現在多様化する理療科卒業後の進路を考え、これまでに行っていた基礎実習の形が実態にそぐわないようになりつつある。
それは、夏期休業中の現場実習、盲学校啓発を含める県内各地での公開実習など基礎実習のあり方では対応が難しくなってきているからである。
現在の2年時の基礎実習では、臨床室に外部の患者をお願いして施術をおこなうまでに臨床前実技試験として適性検査をもうけている。
この適性検査は外部の方に施術をおこなう上で問題がないかを図るもので、この試験に合格し晴れて外部の方に施術をできるようになる。
基礎実習の流れでは適性検査は1月の終わりから2月の初めにおこなわれ、理療科教員を試験官としておこない、それまでに基礎実技の習得を図っている。
夏期の現場実習や公開授業では、この基礎実技の習得と適性検査を終えないまま外部の方に施術をおこなうことになる。
理療科、進路支援の意見としては、卒業後の進路の実態、生徒の技術力の向上をも目的として夏期の現場実習を推し進めている。
このため、この夏期現場実習などに合わせ現在は基礎実習の中で特別に時間をさいて短い時間内での施術や、老人保健施設などでの施術のおこない方について実技指導をおこなっている。
理療科ではこの矛盾について検討し、基礎実習のあり方から見直しが必要でないかと研修のテーマとした。
2年時の基礎実習では、10月中程まで未収特である実技についての学習・指導をおこない、その後臨床室での施術に向け、臨床室での心得、カルテの書き方について指導し、疾患別治療法などを学ぶ。その五臨床前適性検査をおこなうという流れである。
今年度は夏期現場実習までに8時間授業時間を使い、現場実習でおこなう施術についての実技指導をおこなった。
また、臨床前試験を施術前におこなう検査と実際の施術ォ行う試験とに分割し、2度の試験をおこなうようにした。
現場実習までの生徒の実態などの情報交換を密におこなう必要がある。
学習面での指導が必要な生徒の現場実習の参加のあり方についても検討が必要である。
最近の多様化する修飾先に合う施術の指導をどの時間でおこなっていくのかを検討する必要がある。
現在理療を取り巻く環境は厳しくなりつつあり、その中で視覚障がいを有する者の就職についても競争は激化している。
このような中で 最近の理療を取り巻く環境、生徒の多様化、障がいの等級だけでは計れない見え方の違い、学習状況の違いなど今後の実態に即した基礎実習のあり方を随時見直せるような体制作りをおこなっていかなければならない。
今回基礎実習での適性試験については2度に分割し、基礎についての確認を十分におこなえるような体制作りをしたが、今後は適性検査をおこなう時期と、現場実習に即した実技の指導をどの時間でおこなっていくかの検討が継続的な課題となっている。