽出して結果を出し、20歳以上の投票結果と比較するのはどうか(その場合、18~19歳の意思表示はあくまで参考資料とする)という、ユニークな提案がありました。
 また反対論の中には、棄権しそうな大人に対する啓発活動にもっと力を入れるべきで、むしろ投票年齢を30歳に引き上げて投票率を向上させた方がよいとする意見がありました。

 

 学年全体の統計はとっていませんが、その中の一クラスでのみ、答案返却前に集計をしました。
 結果、「賛成21、反対15」でした。

 

 執筆者は毎年、このテーマ作文を授業の中で書かせていますが、例年は反対票の方が多いです。
 今回は、試験前にこのテーマを告知して、授業中だけでなく、各自で試験勉強をするかたわら事前に考えてもらおうと意図しました。
 今回、このクラスで例年と逆の結果が出たのは、次のような理由が考えられます。

 

 ①衆院選が近く、連日、関連報道に触れている。
 ②授業で「民主政治」「選挙と政党政治」をしていたので、衆院選報道との相乗効果が出た。

 

 授業担当者としては、20歳になってから権利行使のために関連情報に興味を持つのではなく、20歳になる前から「充分な助走」をつけて、権利を行使してほしいと願っています。
 助走がついている状態をつくっていれば、おのずと「18歳からの権利行使」に前向きになれるはずと考えています。

 

 一般的には、極端な高齢化が進行している今だからこそ、世代間バランスを取る必要から、若年層の政治参加には積極的な意味があると考えられていますが、この有権者資格の拡大が「投票率の低下」を招くようであれば、全く本末転倒な話です。

 

 学生という社会的身分は、特定の業界団体や労働組合に所属することのない「モラトリアムな世代」であり、比較的自由に、政治的にモノゴトを考えることが許されていると言えます。
 今だからこそ、許されている「特権」を、大切にしてほしいと心から願っています。

 

 

 

 

 

 

[写真は、本校・ロッカールームのモニターパネル]
(2012.12.14/8:53撮影) 
*本文の内容とは、直接関係ありません。




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