理科総合B レポートNo.1
設問1と2、7のd・eのヒント 惑星の見え方
星座を構成する星とは別に、太陽系の中の地球の兄弟星のことを 惑星といいます。
その他の星(恒星)が太陽と同じく自分で輝いているのに対して、 惑星は、月と同じように太陽の光を反射して輝きます。 (ちなみに月は「衛星」です)
惑星が肉眼で見えることを、知ってる人は意外と少ないみたいです。
でも惑星は地球から近いので、実は他の星よりも明るいものが多いです。
昔から「火星が赤い」ことなどは有名です。
有名な「明けの明星」「宵の明星」なんかは、金星です。
<惑星の見分け方>
〔その1〕 明るい。
1等星以上に明るいです。 妙に明るい星があったら、それは惑星かもしれません。
〔その2〕 またたかない。
他の星のようにチカチカせず、ぽっと灯ったような感じに 安定して見えます。
これは、惑星が地球から近い距離にあることから、 他の星のように「点」ではなく、面積のある「丸」であり、 空気の揺らぎなどの影響を受けにくいためです。
妙に明るくて、チカチカしない、よく見える星があったら、 それは惑星かもしれません。
〈水星〉
明るさ:−1等位
大きさ:地球の2/5位
重さ:地球の1/20位
最も太陽に近い惑星。
よって、地球から見るといつも太陽のそばにあり、 日の出直前か、日没後すぐにしか見えないので なかなか見るチャンスがありません。
〈金星〉
明るさ:−4等位
大きさ:地球より少し小さい
重さ:地球の4/5位
夜空の中で最も明るい星。
金星も地球の内側を回っているので、太陽の反対側、たとえば夜中の南空には見えません。
2010年は3月下旬ごろから日没後の西の空に見えてきます。初夏に最もよく見え、夏の終わりまで見えます。
〈火星〉
明るさ:−1.5等位
大きさ:地球の半分位
重さ:地球の1/10位
赤い惑星。赤い瞬かない星があれば、火星でしょう。
夜空の中で、金星、木星の次に明るい星です。
火星の地球接近は2年2ヶ月ごとに起こりますが、火星の公転軌道が地球のようにきれいな円ではないので、地球と火星が接近したとき、火星が太陽と近い位置にいるか遠い位置にいるかで、地球との距離も決まります。そのため、中接近、大接近などと呼ばれます。
大接近は79年ごとに起こるといわれています。
2010年1月28日に火星は地球に接近しました(中接近)。次回は2012年3月6日に小接近があります。
〈木星〉
明るさ:−3等位
大きさ:地球の11倍
重さ:地球の318倍
夜空の中で、金星の次に明るい星。地球からはけっこう遠いのだが、それでも火星より明るいのは大きいからです。 (光をたくさん反射)
大きさ(直径)が地球の11倍もあるのに、自転速度は9時間50分と猛スピードです。
そのせいで南北につぶれた形をしています。
〈土星〉
明るさ:−0.5等位
大きさ:地球の9.5倍
重さ:地球の95倍
土星も木星に次いで大きいですが、なんせ遠いので、 夜空の中では、シリウス(-1.5等星)などには明るさで負けてしまいます。
それでも都会の夜空で見える程度には明るいです。しかし、肉眼で輪は見えません。
〈冥王星について〉
冥王星が惑星であるかどうかは最近に始まった問題ではなく、実をいうと発見直後からいろいろ議論のあったところです。それは、他の惑星と異なる点がいくつもあったからに他なりません。一般の惑星がほとんど同一平面上でほぼ円軌道を描いているのに対し、冥王星は17度も傾いた軌道をもち、円軌道からのずれも大きく、軌道の一部は海王星軌道の内側にまで入りこんでいます。
また、地球型の岩石惑星にも、木星型のガス惑星にも分類できない氷の天体であることも問題点のひとつです。他の惑星と比較すると、冥王星は非常に奇妙な存在なのです。
2006年に冥王星は惑星とは別の太陽系外縁天体に分類されることになりました。
☆内惑星(地球よりも内側の軌道を公転する惑星。水星と金星)
夕方の西の空か、明け方の東の空に見え、真夜中は見えません。
距離が近いときは大きく、遠いときは小さく見え、満ち欠けをします。
☆外惑星(地球よりも外側の軌道を公転する惑星。火星と木星、土星、天王星、海王星)
真夜中に見えることもある。
距離が近いときは大きく、遠いときは小さく見え、ほとんど満ち欠けをしません。
設問5のヒント 太陽系の形成過程(図:太陽系の形成)
@太陽系は、星間物質(星間雲;ガスや塵)が集積して形成されたものです。集積の原動 力は重力(万有引力)
A星間物質は、相互作用で運動をそろえ、全体が流体的に集積が進むと、全体がもつ平均 的な回転が強調されます。回転は、おそらく銀河系宇宙全体の回転を反映。集積ととも に、回転は早くなります;角運動量の保存則
B回転方向にある物質は、重力が遠心力と釣り合って、集積がとまります。回転と垂直な 方向では、集積が継続します。物質の分布は、回転方向に伸びて、平べったくなります。 中心部に星間物質が凝集して、太陽が生まれ、局所的な凝集によって、惑星が生まれま した。
C凝集が始まると、重力が大きくなって凝集が更に進みました。太陽系は、約46億年前 に、数千万年程度の期間で形成されました。
地球の誕生について
太陽の周りを物質が回転するうち、密度の高いところから惑星が作られていきました。
ガス成分は太陽風で吹き飛ばされるため、太陽に近い部分では密度の高い原子を中心とした惑星となりました。水星・金星・地球・火星は固体成分が中心で、木星よりも遠い星はガスが中心成分となっています。
地球で大気の成分が残っているのはある程度の大きさまで成長し、重力が大気をつなぎ止めておくことが出来たからです。
また太陽との位置も微妙でした。太陽にもう少し近いと地球は灼熱の温度になり、もう少し遠いと冷えた星になっていたと言われています。ただし、惑星の並ぶ距離にそれぞれ法則があるとの説もあります。もしかしたら地球はあるべくして今の場所を回っているのかも知れません。
原始地球は成立の過程で互いの重力によりたくさんの隕石が衝突しながら大きさを増していきました。
地球がだいぶ形を成し初めてから1億年ほどたった頃、今の火星と同じ大きさほどの星が地球と衝突しました。「ジャイアント・インパクト」と呼ばれる出来事です。
その時に地球のカケラがはがれて出来たのが月といわれています。月は地球の約1/4の半径を持つ大きな衛星です。
月自体には生命の証拠は見つかっていませんが、重力により満ち引きを起こしたり生物の進化に少なからず影響を及ぼしてきたと言われています。
しだいに隕石の数が少なくなり太陽系の中がすっきりしていきます。今でも火星と木星の間には隕石の元となる小惑星がたくさん漂っているそうです。
原始地球は太陽からの太陽風や電磁波にさらされ、大気もありません。激しく隕石が衝突し地表が煮えたぎる文字通りの灼熱地獄です。生物が誕生するのはまだまだ先の話になります。