三重県立盲学校

小中学部研修(性教育)

今年度は、性教育について、まずは指導者である教員の認識の確認から始めた。小中学部では、今年度まで、『性教育』という特設の時間を設けていなかった(教科、領域では扱っていた思われるが)ため、本校の児童・生徒にとっての性教育とはどうあるべきか話し合った。その結果、まずは、「本校の児童・生徒の実態をしっかりと把握すること。」「家庭での状況の確認を保護者とも話し合いながら進めていくこと。」が大事であるという結論にいたった。それらを踏まえて、1年間の研修を進めた。

1、性教育のあり方

視覚障がいがある児童生徒に、視覚教材を使っての授業は難しい部分がるため、どのような教材を使い進めていくかということが大きなテーマになると思われる。そのためには、触覚などでイメージが出来るような教材を探したり、準備することが不可欠である。また、2でも触れるが、内容的にも検討が必要であるという意見にまとまった。

2、指導内容の検討について

学習指導要領の中で性に関する内容について取り扱われていることを基に、盲学校として必要な物を加えていくこととにした。ただ、内容をしっかりと検討するためには、授業などを進めながら実態を把握していくことが必要であると思われたため、詳しい内容については、今後見直したり、手を加えながら検討することが確認された。(別紙)

3、取り組みについて

小学部の児童2名については、実態を把握し、目標をそれぞれに設定した。主に、「身体の清潔」、「排泄」、「男女の身体の仕組み」の内容について取り扱った。詳しい指導内容については、別紙を見ていただきたい。授業をおこなっていく中で、思っていたよりは理解している部分もあったが、一つ一つを丁寧に繰り返し指導していく必要性は感じた。

中学部2年生については、主に自分の誕生を知ること、自分のからだを知ること、男女のからだの違いを知ることについて学習し、中学部3年生は男女のお互いの理解・尊重をテーマに学習した。精巧なモデルを使った触察は非常に効果的で、生徒達の印象に残った。

3、今後の取り組みについて

今年度の学習内容や、取組み日常的に気をつけていかなければならないこと、特設の時間に取り扱ったほうが良いものなども、はっきりと見えてきたように思う。また、この取り組みを進めるに当たって、中学部の保護者と、小学部の保護者が「性教育について」話す機会があって様で、保護者の意識が高まったことは成果の一つである。

今年度は、養護教諭の先生にも研修会に参加してもらったり、授業にも関わっていただきながら進めた。また、小学部の児童には男性に協力いただきたい部分も多かったため、男性の教員に協力いただき進めることが出来たのはよかった。

来年度も、研修のテーマとして取り上げるかは検討するとして、授業の積み上げについては引き続きおこなっていく必要がある。年間に何度か取り組みの報告や、検討の場を持つ予定である。また、今年度は、各指導者が指導案などの記録を残しているので、来年度以降の参考にしていけると良いだろう。


平成21年度の研修のまとめの目次


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