H30 卒業証書授与式 校長式辞

平成30年度 全日制卒業証書授与式 式辞

 昨年に比べて暖冬といわれたこの冬も時とともに終わりを告げ、この名張の地にも温かい春の息吹の足音が感じられる早春の良き日、平成30年度 三重県立 名張高等学校 全日制 卒業証書授与式を迎えられた卒業生の皆さん、心からお祝い申し上げます。また、この日を迎えるにあたり、学校生活を陰に日向にと支えていただきました保護者の皆様には、お喜びも一入のこととご拝察申しあげます。ご卒業、誠におめでとうございます。
 また、本卒業式を挙行するにあたり、多くのご来賓の方々のご臨席をたまわりました。高いところからではございますが、厚く御礼申しあげます。
 さて、先ほど卒業証書を授与しました226名の皆さん、改めてご卒業おめでとうございます。皆さんは、本校所定の教育課程をすべて終了し、本日を迎えることができました。その努力と研鑽をたたえ、在校生と職員一同、心から拍手を送りたいと思います。
 また、本日の喜びは、皆さんの努力のたまものである事はもちろんですが、この日まで、皆さんをはげましてくださった保護者や、周囲の皆様方のおかげであることを忘れてはいけません。
 そして、皆さんは、自律、協調、創造という校訓のもと、それぞれが目標を持ち、三年間、学業、学校行事、部活動などを全力でやり抜き、充実した高校生活を送ってきました。そして今、本校での高校生活を終え、新しい生活へ向けてスタートしようとしています。皆さんは、これから伊賀地域をはじめとする地元を支えていく人材として大いに期待されているのです。
 さて、この卒業式は平成での最後の卒業式であります。皆さんが生まれ育ってきたこの18年余りの2000年以降を思い出しても、様々なことがありました。輝かしいこと、うれしいこともありましたが、やはり、多くの命が奪われた事件や災害が頭に残っています。2001年のアメリカ同時多発テロは、崩れ行くビルを泣きながら見守る人々の映像が浮かびます。そして、多くの災害も経験しました。2011年平成23年の東日本大震災、平成28年の熊本地震、平成30年の北海道胆振東部地震など多くの地震や津波の被害が起こり、いまだその爪痕を残すところもあります。また、台風等による豪雨災害も多く発生しました。被害の報道を目のあたりに悲しい気持ちに陥りました。しかし、被害を受けた人たちが前を向いて次に歩もうとする力強い姿、また、被害者の悲しみを自分の事として様々な形で支えようと考え、行動する人たちの姿にも心打たれました。人の力というのは、これほども尊さ、素晴らしさを感じました。
 この2月に白血病であることを公表した競泳の池江璃花子さんが、「神様は乗り越えらない試練は与えない、自分に乗り越えられない壁はないと思っています」と綴っています。本当の苦しさ・つらさを知った彼女の言葉だからこそ、苦しんでいる方たちの希望になってほしいと望まずにはいられません。
 これからの皆さんの人生、新しい時代に向かって希望をもって進んでいくでしょう。しかし、いつも順風満帆に進むとは限りません。苦難に出会ったとき、失敗を恐れたり、体裁にこだわったりすることなく、自らが信じたことを前向きに実践していけば必ず道は開かれると思います。そして、その努力を支えてくれる仲間や周囲の人々に感謝の気持ちをもってほしいと思います。皆さんの母校である名張高校のわたしたち教職員も、いつも応援しています。
 結びになりましたが、本日ご臨席いただきましたご来賓の皆様、保護者の皆様に心より感謝申し上げます。今後とも、本校卒業生の輝ける未来を温かく見守り、そして支え続けていただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

平成31年3月1日
三重県立名張高等学校長




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