理数科ミーティング 校長講話

 ~「推理」(論理的思考)と「想像」(主観的思考)~

 私たちは、何か問題があると、それを解決するために様々な角度から考えを巡らせます。あれこれ考えるうちに、思いつきに過ぎない主観的な考えが混じることがあります。正確な事実・情報に基づく「推理」ではなく、自分なりの「想像」によって解決しようとすることはないでしょうか。

 次の問題にチャレンジしてみてください。
 あるコンサートのチケット売り場でのことです。料金は、一般席が1,200円、指定席が1,700円です。一人の男性が2,000円を出すと、「一般席ですか、それとも指定席ですか?」と尋ねられ、男性は「指定席をお願いします。」と答え、指定席のチケット1枚とお釣り300円を受け取りました。その直後に一人の女性が2,000円を出すと、売り場の係員から何も言われず、指定席のチケット1枚とお釣り300円を受け取りました。
チケット売り場の係員は何故、その女性は指定席を求めていると分かったのでしょうか。

 あなたは、どのように「推理」しますか。「指定席しか残っていなかったから。」、「二人は夫婦又は恋人同士だったから。」、「高価な服装を着ていたから。」等々。これらは全て「想像」に過ぎません。勝手に「想像」して、無理やり結論と結び付けているだけです。
 正解は、明らかに一般席を求めていないことが分かるような2,000円の出し方をしたから、すなわち、「1,000円札1枚と500円硬貨2枚を出したから、又は500円硬貨4枚を出したから。」です。

 このような問題では「推理」と「想像」の違いは明瞭ですが、普段の生活では混同することがあるのではないでしょうか。「推理」とは、与えられた事実・情報を基に、論理的に結論を導くことです。問題解決の場においても、「事実・情報を無視した解決策」や「根拠のない意見」が平気で出されることがあります。それらが多数を占めると客観性のある考え方であると思い込み、誤った判断をしてしまうかもしれません。「推理」と「想像」の違いに留意し、正確な情報や根拠に基づいて問題や課題に取り組まなければなりません。

 「推理」とは論理的思考、「想像」とは主観的思考のことです。皆さんは、理数科の専門科目や「課題研究」で、様々な問題や課題に取り組みます。仮説を立て、実験を行い、結果を分析・考察し、仮説を検証します。この一連のプロセスを適正に進められるよう、至極当然のことかもしれませんが、改めて注意してほしいと思い、このような話をしました。

 以上で理数科ミーティングの話を終わります。

バス研修旅行、大学見学会に行ってきました

4月21日(木)に、バス研修旅行(1・3年生)、大学見学会(2年生)に行きました。
1年生はユニバーサルスタジオジャパン、3年生は長島リゾートへ行きました。2年生は、京都市内の大学見学に行き、自身の進路について考える良い機会となりました。
あいにくの悪天候でしたが、どの学年も、班で楽しく時間を過ごすことができ、良い仲間づくり・クラスづくりの機会となりました。

        1年生

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        2年生

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        3年生

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理数科 平成28年度入試合格状況(現役のみ)

国公立大学
大学名 学部 合格者数
北見工業 1
富山 1
金沢 理工学域 1
福井 2
信州 1
岐阜 1
静岡 人文社会 1
名古屋工 2
三重 教育 2
大阪教育 教育 1
奈良女子 生活領域 1
神戸 1
香川 1
群馬県立 1
富山県立 1
福井県立 生物資源 1
都留文科 1
大阪市立 1
1
滋賀県立 環境科学 1
奈良県立 地域創造 1
下関市立 経済 1
長崎県立 地域創造 1
国公立合計 26

 

 

平成28年度入試国公立大学および私立大学合格者数

平成28年度入試合格者(全体)

国公立大学
  大学名 合格者数
国立 北見工業 1
富山 2
金沢 1
福井 3
信州 2
岐阜 1
静岡 2
名古屋 1
名古屋工 2
豊橋技術科学 1
三重 21
滋賀 3
大阪教育 2
神戸 1
奈良教育 2
奈良女子 3
香川 1
鳥取 3
島根 3
小計 55
公立 群馬県立女子 1
横浜市立 1
富山県立 2
福井県立 2
都留文科 1
愛知県芸術 1
三重県立看護 3
滋賀県立 1
大阪市立 2
大阪府立 1
奈良県立 4
兵庫県立 1
神戸市外国語 1
山口東京理科 1
下関市立 2
長崎県立 1
小計 25
国公立大学合計 80
私立大学
地区名 大学名 合格者数
関東 青山学院 1
中央 1
日本 1
創価 4
東海 6
東海北陸 南山 1
名城 2
中京 4
名古屋外国語 20
皇學館 27
鈴鹿医療科学 19
関西 同志社 4
立命館 31
関西 27
関西学院 1
京都産業 14
龍谷 42
近畿 74
京都女子 6
同志社女子 5
佛教 6
大阪経済 5
大阪工業 17
摂南 16
関西福祉科学 11
京都外国語 6
関西外国語 18
神戸学院 2
畿央 17
帝塚山 10
私立大学合計 398

平成28年度入試合格者(理数科)

国公立大学
  大学名 合格者数
国立 北見工業(工) 1
富山(薬) 1
金沢(理工学域) 1
福井(工) 2
信州(工) 1
岐阜(工) 1
静岡(人文社会) 1
名古屋工(工) 2
三重(教育) 2
大阪教育(教育) 1
奈良女子(生活環境) 1
神戸(法) 1
香川(法) 1
小計 16
公立 群馬県立女子(文) 1
富山県立(工) 1
福井県立(生物資源) 1
都留文科(文) 1
大阪市立(法) 1
大阪市立(工) 1
滋賀県立(環境科学) 1
奈良県立(地域創造) 1
下関市立(経済) 1
長崎県立(地域創造) 1
小計 10
国公立大学合計 26

 

クラブパフォーマンスが行われました

4月13(水)に体育館で、1年生に向けて、各クラブ・同好会が活動をアピールしました。

        化学部

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        弓道部

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       吹奏楽部

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プロジェクターを使いムービーを見せたり、実技パフォーマンスをしたりと、工夫を凝らしていました。1年生にクラブ、同好会の魅力が伝わったのではないでしょうか。
クラブ紹介やクラブ見学を経て、1年生は所属するクラブを決めていきます。

 

緊張そして・・・

2016年度対面式

4月11日(月)の午前に対面式が行われ、在校生が新入生324名を歓迎しました。
生徒会会長の歓迎の挨拶、新入生代表挨拶、生徒会執行部による学校生活の紹介と続き、最初緊張した新入生も式が進むにつれ、笑顔も見られました。

     (生徒会会長挨拶)

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     (新入生代表挨拶)

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女子テニス部より

始業式が昨日あったばかりですが、今年度の高校テニス競技が始まりました。
県総体の予選が4月9日にダブルス・4月10日にシングルスが各高校で開始されました。
上高女子テニス部は、白子高校、津商業高校、セントヨゼフ女子学園等に分かれ、予選を戦いました。ダブルスでは、惜しくも敗退しましたが、シングルスでは、一人勝ち抜きました。4月30日にスポーツの杜鈴鹿で開かれる本戦に出場します。
また、5月28日からは団体戦がスポーツの杜鈴鹿で行われます。応援をお願いします。

     白子高校会場での集合             試合開始

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上高にようこそ!!

2016年度入学式

4月8日(金)の午後に入学式が行われ、新入生324名の入学が許可されました。

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高校生活への期待・不安が混じった様子で、緊張が張りつめた入学式となりました。

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平成28(2016)年度入学式(定) 校長式辞

 春の風が学校に花の匂いや鳥のさえずりを運んでくれる今日の良き日、御来賓の皆様、入学生の保護者の皆様の御臨席のもと、平成28年度入学式を執り行うことができますことは、私共のこの上ない喜びであり、誠に嬉しく存じます。本校を代表し、深く感謝申し上げます。

本校の校門をくぐった新入生のみなさん、入学おめでとうございます。心から歓迎いたします。

保護者の皆様、お子様の御入学、誠におめでとうございます。これまでお子様を育ててこられました皆様の御尽力に衷心より敬意を表すとともに、お子様に寄せる思いを真摯に受け止め、私共教職員は、お子様の大いなる成長を目指して教育活動に取り組んでまいります。どうか、本校の教育活動に御理解、御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 さて、新入生の皆さん。皆さんは、今日から高校生として新しい生活に入ります。期待に胸を躍らせながらも、不安も感じていることでしょう。安心して心を開いてください。そして、分からないことは何でも尋ね、早く上野高校に慣れてください。

皆さんの中には、高校進学を機に、自分を変えたいと思っている人もいるでしょう。何かに反発して荒れた生活を送っていたという人や、あまり学校には行けなかったという人もいるかもしれません。これまではどうであれ、リセットすればよいのです。そして今は、夢に向かって挑戦できることに感謝しましょう。今の自分の状況に先ずは感謝です。その上で、「4年間、本当によく頑張った。今があるのは、その時の努力のおかげです。」と、5年後、10年後の自分から感謝されるような高校生活を送ってください。これから過ぎ去っていく過去は、皆さん自身の手でどのようにも作り上げることができます。今の皆さんには、自分の将来を決めるだけの可能性と力を持っています。今日からの一日一日がどれだけ価値のあることか、しっかりと今の自分の中に刻み込んでほしいと思います。

 そこで、こんな話をしたいと思います。皆さんも知っているように、オタマジャクシは、やがてカエルになります。尻尾が消え足が生え、陸に上がって飛び跳ねることができるようになります。しかし、カエルになれるのなら、カメにもなれるかというと、そうはいきません。カエルにしかなれないのです。オタマジャクシがカエルになること、それは、「より自分らしくなる」ということです。ここに成長のあるべき姿をイメージしてほしいと思います。
また、青虫はさなぎになり、そして蝶になります。この姿にも自分の成長をイメージしてください。青虫のあいだは思うように動けず、とても不自由な身です。しかし、さなぎを経て蝶になると、羽が生え、自由に飛び回れるようになります。「這う世界」から「飛ぶ世界」への変化です。しかし、トンボにはなれません。蝶にしかなれないのです。ここで悩んでしまうのではなく、羽が生えて飛べるようになることを喜ぶべきなのです。それが、「最も自分らしく輝いている姿」なのです。
皆さんの中に、他人との比較が癖になって自己嫌悪に陥り、今の自分を捨てて別人になろうともがいている人はいないでしょうか。言わば「自己否定の罠」にはまっている人です。憧れている誰かと比較し、嫌いな自分を消し去ろうとしたり、自分を捨てて別人になろうとしたりしてはいけません。「ダメな自分」「情けない自分」をあぶり出して、自己嫌悪に陥るのではなく、「ありのままの自分」を受け入れ、そういう自分と向き合い、つき合っていけば、これが自分本来の姿だと思う時があるはずです。それが本当の「自分らしさ」だと思います。
「自分らしさ」は、親から授かった自分に与えられた能力・個性です。それを一生懸命に磨き続けていると、「自分本来の姿」に変身できるのです。それまでは、ごちゃごちゃ言わずに自分を磨き続けなければなりません。これが中途半端だと、オタマジャクシとしては成長できたとしてもカエルにはなれません。自分磨きを途中で怠ると、大きな青虫になれても蝶には変われません。自分に与えられた能力・個性を進化させるところまで磨き続けることが大事なのです。

 それでは、どのように自分を磨き続けていけばよいのでしょうか。私たちには、「しなければならないこと」「したいこと」「できること」の3つがあります。「したいこと」を我慢し、「しなければならないこと」だけをする、そんな生活が続くと、一向に自分の夢や希望に近づいていないように感じ、「このままでいいのか、こんなはずじゃない」と思いがちです。しかし、実はそうではありません。逆に、「しなければならないこと」を脇に追いやり、「したいこと」だけをしていると、いつまでたってもオタマジャクシや青虫のままで、成長は望めません。「できること」も増えていきません。
 皆さんが、上野高校で、「しなければならないこと」と「したいこと」の両方をうまく両立させ、自分らしく、大きく成長することを期待します。

最後になりましたが、御多用の中、御臨席賜りました御来賓の皆様方に、心から御礼申し上げます。これからも、本校に対し、一層の御支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

待ちわびた春は希望の春。新入生12名の大いなる成長を祈りつつ、式辞といたします。

 

2016年度 前期始業式(全日制)

 アメリカのペンシルバニア州に、イタリアからの移民がつくったロゼトという町があります。この町では1950年代に、医学的に大変不思議な現象がみられました。心臓疾患の危険因子である喫煙、肥満、糖尿病、動物性脂肪の摂取量は他の町の住民と変わらないのに、ロゼトでは心臓疾患による死亡率が他の町よりも極端に低かったのです。「ロゼトの奇跡」と言われ、研究者の注目を集めました。その理由を探ろうと様々な調査が行われましたが、結局分かったことは、他の町と比べて「住民同士のつながりが強い」ということでした。何があっても周りが助けてくれるという安心感が心臓疾患を減らしていると研究者たちは考えたのです。ところが、時代が進み、ロゼトの住民同士の連帯感が弱まるにつれて、心臓疾患による死亡率も他の町と変わらなくなったそうです。

私たちは毎日、互いに頼ったり、頼られたりして暮らしています。時には迷惑をかけたり、迷惑をかけられたりもします。このような双方向の関係を嫌がり、過度な自立意識を振りかざして強がっていては連帯感など生まれません。パソコンやスマホが普及して、隣で仕事をしている同僚に口で言えばよいのにメールで用件を伝えるとか、1年経ても名前の分からないクラスメートがいるとか、人間関係の在り方が徐々に変化してきている例は枚挙に暇がありません。

前任校でのことです。中学までは聾学校で学び、高校は高校野球がしたいと前任校に進学した聴覚障がいを持つ生徒がいました。耳は全く聞こえません。彼のために前任校の生徒たちと先生方は何をしたか。野球部員は練習や試合で彼と意思疎通ができるよう「指言語」を覚え、クラスメートは文化祭の舞台発表で彼を中央に立たせて手話パフォーマンスを演じ、先生方は当番表を作って授業中に彼の隣で交代でノートを取りました。彼は、卒業式の答辞で、「この学校で最高の高校生活を送ることができた」と感謝の言葉を手話で表現しました。

私たちの日常には、「あなたのおかげで助かった。」「あなたがいるので何とかやっていける。」と言い合える関係がもっとあってもよいのではないか。当たり前のように助け合い、つながり合い、共に生きていく力、すなわち、共生社会を築いていく力こそ、今求められる「生きる力」だと、東日本大震災から5年経った今、改めて言いたいのです。

そのためにはどうすればよいか。先ずは、人が捨てたゴミを拾う。老人に電車の席を譲る。先に道を譲る。段差で動けない車椅子の人に手を差し伸べることです。これらのことは、「何故、私がこんなことをしなければならないのか。」という気持ちを乗り越えなければできないことです。「何故、自分だけが」という気持ちがある限り、他者とつながり合うことなどできません。

学校も同じです。学校行事等では、「自分の役割」と「他者の役割」の隙間にある「誰の仕事でもない仕事」は最初に気づいた者がする。「自分の仕事」なのか「他者の仕事」なのか判断に迷う仕事はさっさと引き受ける。これが共生社会の基本ルールだと思います。「自分のために」から「誰かのために」、「皆のために」へと考え方を転換し、「他者の幸せは自分の幸せ」と考える人が増えていけば、「孤立」に陥る者などいるはずはなく、「依存」から「共存」へ、そして「自立」へという道筋のなかで、一人ひとりが「生きる力」を身に付けていくのだと思うのです。

皆さんは今日から、新しい学年で学校生活を始めます。普通科の皆さんは新しいクラスメートと出会い、理数科の皆さんも気分一新で今日を迎えたことと思います。この一年は最高の一年だった、このクラスは最高のクラスだったと振り返ることができるよう、互いに助け合い、励まし合い、絆の強いクラスやクラブを作っていってください。

以上で前期始業式の話を終わります。