上高ニュース

1学期始業式式辞

2015.05.18

 学校の周りでは、桜が満開の花を咲かせました。まさに春爛漫です。今日から新たな1年を始める皆さんに、激励のエールを送っているかのようです。

 2015年度1学期の始業に当たり、私も激励の気持ちを込めて話をしたいと思います。

 蓋のある「箱」の中に、いくつかの「大きな石」と多くの「小さな石」、そして「砂」を入れる作業をするとします。何を、どんな順序で「箱」に入れますか。

 普通は、先ず「大きな石」を入れ、その隙間に「小さな石」を入れ、最後に「砂」を入れます。逆に、最初に「砂」を入れてから「小さな石」を入れ、最後に「大きな石」を入れると蓋ができなくなるかもしれません。

 これは、「大事なものを先にする」ことの例としてよく引用される話です。「箱」が「自分に与えられた時間」、「石」の大きさが「やるべきことの重要度」を表し、優先順位の決め方によって結果が違ってくることを意味しています。

 具体的に考えてみます。例えば、「部活と勉学を両立させてみせる」と決意した人は、一時間、一時間の授業を大切にするでしょう。放課後の部活も意欲的に取り組めるはずです。また、帰宅後の就寝までの時間をどう使うべきか、その術を身に付けていなければなりません。LINEの「既読」メッセージなどに振り回されることもありません。

 問題は、「他のものに先だって明確にしている大切なこと」があるかどうかです。これが大きな違いを生みます。「自分のあるべき姿」「なりたい自分」を明確にしている人は、時間の使い方などに迷いがありません。「自分のあるべき姿」を実現するためには何を大切にし、何を我慢するのか、その判断がブレません。逆に、「なりたい自分」を明確に持っていない人は、その時の気分や感情、その場の雰囲気に振り回されることになります。その時々でやりたいと思ったことに時間を使い、その場その場で欲しいと思った物にお金を使ってしまいます。その結果、「なりたい自分」にはなかなかなれません。本当に必要なものを手に入れることもできません。

 中心が決まれば、周りのことは自ずと決まっていきます。目的が明確であれば、手段も絞られます。

皆さんは、高校生活という「箱」の中に、どんな「大きな石」を入れましたか。学年が一つ上がった今、自分の「箱」に「大きな石」を入れ直したという人もいるかもしれません。それも良いでしょう。

 「大きな石」こそ、成し遂げようとする「固い意志」、すなわち「志」です。それをブレることなく貫こうとする皆さんの努力に期待し、1学期始業式の話を終わります

 

2015年4月8日 東 則尚

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