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| 中田徹 |
スポーツナビ |
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ロマンを魅せた津工業 <3回戦 盛岡商業(岩手)vs津工業(三重)>
2005年01月03日
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| 津工業が目指すサッカーは、完成したら素敵なロマンを高校サッカー界に与えてくれそうだ【
スポーツナビ / 鷹羽康博 】 | |
■最後尾からとことんパスをつなぐ津工業 盛岡商が3−1で勝ったものの、盛岡商の齋藤重信監督は「津工業がパスをつないで来るので苦しかった」と試合を振り返っていた。 津工業はボランチの大平渉太が165センチ、トップ下の加藤祐也が159センチ、センターFWの菊地光輔が160センチと小柄な選手たちを中心に、ドリブルとパスで観戦に訪れたファンを魅了した。4バックも全員が173センチ。強風の中、フィジカルに優れる盛岡商相手に結局勝つことはできなかったが、津工業の藤田一豊監督も、「いい感じでやってくれた。今日は3点入れられたので、それでよく頑張ったというのもないけれど、それでもよく頑張った。サイドチェンジをしながらサイドを突破していこうということが随所にできていた。フィジカルコンタクトでも負けていなかった。全員合格点です」と選手をたたえていた。
それにしても徹底したテクニックサッカーだった。センターバックもリスクを恐れず、盛岡商の前線からのプレスをドリブルでかわした。センターFWの菊地はマーカーを引き連れながら中盤に下がってボールを受けると、一瞬のうちに前を向いてバイタルエリアに向かってドリブルしていく。最後尾からは5本、6本とパスをつないでチャンスを作っていった。 後半、津工業は風下に立った。盛岡商は、より激しく津工業のDFに向かってボールを奪いにいき、実際にボールを奪っていた。それでも津工業はボールをつなぎ続けた。
現代の「ダイレクトサッカー」、つまりなるべく手数をかけず、リスクも負わず一気にゴールに向かって攻めるサッカーがもてはやされる風潮の中、「うちのチームは変なことをしているな、という感覚があると思います」と津工業の藤田監督。しかし全国大会の事前合宿で北海、青森山田と試合をし、さらに選手権の本番で2試合戦ってみると、「今のままでは全国では通用しない。僕の選手に対する要求が戦術的な部分も含めてまだ甘かった」と痛感した。 「全国では強さとスピードがある集団の集まり。(三重)県では2タッチでボールを回せていたが、全国ではファーストタッチで失敗すると寄せられてしまう。まだまだ自分たちはポゼッションにこだわってチームを作っていたと反省しています。上位のチームは(攻撃を)仕掛けるときのアグレッシブさが違う」
これまではフィジカル的に強くない選手がいる中で、「それを打破するためにパスの精度、スピード、コントロール、ファーストタッチの精度を要求してチームを作ってきた」。だが盛岡商のFW福士徳文の個人技で失点を喫し、「これからはああいう(スケールの大きい)選手を育てたり発掘したりする必要がある」。
■理想と現実のはざまで これからは現実的なサッカーと「折り合いをつけていかないといけない」。だからと言ってチームスタイルを変えるつもりはない。 「僕が盛岡商さんの立場でうちのDFを見たら『前からガンガンDFのボールを取りに狙いに行けよ』と言います。でも前から奪いに来てもらって、ピュっとドリブルやパスでかわせたら面白いじゃないですか。そこだけは(笑)」
「あんまりサッカーを面白くなくさせたくない」。だから今後もロングボールに頼らず、津工業はDFからボールを回し続ける。 「今までDFからボールを回し続けて、それで何度も痛い目にはあっています。僕が中学校の指導者なら、うちのような学校は勧めないかもしれません(笑)。 目的があって長いボールを蹴るのは構わないけども、ボールにはメッセージがこもってないと意味がないと思います。ただボールを蹴るだけというのは(津工業を卒業してから)どっか他へ行って教えてもらえ、という感じです。子供たちもうちのサッカーでピンチを招くのは織り込み済みのようです」
これからは全国で通用するためにもボールを持った選手が厳しいチェックを受けた際に、「ボールを受ける選手がどのようなアクションを起こしていくのか。またはボールを持った選手がどのようなパスコースを自ら作っていくか」というのが津工業の選手の課題になると藤田監督は言う。
「僕は四中工に勝つためだけにサッカーをしているわけではない」と言う藤田監督率いる津工業のサッカーは、完成したら素敵なロマンを高校サッカー界に与えてくれそうだ。
<了>
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