2016年度後期全校集会(全日制)

 厳しい暑さが残る9月に本年度の前期が再開し、途中で後期のスタートを挟んで文化祭から今月の後期中間考査まで、日々の授業だけでなく、さまざまな学校・学科行事や部活動、模擬試験などを通して、皆さんは多くのことを学び、あれこれ考えたり、迷ったり、悩んだりしたことと思います。どんなことが印象に残っていますか。何を深く考えましたか。そして、どんな出会いがありましたか。

 私は、秋のある日、ある詩の中の言葉と衝撃の出会いをしました。実は今でもその詩の意味について考えを巡らすことがあります。それは、「いのちより大切なもの」という詩です。

  いのちが一番大切だと
  思っていたころ
  生きるのが
  苦しかった

  いのちより
  大切なものが
  あると知った日
  生きているのが
  嬉しかった

 この詩の作者は星野富弘さんという方です。知っている、聞いたことがあるという人もいると思います。星野さんは、中学校の体育の教師をしていた24歳の時、部活動の指導中に宙返りをして首から落ち、首から下の運動機能を失ってしまいます。その後、身体を動かすことができず上を向いたまま寝たきりの状態で9年間の入院生活を送ります。病室の天井を見ながら、「あれがなかったら俺の人生は違っていた」「いっそのこと生まれなければよかった」などと後悔と失意を繰り返します。そして、唯一動かすことができる口に筆をくわえて絵を描き、詩を書き添える詩画を創り始めます。筆に巻いたガーゼに血をにじませながらの創作です。やがてそれらの作品は出版され、多くの人々に感動と生きる希望を与え続けています。

 さて、「いのちより大切なもの」とは一体何か。皆さんはどう考えますか。この詩が発表されてから、多くの人が星野さんに、「いのちより大切なものとは何ですか。」と尋ねます。星野さんは、このように答えていたそうです。「その答えはこうですよ、と言うことは簡単だけど、きっとそれは意味のないことです。自分で苦しみながら見つけた時に、あなたにとって意味があるのです。」と。しかし、2011年3月11日の東日本大震災以降、この質問をする人がいなくなったそうです。

 いのちはかけがえのない大切なものです。いのちより大切なものなどありません。しかし、星野さんはこのように言います。「津波が迫る中、水門を閉めるために津波のほうに向かって走っていった人、人の波に逆らうようにして『津波が来るぞ』と知らせて回っていた人。その人たちは皆、自分のいのちよりも大切なものに向かっていった人ではないかと思います。」
「いのちより大切なもの」皆さんは何だと思いますか。

 私は、星野さんの著作のなかに、その詩の題名がタイトルとなった『いのちより大切なもの』という絵本があることを知りました。早速、図書館の上原先生にお願いして、その絵本を所蔵している名張西高校図書室から借りていただきました。その絵本の冒頭に、「小さな花からのメッセージ」というエッセイがあります。そこに東日本大震災のことが書かれています。地震の激しい揺れに車椅子ごと倒れる恐怖に駆られ、テレビをつけると家々が津波に吞み込まれていく凄まじい光景と叫び声、映画の一場面のような映像に、「こんなことが本当にあっていいのだろうか」と瞬きを繰り返したそうです。心の奥に積み上げてきたものが、次々となぎ倒されていくように感じた星野さんは、「自分が書くものなど、あまりにもちっぽけで何の意味もないように思えて、何も手につかなくなってしまった。創作意欲の根元までさらわれてしまったような気がした。」と告白しています。

 ところがある日、星野さんは被災状況を映し出すテレビを観ていて、こんな情景を目にします。瓦礫の間に、倒れそうな一本の木の折れ曲がった枝先に花が咲いていて、その木の周りに津波で肉親や家を失くしたであろう人達が、まるで希望の光を見つけたようにたたずんでいる情景です。その情景を見た時、それまで何もできないでいた星野さんは、「もう一度やってみよう。人の心に希望をもたらしてくれる花を、これからも描いていこう。」と思ったそうです。

私は、この時に星野さんは「いのちより大切なもの」を見つけたのではないかと思うのです。「使命」という言葉があります。「命」を「使う」と書きます。自分のいのちをどう使うか、その方法を星野さんは見つけた。人に希望をもたらす花の絵を描くこと、それが星野さんの見つけたいのちを使う方法なのではないか。自分の「使命」を見つけたことで、いのちへの執着を断つことができたのではないか。だからこそ、
  いのちより
  大切なものが
  あると知った日
  生きているのが
  嬉しかった
という詩の一節が生まれたのだと思うのです。

「いのちより大切なもの」。それは、人のために自分に与えられたいのちを精一杯生きることだと星野富弘さんに教えてもらったように思います。
 明日から始まる冬休みの前に、「この一年、自分は精一杯生きたか。」と自分に問うてみてください。以上で後期全校集会の話を終わります。

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 一旦終わったうえで、最後に一言。
 もしも皆さんの中に、この詩について私はこう考えるという人がいれば、その考えを是非聴かせてほしいと思います。どうぞ校長室のドアをノックしてください。私も勉強したいので。お待ちしています。これで本当に終わります。

献血セミナー開催!!

12月14日(水)6限目に、1・2年生を対象とした日本赤十字社主催の献血セミナーが行われました。
献血は16歳からできることや基礎知識について学び、同年代の高校生が献血について、前向きに考えている姿を見て、深く考える時間となりました。また、病気の治療のため献血された血が使われ、献血することによって救うことができる命があることを学びました。

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自分はなにもできないではなく、一歩踏み出すことで、救うことができる命があることを知ることができたセミナーとなりました。

三重県高等学校科学オリンピック大会に参加

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10月30日に鈴鹿医療科学大学で行われた「三重県高等学校科学オリンピック大会」に参加しました。
内容は、午前に筆記試験を、午後は実験を化学・物理と生物・地学に分かれて行いました。
筆記試験では、化学部の生徒に理数科の生徒を加えた合同チームで取り組みました。
実験では、日々の活動を活かして3人で協力しながら取り組みました。

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部員に取って大変良い経験になったと思います。
この経験を他の部員とも共有して、今後の部活動に活かしていきたいと思います。

 

 

 

舵を取れ!~あなたも宇宙船地球号の大切な一員です~

10月19日(水)の5・6限目に、1学年では人権学習を行いました。この人権学習は「宇宙船地球号」と題し、4回にわたって学習していきます。
1回目は、「多文化共生」をキーワードに行い、「ハーフの苦悩~文化のはざま~」、「多文化共生を将来のキャリアに生かせ!!」、「Aussie(オーストラリア人)は見た~多文化共生の歴史~」の3つのテーマから自分が選択したテーマについての講演を聴きました。「多文化共生」は、個性(色)がいくつも集まり組み合わせるモザイク画に例えられるという話を聴きました。講演会の中では、周りの友達と意見を交換し、発表する場面もありました。

 (「ハーフの苦悩~文化のはざま~」)
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(「多文化共生を将来のキャリアに生かせ!!」)
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(「Aussie(オーストラリア人は見た)~多文化共生の歴史~」)kajiwo3

 

 

 

 

講演会終了後、各HRに戻り講演会の内容や感想をグループに分かれ、話し合いました。それぞれが聴いた話、グループ員が聴いた話を踏まえて、「多文化共生」について考えることができました。

後期スタート!!

10月11日(火)に、後期始業式が行われました。
校長からの式辞があり、一所懸命な人に魅かれるという話を聴きました。周りだけでなく、自分自身も魅力ある人になるために、勉強や部活動に取り組み成長していく後期にしましょう。その後、教務主任・生徒指導主任から、後期の生活に関しての話がありました。
後期に向けて、身が引き締まったのではないでしょうか。

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また、表彰式及び壮行会が開かれました。陸上競技部の選手及び水泳で活躍した選手が表彰されました。壮行会では、東海大会に出場する陸上競技部及び卓球部の選手に、生徒会長から激励の言葉がありました。

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後期も始まり、新しい生徒会役員を決めるための立会演説会も、この日行われました。生徒会役員として、4名の生徒が立候補し、それぞれが立候補した理由や抱負を述べました。

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3学年 メンタルヘルス講演会が開かれました

 10月12日(水)のLHRの時間に、カウンセラーとして活躍されている臨床心理士の先生から「ストレスや困難との向き合い方」という題目でお話しをしていただきました。
 本番での緊張(ストレス)は味方であること、スランプになったときのことなど、大学受験を控えている3年生だけでなく、生きていくうえでとても必要なお話を聞くことができて、大変有意義な時間となりました。

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上野西小学校との交流会

10月11日(火)午後、上野西小学校の6年生のみなさんが来校されました。
本校のギター・マンドリン部と吹奏楽部による歓迎演奏や同好会「ひゅうまんはぁと」からのメッセージ紹介の後、分散会で小学生と高校生が一緒になって、身近な経験をもとに、各自の人権に関する考えや思いを交流することができました。

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2016年度後期始業式式辞(全日制)

 前期の期末考査を終え、今日から後期のスタートです。本来なら皆さんの前で話をしたかったのですが、どうしても調整のつかない仕事があり、今日は、教頭先生に式辞を代読していただくこととします。一年のうちの大きな節目に当たる大事な日に不在となり、申し訳なく思っています。

さて、私は、年に何度も遠方に出張で出掛けます。その度に、多くの人との出会いや再会があり、何かに気づいたり、いろいろ考えたりします。そんな中から、こんな話を皆さんに紹介したいと思います。
私は、東京方面への出張では新幹線を利用することが多いのですが、ある夏の日、東京駅のホームで待ち時間を過ごしている時に、こんな光景に出くわしました。淡いピンク色のユニフォームを着た人達が、清掃を終えて車両から次々に出て来て、全員が整列し、深々とお辞儀をされて立ち去ったのです。互いに言葉を交わすこともなく、きびきびとした身のこなし。夏の暑さの中で爽やかな感動を覚えました。
ある新聞記事で知ったのですが、東京駅での新幹線の折り返し時間は12分。乗客の乗降時間を差し引くと清掃時間はわずか7分。その間に、車両内とトイレの清掃、ゴミ集め、座席カバーの交換、忘れ物のチェック等を終えなければなりません。この清掃チームは、JR関連会社の人達で、短時間のうちに快適な空間を生み出すそのスキルの高さ、テキパキとした身のこなし、礼儀正しさは、来日する外国人から絶賛されていると新聞記事に書いてありました。

ところで、本校には12年前から本校の環境整備の仕事をされている方がいらっしゃいます。田中節崇(たなか さだたか)さんです。田中さんは今年、76歳になられました。皆さんの中には、田中さんと言葉を交わした人がいると思います。言葉を交わしたことはなくても、田中さんが朝早くから草刈機で校舎周りをきれいにしてくれている様子を見た人はたくさんいると思います。御高齢の田中さんのお仕事ぶりから「何か」を感じなかったでしょうか。
私は、先ほど紹介した清掃チームに感じたことと同じようなことを、田中さんのお仕事ぶりから感じます。田中さんは、こんなことを私に仰いました。「明治校舎と正門は三重県の文化財。伊賀市を訪れた観光客が足を止めて、伊賀上野城を背景に正門と明治校舎を眺める。それに相応しい、外回りが三重県で一番きれいに整備された学校にすることが私の仕事だ。この仕事に誇りを持っている。この仕事が楽しい。」

プライドを持って生き生きと仕事をしている人は、周りの人達を魅了します。そして、何か大事なことを気づかせてくれます。皆さんの周りにもそんな人がきっといるはずです。大人に限りません。クラスメートや部活仲間を思い起こしてください。そのひたむきさ、一生懸命さに魅かれるという人です。そんな人達を見て、皆さんは何かを学ばないはずがありません。集団生活を送る学校の持つ素晴らしさの一つです。
 
さて、後期は、2年生には修学旅行がありますが、学校全体で取り組む大きな学校行事はありません。読書やスポーツ等何をするにも絶好の季節である秋の真っ只中で、じっくりと勉学や部活動に取り組み、大いなる成長の秋にしてください。特に3年生は、日々の授業を大切にしながら、目標に向かって着実な努力を積み重ねてください。現役生の受験学力が伸びるのはこれからです。焦ることなく自分を信じて一歩一歩前に進んでいってください。
以上で後期始業式の話を終わります。

期末考査前も学校で学習します!

10月1日(土)1、2年生の希望者対象に学習会を行いました。
教室はもちろん渡り廊下でも自習し、わからないことは先生に質問していました。
生徒は意欲的に学習し、10月3日(月)からの前期期末考査に向けて頑張っています。

 

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  わからないことも先生に質問して   →     できるようになった♪

 

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  渡り廊下でも自習・質問しています

土曜講座を行いました

10月1日(土)1、2年生の希望者252人が土曜講座に参加しました。
基礎から発展まで多様な講座から各自が選択し、真剣に受講していました。

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