三重県立盲学校

グループ別研修 盲重複グループ
第3回 9月19日(金)

Teller Acuity Card (TAC)の使い方を学んだ。

TACは、視力検査の際、意思表示の困難な、対象者への視力検査方法である。

カードは、全部で17枚。

白いボードに黒い縞模様
15枚のカード
同じ格子の大きさに、太さの違う縞模様
16番目のカード
ロービジョンカード。
とても視力の弱い人のためのカード
17番目のカード
何も書かれていないブランクカード
この様に構成されている。

医療現場でTACを使って検査をする場合、検査者と被検査が同じ目の高さにカードの穴がくるようにし、穴から眼球の動きが確認できるようにする。

15枚のカードについての扱い方

それぞれの年齢に応じて、決められた距離から眼球の動きを確認する。

目からカードの距離

年齢距離
3ヶ月38cm
4ヶ月から6ヶ月38cm
7ヶ月から3歳55cm
3歳以上84cm

以上の距離を保ったまま、まずは、スタートカードとブランクカードを用いて検査をする。

スタートカード3種類ある

月年齢カード視力
6ヶ月以下0.64のカード視力0.01を現す
6ヶ月から1才半1.3のカード視力0.04を現す
1才半以上2・4のカード視力0.07を現す

まずは、スタートカードとブランクカードの2種類を使って、子供の眼球の反応が、本当に見えてうごいているのか、見えずに動いているのかの反応を確認する。

見えているようなら、スタートカードより格子の縞模様が1ランク小さいカードで検査する。見えていないようなら、格子の縞模様が1ランク大きいカードを使う。生徒の眼球の動きがなくなるまで、検査を続ける。

最終的に眼球の動きがあったカードの視力が、この対象者の視力を示す。

注意点

目には効き目があるため、見え方に違いがあることもある。この場合効き目の方が反応しやすいため、カードを左右にひっくり返し、両目の動きを確認する必要がある。

対象者の能力に応じて、縞模様が見えたら指差しで反応してもらってもかまわない。

 ロービジョンカードは視力がとても弱い対象者に用いる。

このカードは、年齢にかかわらず、38cm→19cm→9.5cmと距離を短くして検査をするようにする。

全体の注意点

赤ちゃんは動かないように配慮する。

集中力が続かないようなら注意を向ける様にカードの後ろから、音の出る鈴などで注意を誘う。

母親が対象者を抱いた状態で、検査を行う場合は、母親がアイマスクをして、母親の反応が、子供に伝わらないようにする。

最後に、

参加者で技法を確認した後、シュミレーションレンズを使い、TACのカードを見てみた。白濁したレンズでは、最も見やすいロービジョンのカードさえ、見えにくいことが分かった。


グループ別研修 盲重複グループ
第4回 11月21日(金)

DOT VISUAL ACUITY CARDの使い方を学ぶ。

検査距離は30cm。カードのうさぎの目があるかどうか、子供に聞き、言葉や指差しで答えてもらうという検査方法。

前回のTACのカードを用いて、実際に生徒に使って反応を見たという実践例を話す。結果は、反応しているのかどうかさえ分からなかったということであった。

結果を受けて、TACの検査法は、知的障がいの児童・生徒に対しての、検査法として有効だろう。しかし、身体的に障がいがあり、例えば頭部を一定の位置に定められなかったり、眼球が動いているのかどうか確認できないような児童・生徒に対しては、TACの検査方法は難しいのかもしれない。


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