2学期終業式(定時制)

 厳しい残暑の中で始まった2学期も、身に沁みる寒さの中で終わろうとしています。

 夏から秋へ、秋から冬へ、季節の移り変わりを感じながら、この4ヶ月、皆さんは様々な活動に取り組みました。ある時は「喜び」に胸躍らせ、ある時は「悔しさ」で胸をかきむしり、またある時は「悲しみ」に胸を絞めつけられ、少しずつ、しかし確実に、皆さんは成長したと思います。

 新しい年を迎えようとしている今、皆さん全員に、ひとまず、この2学期を含む今年一年を、しっかりと振り返ってほしいと思います。

 そこで、皆さんに尋ねます。「今年は、やろうと思っていたことは、どれくらいできましたか?」「やろうと計画したことは全部やった。」と断言できる人は少ないのではないでしょうか。多くの人は、「やれたこともあるし、やれなかったこともある。」すなわち、「やり残したことがある」という振り返りをするのではないでしょうか。

 問題は、何をやり残したかです。特に、やろうと思っていたのに、やるチャンスはいくらでもあったのにやらなかったという「やり残し」です。私たちは、その理由を尋ねられるとあれこれ言い訳をしがちです。「いろいろあって忙しかったので」とか、「友達づきあいがあって」とか、「みんなが動いてくれなかったから」とか…。これらの「言い訳」は全て、他人や周りの環境のせいにするものばかりです。

 再び皆さんに質問します。「来る2016年は、「言い訳」を繰り返して「やり残し」を再生産しますか。それとも、周りがどうであれ、「強い意志」でやり遂げたという経験を積んで人生を切り拓いていきますか。」

 こんな話を皆さんに紹介します。

A社とB社という2つの靴メーカーの社員が市場調査のために現地を訪れた。裸足で生活をしている人々を見て、A社の社員は、「ここの人達は靴を履く習慣が無いようです。ここでは靴は売れません。」と本社に報告した。一方、B社の社員は、「ここでは誰一人靴を履いていません。ビジネスチャンスです。」と報告した。その後、B社の社員は市場開拓に成功し、会社に大きな利益をもたらした。

 靴を履かない人達という同じ現実を見て、それを「言い訳」にして撤退する人もいれば、それを「チャンス」にして前進する人もいる。この違いは一体どこから来るのか。

 さて、皆さん。この一年を振り返ってください。やるべきこと、やりたいと思ったことをやらなかった人は、何としてもやるという「強い意志」が、その時の自分にあったかどうか、そして「自分はこれをやる」という「強い意志」を持ち続けたかどうか、自らに問うてみてください。

 皆さんは、来る2016年も、様々な人生の現実を経験するでしょう。自分の前に大きな壁が立ちはだかることもあるでしょう。現実の壁の高さを「言い訳」にして停滞するか、それとも「大いなる前進」のチャンスにするか、皆さんの「強い意志」に期待します。

 風邪など引かず、体調管理に努めながら、来年1月に元気に登校してください。

 以上で、2学期終業式の話を終わります。

2015年12月22日 東 則尚

2学期終業式

 厳しい残暑の中で始まった2学期も、身に沁みる寒さの中で終わろうとしています。

 夏から秋へ、秋から冬へ、季節の移り変わりを感じながら、この4ヶ月、皆さんは様々な活動に取り組みました。ある時は「喜び」に胸躍らせ、ある時は「悔しさ」で胸をかきむしり、またある時は「悲しみ」に胸を絞めつけられ、少しずつ、しかし確実に、皆さんは成長したと思います。

 新しい年を迎えようとしている今、皆さん全員に、ひとまず、この2学期を含む今年一年を、しっかりと振り返ってほしいと思います。

 そこで、皆さんに尋ねます。「今年は、やろうと思っていたことは、どれくらいできましたか?」「やろうと計画したことは全部やった。」と断言できる人は少ないのではないでしょうか。多くの人は、「やれたこともあるし、やれなかったこともある。」すなわち、「やり残したことがある」という振り返りをするのではないでしょうか。

 問題は、何をやり残したかです。特に、やろうと思っていたのに、やるチャンスはいくらでもあったのにやらなかったという「やり残し」です。私たちは、その理由を尋ねられるとあれこれ言い訳をしがちです。「いろいろあって忙しかったので」とか、「友達づきあいがあって」とか、「みんなが動いてくれなかったから」とか…。これらの「言い訳」は全て、他人や周りの環境のせいにするものばかりです。

 再び皆さんに質問します。「来る2016年は、「言い訳」を繰り返して「やり残し」を再生産しますか。それとも、周りがどうであれ、「強い意志」でやり遂げたという経験を積んで人生を切り拓いていきますか。」

 こんな話を皆さんに紹介します。この話は、職員会議で先生方にも紹介した話です。

A社とB社という2つの靴メーカーの社員が市場調査のために現地を訪れた。裸足で生活をしている人々を見て、A社の社員は、「ここの人達は靴を履く習慣が無いようです。ここでは靴は売れません。」と本社に報告した。一方、B社の社員は、「ここでは誰一人靴を履いていません。ビジネスチャンスです。」と報告した。その後、B社の社員は市場開拓に成功し、会社に大きな利益をもたらした。

 靴を履かない人達という同じ現実を見て、それを「言い訳」にして撤退する人もいれば、それを「チャンス」にして前進する人もいる。この違いは一体どこから来るのか。

 私は、身体に障がいを持つ子どもたちが通う肢体不自由特別支援学校で勤務したことがあります。

 その学校では、極めて重い障がいを持つ子どもたちや、死と隣り合わせで生きている子どもたちも学校生活を送っています。これらの子どもたちの多くは言葉を発することはありません。しかし、顔の表情や、かすかに聞こえる声などから、何としても生きるという「強い意志」を感じることがありました。

 冬のある日、神奈川フィルハーモニーオーケストラというプロの交響楽団が、その学校で演奏してくれた時のことです。私は、ある難病をかかえる男子生徒のそばで演奏を聴いていました。その生徒は、車椅子にさえ乗ることができないため、ストレッチャーという移動式ベッドの上で寝たままの姿勢で演奏を聴いていました。本物のオーケストラが奏でる音楽の素晴らしさに興奮したのか、彼の身体は普段どおりこわばったままでしたが、額にはかすかに汗がにじんでいました。そして、「Believe」という曲の演奏が始まり、私は「この曲いいね」と小さな声で話しかけ、彼の手をギュッと握ると、彼も何かを言いたげに口元をもごもご動かしながら、弱い力で私の手を握り返してきたのです。私は、「僕もこの曲が好きだよ」と言いたいのだということを直感しました。「この心地良い音楽をもっと楽しんでいたい」、「生きる喜びをずっと感じていたい」という彼の「強い意志」を感じた瞬間でした。

 彼のような難病を抱える病弱な子どもたちは、現代の医学では治らないということを受け入れ、毎日を強く、たくましく生きています。健康な私たちに、「一日一日を大切に生きてください。」と言っているようにも感じるのです。

 皆さんは、視覚を失っても聴覚や触覚を使って活躍されている音楽家がいることを知っていると思います。最近ではピアニストの辻井伸行さんや、古くは津軽三味線の名人・高橋竹三さんがいます。また、脳に重い障がいがあっても、絵画や暦の記憶、機械技術等の分野で特異な才能を発揮する人たちがいます。言語中心の左脳が働かなくても、空間認知中心の右脳を集中的に使うために、特別な発達が起きると考えられています。

 そうした驚異的な発達を可能にするのは、目標に向かって進んで行こうとする「強い意志」があるからだと言われています。

 さて、皆さん。この一年を振り返ってください。やるべきこと、やりたいと思ったことをやらなかった人は、何としてもやるという「強い意志」が、その時の自分にあったかどうか、そして「自分はこれをやる」という「強い意志」を持ち続けたかどうか、自らに問うてみてください。

 皆さんは、来る2016年も、様々な人生の現実を経験するでしょう。自分の前に大きな壁が立ちはだかることもあるでしょう。現実の壁の高さを「言い訳」にして停滞するか、それとも「大いなる前進」のチャンスにするか、皆さんの「強い意志」に期待します。

 最後に3年生に一言。現役の受験生が最も力を伸ばすのは、今です。合格を目指し、また大学での勉学・学問をスムーズに進めていくためにも全力でラストスパートをかけてください。

 風邪など引かず、体調管理に努めながら、来年1月に元気に登校してください。

 以上で、2学期終業式の話を終わります。

2015年12月22日 東 則尚

高校生ビブリオバトル(書評合戦)三重決戦2015

12月13日(日)に皇學館大学で、「高校生ビブリオバトル三重決戦2015」(三重県教育委員会主催)が行われました。地区の代表者17名がお気に入りの本を紹介しました。

ビブリオバトル三重決戦

伊賀地域代表の1人として、上野高校から3年 杉野萌さんが出場し、『生き物の持ち方大全』松橋利光(著)を紹介しました。決勝戦に進出することはできませんでしたが、他校と交流し有意義な1日となりました。

ブリオバトル三重決戦

ビブリオバトル三重決戦

三重テレビ放送にて特別番組として1月30日(土)19:30~20:25に放送されます。