学校マネジメント(定時制)

1 目指す姿

(1)目指す学校像

充実した多文化共生教育やキャリア教育等をとおして、多様な学習ニーズを有する生徒たちが、自信と誇りをもち、社会の構成員として生活し、これからの新しい社会を創造していく力を育むことのできる高等学校を目指す。

(2)育みたい児童生徒像とありたい教職員像

育みたい児童生徒像

  1. 自分から大きな声で挨拶をし時間や期限を守り、適切な言葉遣いができるなど、社会人として必要な素養を習得させることができる。
  2. 漢字能力、計算能力、英語能力や外国人生徒については日本語能力など、社会生活を営むうえで必要な基礎学力を習得することができる。

ありたい教職員像

  1. 高い専門知識・能力と指導力を有し、情熱を持って教育活動に取り組み、生徒の意欲や向上心を喚起できる教職員。
  2. 学習指導や生徒指導等の教育活動において、ねばり強く生徒に接し、理解に努め、一人ひとりの生徒にきめ細かく対応できる教職員。
  3. 新たな取組に積極的にチャレンジする向上心を持ち、他の教職員と協力して学校経営や教育内容の向上を目指すことができる教職員。

2 現状認識

(1)学校の価値を提供する相手とそこからの要求・期待

〈生徒〉

学力向上(日本語能力を含む。)と進路希望(進学・就職)の実現。

〈保護者〉

学校からの丁寧な情報発信や連絡によって学校と家庭が連携した子育て。

〈地域住民〉

地域の学習拠点として、日本語習得支援などの学習支援。

(2)連携する相手と連携するうえでの要望・期待

連携する相手からの要望・期待

〈中学校〉

不登校経験者や外国人生徒など多様な生徒の受入と中学高校間の連携強化。

〈事業所〉

基礎学力の向上と社会人マナーの習得。

連携する相手への要望・期待

〈中学校〉

目的意識を持ち、学校生活を適正に行うことのできる生徒の育成。

〈事業所〉

在学中からの雇用と卒業時の正規雇用への切り替え。

(3)前年度の学校関係者評価等

  1. 外国人生徒への支援体制の充実はとてもよいが日本語も含めた日本文化を理解させ、日本人社会に適応させる手立てをさらに検討してほしい。
  2. 全日制と定時制の交流があっても良い。両者の良い点を情報交換すべきである。
  3. 地域への情報発信に努め、地域から信頼される学校となるよう期待している。
  4. 大学進学等個別指導に成果が出たが、全体の授業規律を検討してほしい。

(4)現状と課題

教育活動

  1. 基礎学力、日本語、ソーシャルスキルなどに様々な課題を持つ生徒が多く在籍することから、授業規律や出席を重んじるとともに、学習意欲を向上させ、安心して登校し落ち着いて学習に取り組むことができるよう生活・学習の両面から支援する必要がある。
  2. 在学中から就労支援を行い卒業後の正規雇用につなげるために、キャリア教育を推進する必要がある。
  3. 特別な教育的ニーズを有する生徒が増加していることから、特別支援教育の充実を図る必要がある。

学校運営等

  1. 学校としてのシステムが完成しておらず毎年改善を図り試行錯誤の状況を続けてきたが、定時制ができて6年目になるので課題を精査しシステムを構築する必要がある。
  2. 周辺住民への情報発信が不十分で定時制生徒への理解が進んでいない。

3  中長期的な重点目標

教育活動

  1. 社会生活を営むうえで必要な規範意識を確立し、適切な人間関係を形成する力、自分の置かれている状況をふまえて他者と協働できる力を育成する。
  2. 社会生活を営むうえで必要な基礎学力の定着を図り日本語能力の向上に取り組むとともに、文化的なちがいを認め合い地域社会の構成員として共に生きる力を培う。

学校運営等

  1. 生徒や保護者にとって安心安全な教育環境を整えると共に、教職員が充実した業務を行うため、総勤務時間の縮減や執務環境整備に取り組くむ。
  2. 生徒の多様なニーズに応えるため、職員の指導力の資質向上に努める。

4 平成28年度の行動計画と評価

(1)教育活動

教育活動に関する項目は、児童生徒を対象としたものとするのが望ましい。
(例)「教育課程・学習指導」「キャリア教育(進路指導)」「生徒指導」「保健管理」など

また、評価項目・指標等を検討する際の視点は、学校の実態に応じて設定する。

【活動指標について】取組・活動の具体的な活動量や活動実績を指標にします。
【成果指標について】取組・活動による具体的な効果や成果等を指標にします。
【備考欄について】「※」:定期的に進捗を管理する取組 「◎」:最重点取組

項目 取組内容・指標 結果 備考
社会生活を営むうえで必要な規範意識を確立し、適切な人間関係を形成する力、自分の置かれている状況をふまえて他者と協働できる力を育成する。 (生徒指導) (1)特別指導件数は減少傾向にある。授業態度や学校内外での喫煙等や交通のマナーに関する指導は課題。

(2)生徒会役員の積極的な取り組みにより全日制生徒との交流など学校行事も活性化され、行事の満足度は各回とも75%を超えている。

(3)面談による個人指導によりきめ細かな支援ができた。いじめ認知件数は1件であった。当該生徒には丁寧な指導と配慮を行った。

(4)啓発については計画通り実施できた。生活アンケートを12月に実施、「朝食をとる」55.1%、「0時までに就寝」51%。

(5)企業説明会等も利用し約30社との面談を行い定時制の様子を周知できた。担任・進路担当で丁寧な面談を行い一人ひとりの生徒の進路希望をもとに対応できた。しかし企業側の採用イメージに合致しない場合も多く、職場定着サポーターやハローワークなどの関係機関の協力は大きな力となっている。

(1)規範意識の確立

○活動指標:校内:校外の巡回指導を毎日実施
○成果指標:問題行動による特別指導件数年間20件以下

 ◎
(2)人間関係形成能力の育成

○活動指標:なかまづくりを目的とした学校行事を年4回実施
○成果指標:アンケート調査における満足度が各回とも75%以上

(3)自他を尊重する気持ちの涵養

○活動指標:面談による個人相談を年5回実施
○成果指標:いじめ認知件数5件以下

(保健指導)
(4)基本的生活習慣の確立

○活動指標:保健だよりによる啓発、年間10回以上
○成果指標:生活アンケートを後期に取り朝食をとる50%以上、0時までに就寝する50%以上

(5)進路指導体制の構築

○活動指標:
・就職・進学のための1年間の進路指導の流れを構築する。
・企業訪問30社
○成果指標:
・就職希望者の1次試験の受験
・卒業予定者の進路希望の充足

社会生活を営むうえで必要な基礎学力の定着を図り日本語能力の向上に取り組むとともに、文化的なちがいを認め合い地域社会の構成員として共に生きる力を培う。 (1) 礎学力の育成、授業を大切にする取組

(学習指導)

○活動指標:
・学び支援 年間2回(10月、3月)
・学びノートの活用と定着
○成果指標:
・授業公開時の出席率 70%以上
・単位修得率 80%以上

(1)・昨年度に続き今年度も学び支援を段階的に縮小。・学びノートを活用する生徒もいる一方で、学びノートを持たず、教師の出席管理に依存する生徒も多い。・授業公開 出席率56.1% ・単位修得率 3月末(前期単位修得率82.6%)

(2)・授業の教員による相互参観やタイマーを購入し活用を図るなど授業改善の推進に取り組んだ。・年間5回実施。・満足度評価4 61.7%

(3)・授業規律については遅刻や携帯をいじる生徒も目立つ。「5分遅刻」の制度の見直しを行い来年度の改善の方向ができた。

(4)ようこそ先輩や主権者教育での模擬選挙、弁護士による講話など質の高い講座を実施できた。13回までで生徒の満足度4以上69.5%と高かった。

(5)夏休み明けに手紙を出したり、後期に再募集をかけたりしたが、秋以降参加者は1名であった。その1名も12月の検定以降は来られなかった。地域開放講座も6年目を迎えたが、その存続を含め、地域貢献の在り方について再検討をする時期に来ている。

(2)わかりやすい授業のための工夫

授業公開・授業改善日を設定し、生徒からの授業評価を行う

○成果指標:授業公開・授業改善日 年間5回
○成果指標:生徒の授業の満足度評価4 70%以上

(3)授業規律の確立

○活動指標
非常勤講師も含め、出席等の授業規律について教員間で意思統一を図り、全教員で一致して指導を行う。
○成果指標:学び支援受講者数の減少 のべ600人以下

(4)キャリア教育プログラムの構築

(進路指導)

アルな職業観・勤労観を育成するキャリア教育(社会人基礎講座)を計画的に実施する
○活動指標:キャリア教育・社会人基礎講座を年間8回以上実施
○成果指標:総合学習の満足度 4段階の4 60%以上

 ◎
(5)開かれた学校づくり

地域開放講座(日本語教室)の実施
本年度で6年目となり地域に定着しつつあるが、課題は受講者の継続的な参加
○活動指標:受講者に通知を出し、継続的参加を促す
○成果指標:参加継続率 80%以上

改善課題
教職員の不断の努力によって、全体として落ち着いたよい雰囲気になってきている。生徒の学力の向上のための授業改善や授業規律の確保が課題である。

また、進路保障のために、生徒の自尊感情の確立や、社会人としての基礎力の育成、それと並行して関係機関と連携して定時制への理解を企業に求めつつ、求人開拓を推進する必要がある。

外国につながりのある生徒の支援体制は教職員全員の理解と協力体制によって確立してきたが、卒業率や卒業後の進路保障に向けた指導体制の確立が課題である。

(2)学校運営等

学校運営等に関する項目は、教職員や施設等を対象としたものとするのが望ましい。
(例)「組織運営」「研修(資質向上の取組)」「情報提供」「保護者・地域住民等との連携」など
また、評価項目・指標等を検討する際の視点は、学校の実態に応じて設定する

【活動指標について】取組・活動の具体的な活動量や活動実績を指標にします。
【成果指標について】取組・活動による具体的な効果や成果等を指標にします。
【備考欄について】「※」:定期的に進捗を管理する取組 「◎」:最重点取組

項目 取組内容・指標 結果 備考
生徒や保護者にとって安心安全な教育環境を整えると共に、教職員が充実した業務を行うため、総勤務時間の縮減や執務環境整備に取り組くむ。 (1)生徒・保護者・地域のニーズを把握するため、聞き取りやアンケートを行う

○活動指標:年間1回以上実施
○成果指標:実施率100%

(1)生徒・保護者・地域・中学校を対象にアンケートを実施した。

(2)HPのリニューアルを行うとともに行事等の情報発信を月1度以上実施できた。HPのシステム管理の利便性が悪く、更新に不具合もあった。来年度は新しいシステムになるのでHPを全面的に更新する。

(3)情報管理チェックシートを活用し点検を行った。

(労働安全衛生)

過重労働で産業医面談が必要な教職員は0であった。「必要なときに休暇等を取得できる」4段階の評価4 は66.6%とやや低かった。

(4)授業担当者会議、ケース会議とも開催し、生徒支援について有意義な情報交換ができた。個別の指導計画は該当全員分を作成した。

 

 

 

(2)学校の情報を適切に発信するため、ホームページの更新を行う

○活動指標:月間1回以上更新
○成果指標:実施率80%以上

(3)学校が保有する情報を適切に管理するため、管理状況の点検を行う

○取組指標:年間1回以上実施
○成果指標:実施率100%

(労働安全衛生)

健康的で快適な執務環境の中で、充実した業務を行うため、総勤務時間の縮減や執務環境の改善に取り組む

○活動指標:過重労働者への面談月1回以上、安全衛生委員会の開催年2回以上
○成果指標:「必要なときに休暇等を取得できる」4段階の評価4  70%

(4)学校の「構造化」を推進し、教育環境を整えながら合理的配慮の提供方法を検討する

○活動指標:授業担当者会議、ケース会議の開催
○成果指標:支援を要する生徒の「個別の教育指導計画」100%作成

生徒の多様なニーズに応えるため、職員の指導力の資質向上に努める。 (1)特別支援教育や授業実践などの研修を実施し、指導力の向上に努める

○活動指標:職員研修を年間1回以上実施
○成果指標:実施率100%

(1)特別支援に関する研修を7月に実施した、また全日制の授業研究会に定時制の多数の教員が参加し、後日職員会議で還流の機会を持った。
(2)教務・外国人支援の観点で県内他校へのベンチマーキングを行った。還流の機会を確保できなかった。
 ◎
(2)先進校視察などを実施し、全体に還流することでチーム全体の教育力を向上させる。

○活動指標:先進校へのベンチマーキング 5校以上
○成果指標:実施率60%以上

改善課題
特別支援のための担当者会議やケース会議などによって教職員で一致した支援体制が取れるようになった。また、生徒指導や進路保障においてはSSWや職場定着サポーターの活用や外部機関との連携によって、生徒にとってよりよい指導体制を構築することができた。

定時制の特徴や定時制生徒のよさを地域社会に向けてどのように発信していくか、また生徒の活躍の場をどのように広げていくか等が課題である。

指導体制としては、各教員の指導成功事例を共有し、継続的な指導体制の構築が必要である。

5学校関係者評価

明らかになった改善課題と次への取組方向
  1. 進路実現に向けての生徒の意識の向上を図るには家庭との連携を取りながら進めることが効果的である。
  2. 地域の活動に生徒を参加させることで、生徒たち自身の自尊感情も育つ。
  3. 生徒が自分で学習の達成度をチェックするしかけを作り、自分で自分をほめることをさせていくと生徒たちに元気が出てくる。

6次年度に向けた改善策

教育活動についての改善策
  1. 進路保障の充実を図る。(特に外国人生徒の進路保障に向けて一層強化する。)
  2. 特別支援体制の充実のために外部との連携を取りながら効果的な支援体制を構築する。
  3. 地域教育力の導入や生徒の小中学生との交流など地域参画を図る。
学校運営についての改善策
  1. 授業力等の向上のために教員研修を充実させる。
  2. 学校教育目標をよりわかりやすく具体化し周知を図る。
  3. 情報共有を推進し、協働して教育活動にあたれる体制を作る。

5 平成29年度の行動計画と評価

平成29年度学校マネジメントシート