令和8年度
入学式
令和8年度 入学式 「校長式辞」より抜粋 (R8.4.8)
入学に際し、みなさんに、2つの言葉を贈ります。
1つ目は、「未見の我」です。
本校での三年間は、みなさんが大きく成長するための、かけがえのない時間です。この、卒業までの三年の間、みなさんには、自らの内にある可能性に気づき、それを磨き、高めてほしいと思います。それは、みなさんが、社会へ羽ばたくための礎を築くことにつながるからです。そしてそのために、本校の中で「夢中になれる何か」を見つけ、ひたむきに取り組んでほしいと思います。勉学であれ、部活動であれ、あるいは学校行事であれ、自らが「これだ」と思えるものに出会い、全力で向き合うとき、人は大きく成長します。
順風満帆なときばかりではないでしょう。ときに壁にぶつかり、思い悩み、立ち止まることもあるかもしれません。しかし、そうした経験を重ねることによって、みなさん一人ひとりの中に秘められている、可能性、まだ自分自身でも気づいていない力、これを大きくすることができると思います。
自分もまだ気づけていない力、見えていない可能性。これを「未見の我」と名付けましょう。
どうかこの三年間で、この「未見の我」に出会い、自らの新たな一面を発見してください。そして、その可能性を大きく花開かせてほしい、そう願います。
私たち教師は、みなさんのそうした歩みに寄り添いながら、みなさんの力を引き出し、伸ばしていくことをお約束いたします。
2つ目は、「自分軸」です。
本校は、総合学科を置く高校です。ですので、国語・数学・英語などの普通科の科目と、農業、工業、商業などの専門学科の科目の両方をたくさん置いており、みなさんはその中から、自らの興味や関心、進路に応じて選び、深めていくことができます。
どの学びを深めたいのか、それはみなさん自身の選択にかかっていますし、本校では、そうした選択の機会を数多く設けています。しかし、選択するためには、「何を大切にしたらよいのか」という判断の基準や優先順位のつけ方に、自信を持てるようにしておくことが必要です。
そうした基準づくり、優先順位のつけ方を体得する経験を、この三年間で積み重ねていくことになります。
その積み重ねの中で、みなさんはやがて、自分が真に関心があるものとは何か、自分はどのように社会と関わっていきたいのか、どのような生き方・人生を歩んでいきたいのかという、根源的な「問い」に向き合っていくことになります。
この「問い」を、「自分軸」と名付けましょう。
本校での学びの中で、この「自分軸」を確かなものとする営みに、みなさん一人ひとりが向き合っていくことになります。ただしその答えは、すぐには見つけられないでしょう。迷い、悩みながら、少しずつしか見えてこないと思います。でも、みなさんにわかっていただきたいのは、その過程そのものが、かけがえのない学びであり、成長の証であるということです。私たち教師は、みなさんがそうした迷いの中にあるときこそ寄り添い、その歩みを支え続けます。
本校の校歌、第2番の歌詞に、「勤勉ここに実りあり 鍛えよ競えはつらつと」と、高らかに歌い上げられている一節があります。この一節には、日々の努力を積み重ねることの尊さと、互いに切磋琢磨し、たくましさを培う若者の姿が謳われていると思います。これぞまさに、みなさんが歩むべき高校生活の道筋です。どうかみなさん、この言葉を胸に刻み、自らを鍛え、仲間とともに高め合いながら、充実した日々を築いていってください。
本校の校章を「蔦菱」と言います。「蔦菱」の蔦は、ほかの樹木や壁などにくっつきながら、上へ上へとよじ登っていく植物のことです。この「蔦」の様子からは、「努力」と「忍耐」そして「進歩」を読み取ることができます。これぞまさしく、みなさんが目指すべき高校生としての心がまえを象徴したものです。どうかみなさん、校章「蔦菱」のごとく、ひたむきに努力し、今日より成長した明日となれるよう、互いに高め合ってください。
今、みなさんは、それぞれの思いを胸に、この学び舎の門をくぐりました。その胸の内には、期待とともに、不安もあることでしょう。しかし、そのすべてを抱えながら踏み出すこの一歩こそが、かけがえのない第一歩です。
三年後、みなさんがここを巣立つとき、今日という日の自分を振り返り、「あの一歩があったからこそ、今の自分がある」と、そう胸を張って言えるような日々を、どうか大切に積み重ねていってください。
その歩みの先に、みなさん一人ひとりの、かけがえのない未来が拓かれていくことを、心から願っています。
