(病状に応じたガイドが必要)
※@〜Bについては、アイマスク・シミュレーションレンズの使用により疑似体験できるが、視覚障害者のすべてを体験できるものではない。
- 健康状態
- 他の障害
- 初心者とベテラン
- 歩行訓練の経験
- 生活経験
- 社会的経験
- ことばの理解
- 頼むのが上手なひと、遠慮して頼むのが下手な人
@中途視覚障害者の場合
障害発生→失明宣告→混乱・葛藤→受容→回復→適応→社会復帰
A先天盲・学齢児の場合
障害発生→失明宣告→とりあえずの適応→成長(事実の認識)→混乱・葛藤→受容→回復→適応→社会参加
@声かけ
「どこまで行かれますか?」
「出口までご一緒しましょうか?」
「・・さん、こんにちは、××です」
「あっ!危ない!ストップ! …、 もう、大丈夫です」
「危ない!右へ一歩よって」
「ちょっと席外しますね」 … 「あっ、どうも」
Aわからない表現 = 指示代名詞
あれ、これ、あっち、こっち、そちら、あちら、あの信号のところ、こうして、こんなふうに、
「こっち、こっち」
「出口はどちらですか?」
「あそこです」
「どこを押せばいいですか?」
「そこの赤いボタンです」
Bわかりやすい表現 = より具体的に表現
視覚障害者から見て 左・右、前・後、手前・奥
何メートルぐらい、何歩ぐらい、10分ぐらい歩いて…
手を取って具体的に方向を示す
クロックポジションによる方向の指示(中心の位置を明らかに)
大まかな説明と詳細な説明
触れられるものは、触ってもらいながら説明
C考慮を必要とする表現
「テレビを見る」=OK
「このでっぱりは黄色なんですけど、これをね…」=OK
「黄色いところを…」=NG
@基本的手引きの方法
- 声かけする(「さぁ、行きましょうか…」など)
- 視覚障害者の白杖を持っていない側に立つ
- 手引者の手の甲で、視覚障害者の手の甲や肘に軽く触れる
- 手引者の肘(または肩)を持ってもらう(触れてもらう)(こどもの場合は手首など、身長に合わせて)
- 手引者は視覚障害者の半歩前に立つ
- 手引者の腕は軽く体側に付け自然に立つ
- (ロウビジョンの場合は、肘が軽く触れるほどの近さで、いっしょに歩き、状況に応じて声かけしたり、誘導する)
- *二人分の幅を意識する
- *盲導犬の場合は3人分
- *視覚障害者の頭の高さを意識する
- *歩く速さを確認する
- *混雑する場所では白杖をペンホールドに持ち替えてもらう
NG.視覚障害者の上体や腕を抱え込む、手を引っ張る
NG.後ろから押す
NG.白杖を引っ張る
A応用的手引きの方法
- a.狭いところを通過するとき
- 腕を後ろに回し、ガイドの真後ろについてもらう
- b.椅子へ案内する
- 背もたれのある椅子
- 長椅子・電車の長椅子
- 座布団
- 劇場などの椅子
*上体を抱え込んで座らせる=NG
- c.戸口を通過する
- 普通のドアや引き戸
- 自動ドア
- 自動改札
- エレベーターやエスカレーター
- d.階段のガイド
- 手引き者が一段先を進む
- 上り階段、下り階段
- 螺旋階段
- e.乗り物の乗降
- 電車
- バス
- 乗用車
- 遊園地の乗り物
- f.トイレの案内
- 洗面台の位置
- 洋式か和式かなど、種類の確認
- 水洗の位置(コック、ペダル、センサー…)
- 便器の向き
- ちょっと離れて、出入り口付近で待機
- g.複数の視覚障害者を一人で手引きする
- h.伴走や登山、スキー、スケートでのガイド
B町でであったときのガイド
- 困っているようであれば、声をかける
- 「どちらにいかれますか?」
- 「何かお困りですか?」
- *可能な範囲で手引きする
- 「駅の改札口までごいっしょしましょうか」
- *ことばのみで道案内する(確実な道筋のみ)
- *断られても気にせず、また別の機会に…
- *慣れているようでも、危険があるようであれば、その内容を知らせる
- 軽く体に触れて進行を止める
NG.黙って止めたり引っ張る
- 「車道を歩いていますよ」
- 「トラックのミラーが出っ張ってるので危ないですよ」
- 「信号が緑になりましたよ」
- 「今なら大丈夫なのでいっしょに渡りましょう」
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