沖縄修旅24 新聞投稿「沖縄へのまなざし」

 (2012.11.22/14:53公開)

 

 修学旅行団は、いま、空の上です。

 

 今回の修学旅行に際して、2年生の日本史の授業(一部)で、日本史の授業担当者みずからが今年3月に新聞投稿した表題の文章が、教材として使われました。
 ここに転記します。

 

 「沖縄へのまなざし」 
 この年末年始、家族で沖縄本島を訪れた。私は、沖縄戦跡や米軍関係施設を案内してくれた沖縄の方々に対して「これまで安全保障上の過重な負担をしていただいて、本当にすみませんでした」という言葉を口にした。日々、歴史や公民の授業を重ねながら、この気持ちを何とか伝えたいと考えるようになっていた。
 私は、普天間基地の全面返還が日米合意された1996年に大学を卒業し、教員に採用された。間もなく16年がたつ。普天間移設に関する報道について、沖縄の方とそれ以外の人間では必然的に受け止め方が異なることを、自覚せねばなるまい。
 沖縄の方と一緒に反基地運動をしている本土の人間に対しては違和感を覚えることがあるし、辺野古移設を進めようとしている民主党政権に対しては、これまでの見通しの甘さについて猛省を促したい。
 沖縄の安全保障上の負担に対して、恒常的な謝意と敬意を表する必要がある。私が居住する県は、この負担をしていない。
 (三重県松阪市、高校教員) 

 

 掲載紙は、2012年3月13日(火)付けの『琉球新報』(投稿コーナー「声」)です。

 

 この投稿文の執筆者の意図は、在日アメリカ軍基地を引き受けていない都道府県の人間に対して、「沖縄の在日アメリカ軍基地に反対する」運動や、それに類する考えに安易に同調することへの戒めでした。
 沖縄の人から見たら当然、「だったら私たちの負担の一部を、三重県で引き受けてくれるのですか!」と言いたくなります。
 (私たちの三重県は、在日アメリカ軍基地の負担をしていません。) 

 

 国の安全保障上の負担は、本来は、国全体で等しく背負うべきものです。
 その責任を充分に果たしていないことへの申し訳なさを、今回の修学旅行で少しでも感じてほしいと思い、この文章に触れてもらおうと考えたのでした。
 日本の国益にかなうものとはいえ、外国軍隊の(事実上)常駐を引き受けるという過重な負担を、よりによって、過去の戦争被害が甚大であった沖縄の人たちに強いている現状に、何とも苦しい思いが残ります。

 

 

 

 

 

 

[写真は、外壁工事が終わって真新しい本校1号棟。背後に、紅葉した銀杏が見える]
(2012.11.20/13:26撮影) 
*本文の内容とは、直接関係ありません。




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