(書体の変遷・唐の四大家 ほか)
唐の四大家の活躍した唐時代は、およそ300年も続き軍事的にも政治的にも安定した時代でした。 その中で文化的にも成熟し、特に初唐の太宗皇帝のころには書道の世界にも「初唐の三大家」とよばれる人たちが活躍しました。 |
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問一 | 一・永の字に語句を書き込む問題は、教P40、41をみてください。 起筆とは線の書き始め、収筆とは線の終わり、送筆とは起筆と収筆をつなぐところです。 永字八法は「永」の字を八つの部分に分解し、これを楷書の基本点画として学習するものです。 八つの名前にはそれぞれ意味がありますので、学P50を見てみてください。おもしろいですよ。 |
問二 | 教P38、39をみてください。 漢字の書体は大きく分けて5つあります(楷書・行書・隷書・草書・篆書)が、ここでは篆書を時代・書風によって3つにわけてあります。 なんとなく、楷書があって、それがくずれて行書になり、草書になったというふうに考えてしまいますが、実際には楷書は最も新しく成立した書体だということを、覚えてください。 甲骨文・現在見つかっている最古の漢字です。今から三千年以上まえの殷代の文字です。亀の腹甲や牛の肩甲骨に刻まれた文字で、線は直線的で、字形構成には素朴なおもしろさがあります。 金文・殷代後期から周代にかけて使われていた文字で、青銅器に鋳込まれたものです。鋳型に鋳込まれたものという事情があって、線質は丸みを帯びて豊かな感じを与えるものが多いです。 小篆・秦の始皇帝が中国を統一したときに作られた文字です。縦長で左右対称の美しい書体です。 隷書・篆書を簡略化した書体で、漢代に使われていたものです。扁平で波磔といわれる払いの線が入っているものが多いです。 草書・隷書を実用的に速く書くために簡略化した書体で、省略が甚だしいので、読みにくくて紛らわしい文字がたくさんあり、現在、日常生活で使われることはあまりありません。しかし、字形やリズムに変化をつけやすいので、芸術的な書の作品制作には多く用いられています。 行書・草書と同じく、隷書を簡略化した書体です。速く書け、しかも読みやすい文字です。 楷書・一点一画を明瞭に書く書体で、現在、日常生活で最も広く用いられています。 |
問三 | 用語の説明について@、Aは教P72 Bは教P41 C、Dは教P44をみてください。 |
問四 | 四大家については、教P44〜51、学P54〜67を見てください。 図版は唐時代以外のものも載っていますので、気をつけてください。 また、古典名というのは作品のタイトルです。図版の文章を書いてはいけません。 特徴は、学習書のそれぞれの古典の「字形について」・「線質や全体の感じはどうだろうか」のところです。 好きな書風は四大家の名前をだれかひとり記入し、自分の感じたことを理由に書いてください。 |
問五 |
感想も書いてもらわないと、再提出になります。気をつけてください。 |
初めてのレポートで、知らない言葉ばかりで不安になるかもしれませんが、教科書か学習書に載っていますから、 |
(北魏の楷書・隷書 ほか)
北魏の書は碑、磨崖碑、造像記、墓誌銘、写経の五つに大別できますが、鄭羲下碑は磨崖碑の代表的作品の一つです。磨崖碑とは、山の岩肌に直接刻まれた文字のことで、独特で力強く雄大な味わいがあります。この下碑は中国山東省の雲峰山に、上碑は天柱山にあります。下碑の方が文字が大きく、拓本の欠けが少なく、字の懐の広さ、線のうねりなど、六朝(りくちょう)楷書の特徴をよく表しています。牛けつ造像記は龍門石窟(北魏の孝文帝が洛陽の南の龍門に作らせた、石窟寺院)の古陽洞内で紀年の記された中では最古のもので、この書の特徴は、起筆、転折、波法などが角ばっていることです。これは、用筆法によるもののほか、石刻の際の刀意が加わってこのような力強いものが生まれたものと想像されます。造像記とは仏像を造った人が、その祈りの文や造像の由来を仏像のそばに刻したものをいいます。 | |
問一 | @教P73 AB教P52 CD教P48 EF教P72をみてください。 |
問二 | 作者・時代については、教P52、53をみてください。 ページの頭に載っています。時代を答えるのであって、成立年を答えてはいけません。 牛けつ造像記については、作者は不明です。 特徴は、学P69・71「字形について」・「線質や全体の感じはどうだろうか」のところが特徴にあたりますから、過不足なく記入してください。 Cは自分の感じたことを書いてください。よっぽど的のはずれた解答でなければ合格です。 |
問三 | Aは、旧字体や書写体・異体字を見て新字体(正字体)を解答するものなので、調べるのも大変だと思いますが、教P54・55をじっくりみて、正しく解答してください。 |
問四 | 隷書は教P74・75・76・77に載っています。あまり見かけない書体かもしれませんが、現代でも看板などに使 われています。 |
問五 | 感想も書いてもらわないと、再提出になります。気をつけてください。 |
(蘭亭序・争坐位文稿ほか)
問一 | 行書の特徴は教P56に一覧表になっていますので、見てください。 |
問二 | 蘭亭序について、@筆者名・A時代は教P64を見てください。教科書に採用されている神龍半印本(しんりゅうはんいんぼん)は馮承素(ふうしょうそ)が書いたとなっていますが、ここで問うているのは蘭亭序の原本についてですから、間違えないようにしてください。 B内容は、学P77〜78の〔蘭亭序〕についての初めのところを見てください。どういういきさつで蘭亭序が書かれたのかということが載っています。 ちなみに、流觴曲水(りゅうしょうきょくすい)の宴(小川のほとりに各々が座り、詩を詠みお酒を飲む遊び)に 41名が参加して、そのうち、詩が二首できたのは王羲之はじめ11名、一首できたのは15名、(息子の)王献之など16名は詩を作ることができず、罰としてお酒を三斗飲まされたそうです。度量衡が、現代と全く同じかどうかは知りませんが恐ろしい罰ゲームです。みんなお酒が強いんですねぇ。 C穴埋め問題は教P65の文章です。しっかり探してください。 Dは、学P77〜78の「蘭亭序について」のどこかに載っています。たくさん 書いてもらう必要はありませんので、理由が書かれているところだけ抜き出してください。 |
問三 | 学P77をみてください。 |
問四 | 教P73をみてください。 |
問五 | Aは教P66または学P82をみてください。 Bは学P82をみてください。 Cは教P66をみてください。 D自分の感じたことを書いてください。教科書に載っている特徴などを丸写ししないように。 |
問六 | 感想も書いてもらわないと、再提出になります。気をつけてください。 |
問一 | 実用性・芸術性のそれぞれの面から答えるということで、教科書に載っている文章では少し説明不足です。学P73を見て、正しく答えてください。 |
問二 | @筆者名・A時代は教P68をみてください。B内容は風信帖の直訳ではありませんので気を付けて下さい。 C穴埋め問題は、学P87にありますので、探してください。 ちなみに、空海は弘法大師とも呼ばれていますが、弘法大師といえば、『弘法も筆の誤り』とか、『弘法筆を選ばず』とかのことわざを耳にしたことのある人も多いと思います。空海は、ことわざにもなるぐらいの能書家でした。 |
問三 | @は学P91に載っています。 Aは教P71と学P92を照らし合わせて解答してください。 |
問四 | 三筆は平安時代の初めの能書家(字を上手く書く人)、三跡は同じく中期の能書家です。 それぞれの書の特徴を書くのではなく、その時代を通して共通する書風を答えてください。 ちなみに、三筆の時代は、遣唐使の影響で、中国の影響を強く受けています(唐様)。三跡の時代は遣唐使 が廃止されていたため、日本独自の文化が発達しました(和様)。唐様・和様の書風がどういうものか答えてください。 三筆・三跡ともに、教P68に名前が載っています。書風については、学P91を見てください。 |
問五 | 学P92を見てください。 |
問六 | 学P101・102を見てください。学習書にはふたつの出土品の写真が載っていますので、どちらでも好きな方を書いてください。 |
問七 | 感想も書いてもらわないと、再提出になります。気をつけてください。 |
問一 | 仮名の種類について語句を選択する設問ですが、選択肢が質問の数より多いですから、よく考えて回答してください。特に、@の解答は間違いやすいので注意が必要です。教P84に載っています。 |
問二 | @字母というのは、簡略化されて生まれてきた仮名文字の、そのもととなった漢字のことで、例えば、「あ」の字母は「安」になります。教P90〜91に平仮名の単体の一覧表が載っていますが、筆で書かれた文字の左下にあるのがそれぞれの字母です。 ちなみに、片仮名の字母をここに挙げておきます。 ア・阿 イ・伊 ウ・宇 エ・江 オ・於 カ・加 キ・幾 ク・久 ケ・介 コ・己 サ・散 シ・之 ス・須 セ・世 ソ・曽 タ・多 チ・千 ツ・川:* テ・天 ト・止 ナ・奈 ニ・二* ヌ・奴 ネ・祢 ノ・乃 ハ・八 ヒ・比 フ・不 ヘ・部* ホ・保* マ・末* ミ・三 ム・牟 メ・女 モ・毛 ヤ・也 ユ・由 ヨ・與* ラ・良 リ・利 ル・流 レ・礼 ロ・呂 ワ・和* ヰ・井 ヱ・恵* ヲ・乎 ン・无* *印については、異説があります。 A昔からいくつもある手習いことば(書道の勉強のための詞)の代表的なものです。平安時代中ごろから広く使用されるようになりました。 意味は「咲く花の色香はかんばしく匂うけれども、ついには散りゆくものである。わが住むこの世で誰が常なるものがあろうか。人は生まれてもやがて死ぬものである。無常は生あるものの避けることのできない運命である。有為すなわち生滅無常なこの世の中を越え出るとあさましい夢を見ることはなく、そして無為自然の中に入ると迷いの酒に酔うことはないであろう。」(第一法規出版株式会社刊 書写・書道用語辞典より) その他の手習い歌 「あめつちの詞」 あめ(天)つち(地)ほし(星)そら(空)やま(山)かは(河)みね(峰)たに(谷)くも(雲)きり(霧) むろ(室)こけ(苔)ひと(人)いぬ(犬)うへ(上)すゑ(末)ゆわ(硫黄)さる(猿)おふせよ(生) 江の(榎)衣を(枝)なれ(馴)ゐて(居) 平安時代初期に作られたといわれています。 「鳥啼(とりな)く歌」 鳥啼く声(こゑ)す 夢さませ 見よ明けわたる 東(ひんがし)を 空色映えて 沖つ辺(へ)に 帆船(ほふね)群れ居(ゐ)ぬ 靄(もや)のうち 明治36年に、新聞「万朝(よろず)報」が募集したなかの当選作です。 B仮名の筆使いは学P108、リズムは学P121、仮名の美は教P85に載っています。 |
問三 | 学P127を見てください。 |
問四 | 仮名の単元では、古典のことを古筆といいます。 古筆とは広義には古い筆跡全般を意味しますが、狭義にはおもに平安時代から鎌倉時代に書かれた、優れた仮名の古典のことをいいます。 これらは、平安時代の宮廷や貴族の儀式などで贈り物として書かれた調度品が多く、当時の上流貴族の間では、華麗な料紙の美しさとともに、筆跡の美しさを追究し、欠くことのできない贈答品として尊ばれました。内容的には古今集を中心とした勅撰集や、有名歌人の私家集などが多く、物語が書かれていることはありません。 平安時代中期から後期にかけては、優れた仮名の作品が数多く生まれ、そのころに書かれた仮名を上代様と呼んでいます。また、桃山時代から江戸時代初期にかけては茶道が盛行し、観賞用として古筆が非常に大切にされるようになりました。 もともと仮名古筆は、巻物や冊子本形式に書かれていましたが、茶道の隆盛とともに観賞用としてそれらを切断して掛け軸などにしたてることが多くなりました。こうして分割されたものを古筆切(こひつきれ)と呼んでいます。 |
高野切第三種 @伝承筆者の名前を答えてください。日本では署名する習慣がなかったため、古筆のほとんどが筆者不明 でした。古筆見がそれぞれの古筆に筆者を推定し、その上に伝をつけて呼称するようになりました。 A教P98を見てください。 B教P98の古筆の写真には二首載っています。みはつてつ・・・の歌は一首目です。この写真の左横に赤 い文字で写真の中の歌の釈文が書かれています。この釈文を見ながら、解答してください。ちなみに、平仮 名の横に漢字が書いてあるのが、変体仮名です。そして、その漢字が、字母です。 C教P99に載っています。みはすてつ・・・の歌の意味だけ解答してください。 |
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高野切第一種 教P100の一首目です。左の赤い活字が釈文です。 |
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問五 | 感想も書いてもらわないと、再提出になります。気をつけてください。 |
問一 | No.6のレポートは作品制作です。スクーリングでは、作品の作り方を説明しますが提出はしません。次のことに注意して自宅で作品制作をし、それをレポートに添付して提出してください。 ●漢字仮名交じりの書の作品を作ってください。漢字仮名交じりの書とは、文字どおり漢字と仮名が交じっている文章のことです。題材としては、詩・俳句・短歌・格言・ことわざ・歌詞・小説の一節とし、自作は認めません。また、漢字と仮名(平仮名・片仮名)が使われていれば、英語などのアルファベットが含まれていてもかまいませんが、アルファベットのみの文章を作品にすることはできません。 ●作品のサイズは半紙〜半紙1/2の間で大きさ・形・材質・色(がら)は自由です。 ●文字数は十文字以上必要です。 ●誤字・脱字があってはいけませんし、文字の書き換えをしてもいけません。(特に歌詞を題材に選ぶときは耳で聴いて知っているだけでは不十分です。) ●出典とは、小説・詩・俳句・短歌ならタイトル・作者、歌詞なら歌のタイトル・作詞者、格言はその言葉を言った人物のことです。ことわざはことわざとだけ書いておいてもらえば良いです。 ●紙面構成とはこういう作品になるという、完成予想図のようなものです。レポートには紙の大きさを四角く線で示すとありますが、紙を丸や、その他の形にするときは、そのようにしてください。そこに文章を作品らしく構成して下さい。 ●落款とは、名前などのサインのことで、本文より小さく書きます。 例) ○○の詩花子書 ⇒詩の場合 ○○の句花子書 ⇒俳句の場合 ○○の歌花子書 ⇒短歌の場合 ○○の言葉花子書⇒格言の場合 ○○の詞花子書 ⇒歌詞の場合 △△より花子書 ⇒小説の場合 ことわざより花子書⇒ことわざの場合 ○○には作者の名前がはいります。松尾芭蕉の句でも良いし、芭蕉の句でも良いですが、松尾の句というように苗字だけを使うのはいけません。 △△にはタイトルがはいります。 花子のところには自分の名前を入れます。苗字は省き、名前だけを使います。山本書のように苗字だけを使うことはありませんし、山本花子書とフルネームで使うこともありません。 ●クラスは必要ありません。 ●「書」のあとに印(はんこ)を押すことを想定して、落款の位置を決めます。 ●作品制作をするときは紙のサイズ・文字数に応じて使用する筆を変えてください。(小筆か大筆か根元まで下ろしてある小筆か) ●本文も落款も同じ筆で書いてください。 ●墨色・書体・書風は自由です。皆さんの個性がでるように工夫してください。また、字の上手・下手ではありませんのでぜひ楽しい作品を作ってください。 最後の締めくくりのレポートです。楽しんで取り組んでくださいね。 また、わからないことがあれば、いつでも職員室に質問に来てください。 |
問二 | 感想も書いてもらわないと、再提出になります。気をつけてください。 |
問三・四 | 教P32〜35を見てください。四‐Aは解答欄のスペースが少し小さいですが、上手に記入してください。 |
問五 |
感想も書いてもらわないと、再提出になります。気をつけてください。 |