H29 1月10日(火)全校集会 校長講話

平成28年度 1月全校集会 校長講話 平成29年1月10日(火)

 みなさん、あけましておめでとうございます。
まず、みなさんが特に、事故やけがもなく全員無事に今日の日を迎えられたことを大変嬉しく思います。
 さて、冬休みも終わり、いよいよ平成28年度の締めくくりとなる1月がスタートしました。みなさん、部活動や家の手伝い等意義のある充実した冬休みになったのではないかと思います。今日から生活のリズムを学校モードにしっかり切り替えて、本年度をいい形で締めくくってくれることを期待しています。
 さて、私ごとですが、この年末年始、久し振りに家族で海外旅行をしました。行き先は、自然豊かなベトナムとアンコールワット等の遺跡で有名なカンボジアです。世界遺産のハロン湾やアンコールワット等の遺跡も大変素晴らしかったのですが、特に印象的だったのは、アンコールワットのあるシェムリアップという町で、クッキーの店に寄ったときのことです。この店は日本人の女性が経営しています。彼女は大学の時にアジアに興味を持ち、アジアで働きたいと考えました。今から18年前、内戦の爪痕が残る地に26歳で渡り、観光ガイドになりました。27歳には念願の日本語教師になりましたが、30歳を前に悩みが生まれました。20歳くらいの生徒から「先生は努力すれば何とかなるって言うけど、僕らはお金がないと何もできない」。と言われたそうです。世界各国から援助は集まるけれど、働く場所があり適正な賃金がもらえて初めて人間としての尊厳が保たれる。援助に頼らず自立できる仕組みが必要であると気づき、行き着いた答えは、カンボジアでモノを作ることだったのです。ヒントは観光ガイド時代に経験した、日本人観光客にアンコールワットにはお土産はないのかと毎回尋ねられたことだそうです。そこで、クッキーならカシューナッツなどカンボジアの材料を使えて日持ちもすると考え、貯金50万円を元手にオーブンを購入し、3カ月試行錯誤したそうです。アンコールワットの型は東京浅草・合羽橋の専門店に特注し、当初のスタッフはカンボジア人女性2人で作り方を教えて、一つ一つ丁寧に焼いたそうです。今や社員は90人になりましが、手作りは徹底し、1日2万枚を焼き上げているそうです。そして40代になった今の夢は農村で個人事業主を育てることで、養蜂プロジェクトとして、生産から販売までを手掛ける計画をたて、30ヘクタールの土地を確保し、ゆくゆくは学校をつくってアジアのリーダーを育てたいそうです。1つの夢がかなったら、次の夢へ向かっておられるすごい行動力を感じます。
帰国してから彼女のことをインターネットで調べたところ、彼女へのインタビュー記事が出てきました。「今の学生に一言お願いします」という質問に、「頭で考えても中々うまくいかないことがあるので、実際にやってみることですね。自分で感じて自分で考えることが大事だと思います。仕事でもなんでも結局は人だと思います。お仕事も人からもらいますし、出会いも人から頂きます。自分から積極的に外に出て、人と関わり失敗も含め色々な経験をしてもらいたいです。」なかなか素晴らしいことばだと思います。
みなさんも常に夢をもち、その実現に向かってより一層努力をしてください。
さあ、いよいよ明日から授業が始まります。
3年生のみなさんは卒業までのカウントダウンが始まりました。いろいろな意味で有終の美を飾ってほしいと思います。特に、もうすぐ高校生活最後の定期考査もあります。卒業後、スムーズに新生活がスタートできるよう、これまで以上に前向きに日々を過ごしてください。
 最後に、今年はいよいよ本校も101年目を迎えます。次の100年へのスタートです。
その平成29年がみなさんにとってそして名張高校にとって、「すばらしい年」になることを祈念し、全校集会の講話といたします。




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