上高ニュース

2学期終業式(定時制)

2015.12.24

 厳しい残暑の中で始まった2学期も、身に沁みる寒さの中で終わろうとしています。

 夏から秋へ、秋から冬へ、季節の移り変わりを感じながら、この4ヶ月、皆さんは様々な活動に取り組みました。ある時は「喜び」に胸躍らせ、ある時は「悔しさ」で胸をかきむしり、またある時は「悲しみ」に胸を絞めつけられ、少しずつ、しかし確実に、皆さんは成長したと思います。

 新しい年を迎えようとしている今、皆さん全員に、ひとまず、この2学期を含む今年一年を、しっかりと振り返ってほしいと思います。

 そこで、皆さんに尋ねます。「今年は、やろうと思っていたことは、どれくらいできましたか?」「やろうと計画したことは全部やった。」と断言できる人は少ないのではないでしょうか。多くの人は、「やれたこともあるし、やれなかったこともある。」すなわち、「やり残したことがある」という振り返りをするのではないでしょうか。

 問題は、何をやり残したかです。特に、やろうと思っていたのに、やるチャンスはいくらでもあったのにやらなかったという「やり残し」です。私たちは、その理由を尋ねられるとあれこれ言い訳をしがちです。「いろいろあって忙しかったので」とか、「友達づきあいがあって」とか、「みんなが動いてくれなかったから」とか…。これらの「言い訳」は全て、他人や周りの環境のせいにするものばかりです。

 再び皆さんに質問します。「来る2016年は、「言い訳」を繰り返して「やり残し」を再生産しますか。それとも、周りがどうであれ、「強い意志」でやり遂げたという経験を積んで人生を切り拓いていきますか。」

 こんな話を皆さんに紹介します。

A社とB社という2つの靴メーカーの社員が市場調査のために現地を訪れた。裸足で生活をしている人々を見て、A社の社員は、「ここの人達は靴を履く習慣が無いようです。ここでは靴は売れません。」と本社に報告した。一方、B社の社員は、「ここでは誰一人靴を履いていません。ビジネスチャンスです。」と報告した。その後、B社の社員は市場開拓に成功し、会社に大きな利益をもたらした。

 靴を履かない人達という同じ現実を見て、それを「言い訳」にして撤退する人もいれば、それを「チャンス」にして前進する人もいる。この違いは一体どこから来るのか。

 さて、皆さん。この一年を振り返ってください。やるべきこと、やりたいと思ったことをやらなかった人は、何としてもやるという「強い意志」が、その時の自分にあったかどうか、そして「自分はこれをやる」という「強い意志」を持ち続けたかどうか、自らに問うてみてください。

 皆さんは、来る2016年も、様々な人生の現実を経験するでしょう。自分の前に大きな壁が立ちはだかることもあるでしょう。現実の壁の高さを「言い訳」にして停滞するか、それとも「大いなる前進」のチャンスにするか、皆さんの「強い意志」に期待します。

 風邪など引かず、体調管理に努めながら、来年1月に元気に登校してください。

 以上で、2学期終業式の話を終わります。

2015年12月22日 東 則尚

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