皆さんは、トノサマバッタの「相変異」についてご存知ですか?
トノサマバッタには「孤独相」と「群生相」という二つの状態があり、どちらの状態であるかによって形態や行動が変化します。この状態が変化することを相変異と言います。
・孤独相:後脚が長く前翅が短い。単独生活を好み移動力が小さい。緑色。
→個体群密度が低い環境で育った個体が変化する。
・群生相:後脚が短く前翅が長い。集団生活を好み移動力が大きい。茶色。
→個体群密度が高い環境で育った個体が変化する。
群生相の個体が増えてエサが不足すると、新たな生息地を求めて集団で大移動を始めます(飛蝗)。この時移動する先々で農作物を食べ尽くしてしまい、深刻な食糧被害を引き起こすため、古来より「蝗害」と呼ばれ恐れられてきました。蝗害は、現代においても様々な国で発生しています。この相変異のメカニズムを明らかにし、蝗害による被害を軽減するための一助になりたいと考え、私たちは研究を始めました。
このページでは、研究の進捗状況をご報告していきたいと思います。
