第6回 弱視グループ研修
調理実習「ホットケーキ作り」

べんりグッズを使ってみよう。

シミュレーションレンズを使って、視野狭窄と全盲での体験。

手順

1 道具類を探し出す。

家庭科室は結構広いので、なかなか必要な物を探し出すことができない。

引き出しにしまってあるものは、特になにがどこにあるのか、表示してあっても探し出すことができにくい。毎日自分で使うのなら、決まった位置に、自分が工夫して取り出しやすく収納しなくては、時間が無駄になると感じた。整理整頓がとにかく大事です。道具に関しては、色での区別など工夫があると、使いやすいと思う。

2 ホットケーキ作り

A まず、粉類をボウルに入れる。

飛び散らないように袋を開けること、こぼさないように袋からボウルに移すこと、袋から粉がすべて入りきったかどうか、確認することなどが、思った以上にむずかしかった。

B 卵を割りいれる。

日常、よく行なっている動作だが、改めて卵を割る場所や、ひびの入り加減を確かめることは、けっこう難しい。殻のかけらが入っていても、分からないと思う。

C 牛乳のパックを開いて、ボウルに入れる。

パックを開けることは指先だけでもできるが、ボウルにこぼさないように入れることは、おっかなびっくりで、人に見てもらってやるほうが、心強い。

特に、粉が白く、牛乳を入れても、音がしないし、入っているのかどうかが確かめられないので、やりにくい。

D 粉や牛乳、卵をかきまぜる。

ボウルを左手でしっかりと固定させてから、泡だて器でかき混ぜる。固定させていないと、どこにホットケーキの種があるのか分からないので、こぼしそうで不安になる。

E ホットプレートをセットして、油をひく。

油がどのくらい入ったか、分かりにくかった。定量入るグッヅが便利だと思う。

F 種をおたまじゃくしで流し入れる。

たくさん焼くことはしないほうがいい。せめて2〜3枚だと、ホットプレート上の管理ができる。ひっくり返すときは、空白のスペースを確認してから。ただし、顔を近づけて確認することは、怖いしので、かなり慎重になる。

G 皿に移す。

フライパン返しの上にホットケーキをのせたかどうか、手指の感覚だけでは、確認できない。また皿の真ん中に入れることは、修練が必要のようである。

(感想)

シミュレーションレンズを使ってのひっくり返しやお皿にのせる動作は、そのレンズの視野に慣れるまでは、手での確認がかなり必要であったが、すこし慣れてくると、目である程度は確認できるようになってくる。しかし、無理な姿勢をとるため、首の後ろが痛くなったり、気分が悪くなったりしてきた。次にまったく見えない状態でやってみると、手での確認なしでは難しい。フライ返しにホットケーキがのったという感覚が、フライ返しを持つ手に伝わらない。フライ返しからホットケーキがずり落ちる感覚は伝わるが、そのときは落ちてしまったあとなので、何度もやりなおさなければならなかった。


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