今年度は理療に関する実技研修をメインテーマに3回行った。
頸部には細い筋が多く、深部の筋も頸のこりや寝ちがい等に関与している。座位では筋緊張が著しく、深部の筋の状態が触知できない。一方、側臥位では深部の筋に施術しようとすると、可動性の大きい頸椎に力が加わり、術後不快感を生じることがある。そこで、最も頸部の筋の緊張がゆるみ、かつ頸椎にも余分な力が加わらない仰臥位での施術を研修することにした。加えて、上項線下部や環椎後頭関節等への手技療法についても実技研修を行った。
肩こりの主体をなす筋の大部分は肩甲骨に付着するか、あるいは肩関節をまたいで上肢に付く筋である。そこで、肩関節や肩甲骨をストレッチすることは肩こりに有効となる。今回は施術に応用できる方法として、座位での肩関節のストレッチと、座位と側臥位での肩甲骨のストレッチについて研修した。
衛生管理やリスク管理の目的で、指サックや治療用グラブの使用が推奨されている。今回は、これらを使用し、刺鍼する際、刺鍼部位の触察や刺鍼において支障がないかどうか検討することにした。結果としては、指にしわができなければ触診や刺鍼には大きな支障はないということがわかったが、しかし、指の太さは人によって様々であり、全員にフィットするような各種サイズのものが用意可能かどうかが問題として残った。
細鍼を用いた旋撚法の練習を行った。
夏休みに行われた理教連主催の第3回実技研修会で実習してきたアロマ・マッサージの伝達講習を行った。今回は、アロマオイルを用意することができなかったので、普通のオイルを用いて全身マッサージの実技を研修した。特徴的な手技については、伝達がうまくいかなかったが、全員が受けてみたいとの感想が得られた。