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高校の書道は芸術科に属しています。小中学校で学んだ書写とは違い、書の表現と鑑賞の能力を伸ばしていくことが目標となります。 そのために様々な古典・古筆を学習します。 |
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問一 |
語句を答える問題です。 設問の下に該当ページが書いてありますので、そのページを隅から隅まで読むか、P111〜114の用語解説ページで各語を調べてください。 面倒くさいと思いますが落ち着いて取り組んでください。 |
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問二 |
漢字の書体は大きく分けて5つあります(楷書・行書・隷書・草書・篆書)が、ここでは篆書を時代・書風によって3つにわけてあります。 (P12・13を見てください) なんとなく、楷書があって、それがくずれて行書になり、草書になったというふうに考えてしまいますが、実際には楷書は最も新しく成立した書体です。 甲骨文・現在見つかっている最古の漢字です。今から三千年以上まえの殷代の文字です。亀の腹甲や牛の肩甲骨に刻まれた文字で、線は直線的で、字形構成には素朴なおもしろさがあります。 金文・殷代後期から周代にかけて使われていた文字で、青銅器に鋳込まれたものです。鋳型に鋳込まれたものという事情があって、線質は丸みを帯びて豊かな感じを与えるものが多いです。 小篆・秦の始皇帝が中国を統一したときに作られた文字です。縦長で左右対称の美しい書体です。 隷書・篆書を簡略化した書体で、漢代に使われていたものです。扁平で波磔といわれる払いの線が入っているものが多いです。 草書・隷書を実用的に速く書くために簡略化した書体で、省略が甚だしいので、読みにくくて紛らわしい文字がたくさんあり、現在、日常生活で使われることはあまりありません。しかし、字形やリズムに変化をつけやすいので、芸術的な書の作品制作には多く用いられています。 行書・草書と同じく、隷書を簡略化した書体です。速く書け、しかも読みやすい文字です。 楷書・一点一画を明瞭に書く書体で、現在、日常生活で最も広く用いられています。 漢字の出来はじめから現代まで形を変えながらも、途切れることなく使われ続けているのは、世界広しといえども漢字だけです。 @ 解答するときは篆書を時代によってさらに3つに分けてください。 A @の番号で答えるのでなく、各書体名を記入してください。 |
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問三 |
唐の四大家の活躍した唐時代は、およそ300年も続き軍事的にも政治的にも安定した時代でした。その中で文化的にも成熟し、特に初唐の太宗皇帝のころには書道の世界にも「初唐の三大家」とよばれる人たちが活躍しました。 唐の四大家については(教)P16〜17・(学)P27を見てください。 @ 古典名というのは作品のタイトルです。図版の文章を書いてはいけません。 A 好きな古典については、上記の四大家に北魏の時代の二古典を加えて選んでください。 |
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*北魏の書は碑、磨崖碑、造像記、墓誌銘、写経の五つに大別できますが、鄭羲下碑は磨崖碑の代表的作品の一つです。磨崖碑とは、山の岩肌に直接刻まれた文字のことで、独特で力強く雄大な味わいがあります。この下碑は中国山東省の雲峰山に、上碑は天柱山にあります。下碑の方が文字が大きく、拓本の欠けが少なく、字の懐の広さ、線のうねりなど、六朝(りくちょう)楷書の特徴をよく表しています。牛?造像記は龍門石窟(北魏の孝文帝が洛陽の南の龍門に作らせた、石窟寺院)の古陽洞内で紀年の記された中では最古のもので、この書の特徴は、起筆、転折、波法などが角張っていることです。これは、用筆法によるもののほか、石刻の際の刀意が加わってこのような力強いものが生まれたものと想像されます。造像記とは仏像を造った人が、その祈りの文や造像の由来を仏像のそばに刻したものをいいます。 |