公開講座資料 「歩行」
〈2〉 小学部児童の歩行指導の一事例
1.実態
白杖歩行は3年生半ばから始め、3年ほどが経過している。現在は月1、2回歩行訓練士の先生から指導を受けている。視力は光覚。校内・教室内の地図はよく理解しており、ひとりで自由に移動ができる。余程のことがない限り、迷うことはない。
2.歩行指導の実際
・教室内の自分の机を中心に、右回り・左回りして机を一周してもとへ戻る。(方向の理解)
・次に、同じ経路を逆に左回りで一周する。(右折・左折の理解を深める)
・これらの移動を通して、道のでこぼこや、駐車場や袋小路に入ってしまったり、道路が、そんなにまっすぐではないこと、机のように四角ではないことなどを体験する。
3.備考
- 何かにぶつかっていくようなことはない。
- 電柱、車、門などを割によく見付けることができる。
- 溝に落ちることはない。
- 1時間でコースを半周できるが、まだ一周は無理である。
- 半周で終ってしまうので、右回りと左回りが繋がっていないのでは。
- 「横に付いててくれる」という意識や、依頼心があるためか、自分で白杖による確認が甘い。
- 必要な振り幅については、やや乱暴である。
- 白杖を振り回したり、ガードレールを叩いてみたりと、遊び心が抜けない。
- 体力が無く、長い時間、白杖を振ったり歩くことが難しい。
- 毎日は歩いていない。
- 体力作りを目的に、たまに伴走してもらって走っているが、すぐに、しんどい、えらい、疲れた、と言う。
- アレルギーのため、臭いを感じない(臭いによる地図作りが難しい)
- 競争相手がいない。(交流では他児童にただひっぱられているように見える)
4.今後の対応
- 多く出歩いて、経験を重ねることが重要ではないか。
- 校門から左回りで舎の玄関までと、舎から右回りで校門まで、並んで歩かず単独で歩いてはどうか。
- 要所に先生が立って安全確認はするが、依頼心を持たせないように本人にはそれを告げないようにしてはどうか。
- 一人で歩いているという実感をもってもらうことが大切。
- 基礎体力をつけることも重要。
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