古い建築

平成18年度古建築模型製作

平成18年度軸組み模型製作

平成17年度模型製作

模型標本室 平成17年度(本年度製作)

古建築の研究

「古建築の研究」・・・・模型製作を通して昔ながらの建築技法を研究します。
特に神社仏閣等は独特の工法が用いられており、模型を作成しながら実物に思いをはせます。

研究例・・・法隆寺五重塔、平等院鳳凰堂

法隆寺五重塔について・・・・

法起寺は、現存する木造建築物の中では世界最古のもので、世界文化遺産にも登録されています。
約1,300年の間、大きな地震や風雨に見まわれながらも現在にその姿を残しています。
構造計算など無く、力学的知識も「感」という要素しかなかった飛鳥時代に
如何にして設計、施工がなされたのでしょうか?
その疑問は模型を作りながらおいおい明かされてゆきます。答えは一番下です。

平等院鳳凰堂について・・・・・

平等院はもともと藤原道長の別荘でした。
その後、阿弥陀如来を安置した阿弥陀堂(鳳凰堂)が建てられました。
上で紹介した法隆寺はその力学的性質において興味を誘われるのに対して、
 鳳凰堂は意匠的な美しさをもって、我々の興味を掻き立てました。
中堂を中心にに翼廊がひろがり優美な姿をみせています。
他にも尾廊、中堂といった構造物や、それを彩る大屋根の鳳凰がよりいっそうの美しさを発揮しています。
また、今回の模型には出てきませんが、内部の装飾も大変美しく、
二重の天蓋、宝相華文様や螺鈿装飾、壁扉画など多数の装飾が施されています。
模型製作中も平安時代中期の雅が漂いました。

模型製作の様子は以下。これからだんだん建物の形ができてきます。

組み立ての様子1班
法隆寺五重塔
組み立ての様子2班
平等院鳳凰堂
2週目の様子・・どちらも1階層めを製作中。 建物の形が現れてきました
3週目に突入2層目が現れてきました。 柱列がきれいです。
かなり高い位置まできました こちらは横に拡大中
随分完成に近づきました。 今回は細部の組みたてです
7週目軒裏製作中 9週目左右への広がり製作中
両班とも完成までもう少しとなりました
8週目。かなり細かい作業になってきました。
図面とあわせています。 威厳のある中堂がそびえています
ココまでくると法隆寺そのもの もうちょっとで完成です(^^;!!
9週目。いよいよ仕上げ作業に突入。細かい作業の連続です。
軒裏は手がこみます 両翼廊。屋根材も細かいディティール
これは何層目かな?? 上の写真とセットです。(左右)
軒裏完成 鳳凰取り付け
てすりです 尾廊(隅廊)
10週目です(^^)
更に細かいディティールです 大屋根製作。金色の鳳凰がつきました。
立派です 両翼廊とつなげてみました
先ほど作っていた一階層部分も完成 細部の拡大です
高くそびえてきました こちらも拡大。右翼側
斗供も美しいです。 三手先の組物郡も見事です
11週目です。平等院鳳凰堂が完成しました!!


完成です!なかなかの出来栄えです!
(中堂・両翼廊・尾廊)
五重塔はあと一息!ほぼ完成です! 上の画像をクリックするとワンサイズ大きくなります。
12週目です。今回で課題研究はすべて終了となります。
左の画像をクリックするとワンサイズ大きくなります。
五重塔完成しました! 20時間、12回で2つの模型が完成しました。

法隆寺の力学的構造について

実は上の模型では現れていませんでしたが、法隆寺には一本の心柱が内部にあります。

 法隆寺はその構造から、心柱を中心に多くの部材を用いて硬く作られていると想像している人が多いとおもいます。しかし、本当は構造的にみると心柱を軸として、すべての加重を剛で受けているのではありません。下から上までほとんどの部材は、別々に外力を受け流してしまうように設計されています。高層ビルによく見受けられる振り子振動の仕掛けで、地震などの固有振動を柳のように吸収し、別の力に変えてしまいます。そんな柔の構造によって、長い歳月を経た現在もその美しい姿を残しています。