三重県立盲学校

盲学校高等部普通科での各教科の支援の取り組み

盲学校高等部普通科では全盲や弱視の生徒が学習を行っている。一般に人間は、情報の80%以上を視覚から得ているといわれているが、視覚に障がいのある生徒は視覚情報を、残された視機能や聴覚・触覚・嗅覚・味覚などの他の感覚で補っていかなければならない。

乳幼時期からどれだけたくさんの物を触って感覚を刺激し、どれだけいろいろな体験を積んできたかによって、物のとらえ方や手指の使い方、体の動きが大きく異なる。弱視の生徒は見え方(視力、視野、色や明るさのとらえ方など)が一人ずつ異なり、その生徒に合わせた配慮が必要である。

同じ全盲の生徒でも、後天盲の生徒と先天盲の生徒では空間認知の力や数や量の認識が大きく異なる。知的な部分の障がいをあわせ持つ、重複障がいの生徒も年々増える傾向にあるが、視機能の正確な把握が難しく、方向や距離、数量の認識がとても弱い。耳から入ってくる「ことば」は知っているが、その意味や中身がわかっていない生徒が多いため、本人に理解できるような指導が必要である。


このような実態から、高等課程の学習を進めるにあたり様々な支援や工夫が必要である。また、各教科によって配慮する点や指導の工夫の仕方が異なる。そこで、それぞれの教科の支援や工夫について各教科の担当がまとめた。

国語

数学

英語

地歴・公民

理科

家庭

音楽

体育


まとめ

使用文字については各生徒の見え方を把握し、ポイント数や字体などの情報を共有しながら学習を行っている。普通クラスの弱視生徒の教科書は、倍率の違う拡大教科書が数種類出ているものもあるが、見え方や見やすい書式も異なるので、見え方に合わせ補助具(レンズ、ルーペ、拡大読書器など)を使って自分で見ることができるような支援が必要である。全盲の生徒は点字教科書を使用している。

生徒により目標や目指すところは異なるが、普通科卒業後の自立に向け、個人、教科の個別の指導計画を作成して生徒の実態を正確に把握し、個々の生徒に対し教科に応じて必要な支援や指導を行っている。


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