三重県立盲学校

平成19年度グループ研修「歩行」

*今年度は、視覚障がい者の歩行を見学したり、ハンディを伴う「歩行」の体験、7月の「公開講座」の準備・運営などを行なった。( 「公開講座」のレジュメ は、【別紙】)

1.本年度の研修テーマ:
白杖による歩行と手引きガイド(する側、される側)の経験を通じて、その方法についての理解や考察を深める。
2.「歩行」体験の実施計画:
「歩行」の目的地を、校内の場所、サークルK、JR高茶屋駅など、毎回設定して取り組む。
晴天時と雨天時の両方を想定する。
誘導する側とされる側に分かれて、ペアを組み、行きと帰りで役割を交代する。
誘導する側が肘を貸したり、交互にアイマスクと白杖を用いて体験する。
・会議室に戻ってから、全員で振り返りを行なう。
3.振り返り(まとめ):

@第1回「歩行」体験(6月14日)―校内―

(その他)
体育館への移動の際、校舎内を左側通行する生徒もいる。

A第2回「歩行」体験(9月20日)―学校周辺―

曲り角で点字ブロックが消えているとき、石なのかブロックなのか、わかりにくかった。(→全盲のメンバーからは、「(ブロックが)なくなっても、そのことにこだわらずに、推測しながら進む」とのこと。さらに、出張の際には、あらかじめ、地図の様子を家族から聞いておき、もしわからなければ、通行人に尋ねる。測量では、実際の距離よりも交差点がいくつ目かとか、角の建物などを目安にしている。また、歩道はよく分かるが、車が通っていないとかえって分かりにくい。十字路とか曲り角は見当をつける、とのこと。)

B第3回「歩行」体験<見学を中心とする>(11月16日)―サークルKまで―

目的地までのポイントを脳裏に描きながら、的確な「歩行」を行なう上で、道路の状況等の微妙な「歩行」環境―すなわち、風の流れ、(道路の)起伏や高低差、電柱の音の反響など―に、判断すべき要素があること。

また、点字ブロックを確認するには、ある程度の速度で歩くことが必要で、白杖や靴の裏で確認しながら歩くこと、などを教わる。

全盲の方の中にも、道路の端だけでなく、どちらかと言えば“中央より”を歩くなど、それぞれ歩き方に違いがあることを知る。

店内で品物を選ぶ場合、中には包装されているため取り出せず分かりにくかったりするが、白杖をもっていると、誰かが声をかけてくれて助かることが多い、とのことである。

C第4回「歩行」体験(1月16日)―JR高茶屋駅まで―

(まだ慣れていないので不安が強く)ガイド役の声が大いに役立った。また、役割を交代して、自分が声を十分には出していなかったことが分かった。

白杖の使い方で、少し浮かしながら左右に振ると良いことを知った。

わずかな段差に危険を感じてしまい、へっぴり腰になってしまうことがあった。

がに股のせいか、身体がまっすぐ進まず、右や左に曲がってしまうことがあった。

頭の中に「地図」を作ることの大切さを知った。

・グレーチングの穴に白杖がささってしまい危険を感じた。

・犬の糞が落ちていないかどうかが気になった。

道路に沿って歩くことが難しく、知らない間に溝の上の落葉に足がのっていてひやっとした。


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