三重県立盲学校

進路をみすえた自立活動の取り組み

2 実践の概要

作業の時間は年間を通して農作物の栽培、収穫、販売の活動を中心に行った。農作物の植え付けや収穫時期などを中心に全体の内容を考えて設定し、リサイクル品の活動や調理、組立作業は期間を限定して農閑期や荒天の日に行った。

作業の時間の初めに全員が作業室に集まり挨拶、出欠をとった後、その日の2時間の作業学習の流れやグループのメンバー、作業内容・作業の手順などをわかりやすく説明して、見通しをもたせて活動をおこなった。また、グループ活動の大切さや役割分担、協力をしっかり行えるように最初に話し合い、丁寧に根気よく作業を行うこと、グループで協力して行うこと、言葉使いに気を付けることなどを確認した。生徒ひとり1人の活動を記録するためのファイルを作り、毎時間の様子を記録にとり、生徒の目標を明確にして教師間の連携を図った。


資料1 個人記録ファイル(抜粋)

作業記録用紙

6月8・15・22日、7月6・13日

名前
〇〇〇〇・・・記録:〇〇
作業の内容
・プラスティックのスプーンとフォークの分別
・野菜の販売

6月8日:

「フォークは先がとんがっている」「スプーンはとんがっていない」と口に出して言いながら「とんがっているのは右」「とんがってないのは左」と一つひとつ確かめながら作業した。

1〜3回とだんだん作業時間も早くなった。

4回目は見守りだけで作業をしてみた。1度に2つつかんでしまいスプーンの中に1つフォークが入ってしまったので正確に作業するよう指示した。

5回目は声も出さずにきちんとできた。

6回目は作業も早くパーフェクトだった。

6月15日:

前回のことは覚えていて「とんがっている」「とんがっていない」と作業を始めた。今ひとつ作業に集中できていなかった。

今回は置く向きをそろえて分けるように指示した。少し戸惑い気味であった。

5回作業に取り組んで、5回目が一番早くできた。

 形を見分け、向きをそろえ、右と左に分けるという工程が一つ増えると難しそうであった。

6月22日:

正確に「フォークは右の箱」「スプーンは左の箱」に分けることを心がけた。

ほとんど見守りだけで声をかけることもなく黙々と作業ができた。時々顔を掻いたりして集中に欠ける姿もあった。

10回も取り組み少し触っただけで分別することができた。

7月6日:

10回取り組む。2回に1度位は1個間違える。8,9回目位は集中力が切れてきた。

作業中はほとんど私語はなく取り組めた。

7月13日:

野菜の袋詰めと販売 「失礼します」「ナイスフレッシュです。野菜を売りにきました」など声をかけることができた。

野菜を選別した。


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