盲重複グループ研修
【第4回】11月16日

N先生を招いて、成長する過程で動きづくり、身体イメージの獲得、様々な運動の習得について、経験談を聞いた。その内容は次の通りである。

(1)小学校の頃、体育館で走り回り、弱視生と競争していた。負けず嫌いであったので何にでも挑戦していた。そのため小さな頃から身体を動かしていたので、十分な運動量は確保されていた。

(2)山の自然いっぱいの場所に住んでいたので怪我何度もしたが、兄弟と走り回ったり、 川遊び、スキー、ボール投げなどの多様な運動体験をしていた。

(3)ボール投げでは頭の中でフォームは理解していた。しかし自分でやってみると手足の動きが同じになるなど、協調した運動が出来なかった。とは言うものの出来るだけ早い年齢から投球動作のような運動は練習、習得すべきであると思う。

(4)運動を経験する中での失敗は限度を覚える手だてとなる。例えば木登りしていて枝が折れ落ちたことや高所から飛び降り骨折したことがあった。しかしこれらのことは恐怖心がない子供の時だから出来たことで、怖さを知ると出来なくなった。

(5)最初に安全な範囲を確かめておくと、走るときなど運動に挑戦しやすい。

(6)当時の盲学校は多数の生徒が居て、いじめられたり、仲間間の競争があった。出来ないのが悔しい、いじめられたくないという気持ちが出来るようになってやろうとするモチベーションに繋がった。また教師も点字の読みなどにクラスメートとの競争を取り入れ、頑張ろうと言う気になった。また教材には水鉄砲などの興味引く物を用意してくれた。

(7)運動動作の習得に対して、児童生徒が大きくなってから指導する場合、言葉での指導、手取り、足取りの指導は、気の長い丁寧指導を必要とする。最初はバラバラでも良いので根気強く練習させる。またきちんと運動させようと神経質になればなるほどおかしくなることもあるので、途中からはその児童生徒の感性を大切にし、あまり難しい要求をしないことも大事である。

(8)運動動作を理解するために、身体の大きさが同じぐらいの友達に教えて貰うようにした。それが動きと同様に身体イメージを獲得する助けとなった。

(9)運動動作の習得は大きくなればなるほど難しい。出来れば小学校以前が望ましい。

(10)何でもやってみよう、どんなんだろうという好奇心を持つ事が大切である。よって周りの 大人が子供の好奇心を育てる様に接していきたい。子供の頃スポーツ観戦(テレビ、ラジオ等 より)をして、オリンピックに刺激を受けて鉄棒などの体操競技をやってみようとした経験がある。またスポーツや運動との出会いはネガティブな気持ちを生じさせないようにする工夫も必要である。

(11)恐怖心の芽生えない小さな頃から色々な物に触ることが大切である。その積み重ねにより、ボディイメージを友達の身体を触ることで獲得できた。


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