三重県立盲学校

平成25年度 寄宿舎研修のまとめ

はじめに

本年度、寄宿舎では中学部4名、高等部普通科3名、高等部専攻科4名の合計11名の幅広い年齢層の生徒が生活しており、日常生活日課に対する指導のみならず、様々なケースに於ける精神的な支援や情緒的ケア等の幅広い体制が求められて来た。舎生の自立と生活能力の向上を第一のニーズと捉え、個別の目標及び指導の手立てを詳細に検討する為の研修を以下の様に展開した。

1 個々の生活目標及び指導の手立ての検討

それぞれの舎生における生活目標や指導の手立てについて、本人・保護者や学級担任と懇談を行い、個別の指導計画の作成を行った。特に支援が必要とされる学齢期の舎生については、個々の特性や現状に応じた日課をピックアップし、“舎生の実態”から“具体的な目標”“指導の手立て”と順序立てて、年間の成果と課題について活用を踏まえた検証を行った。進行状況については定期的に職員研修会にて経過と見直しを行い、現況を職員間で相互確認する事によって確実な指導の実践と指導内容の充実を図る事が出来た。

2 職員の専門的な研修

舎生の生活日課における問題点を把握し、その指導に関する知識や技術を共有する事。又、指導に於ける様々な問題点や可能性を発見するための手がかりを得る事を主眼として以下の様な職員に対する研修を行った。

○弱視を理解するための疑似体験研修

簡易アイマスクを利用し日課の疑似体験を行った。寄宿舎において弱視舎生が「出来る事」「出来ない事」を職員が体感し、弱視舎生の視認性の特質についての理解や今後の課題について考察を行った。

○食物アレルギーに於けるショック症状に対する緊急対応研修

舎生が、舎内で食物アレルギーにおけるショック症状を発症した場合を想定して詳細な対応マニュアルを作成し、職員の対処方法と関係機関の連携内容について研修を行った。

3 学齢期の舎生の自由時間の過ごし方

中学部4名の舎生を対象に「水曜日の活動」を実施した。興味関心のあることや季節の行事に関係した物を取り入れて活動を計画し、遊びや学習の工夫へとつなげた。特に本年度は、「図書館で本を借りて読もう」〜「感想文を書いて発表しよう」までを連続実施し、活動の一部を“宿題化”する事で舎での自主学習時間の充実を図る事も出来た。

4 学齢期舎生に対するQOL向上を目指した“マナー講座”の実施

舎生がマナーをイメージする為の第一歩として、まず「自分」と「他人」、「個人」と「社会」や「ルール」と「マナー」等について説明し導入を図った。その後、実際にテーブルマナー等について体験し理解を深めた。

おわりに

以上の様な研修内容は、即時職員の指導手立てとしてフィードバックされ、概ね研修目的である舎生の現状把握とニーズの模索への手掛かりと成り得たと考える。来年度以降も舎生の社会性の向上等、成果を見据えた実践的研修の実施に努めて行きたい。


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