2学年 大学出張講義

 7月13日(月)の3・4限目に2年生対象の進路LHRである「大学出張講義」を実施しました。講師は大阪大学・大阪市立大学・三重大学・立命館大学・畿央大学・大阪樟蔭女子大学の各学部の先生方計10名です。2年生は実際の大学の講義を通じ、学問の面白さや社会とのつながりなど多くの事を感じ取っていました。

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  低温の世界で起こる様々な                     「記憶の不思議」の講義より

  不思議なことに歓声が起こ                       生徒たちは面白そうに活動し

  りました                              ていました  

2学年 沖縄調べ学習

6月24日(水)6限目

 2学年では、1学期に人権学習で取り組んできた沖縄の調べ学習について、各クラスでまとめのプレゼンを行いました。

 修学旅行へ向けて、「沖縄戦の実態と傷跡」「沖縄米軍基地をめぐる諸問題」「尖閣諸島をめぐる領土問題の今」の3つのキーワードのうち1つをテーマとして選択し、それに関して情報を収集した後、班で1枚のポスターを仕上げ、それをもとに発表しました。

クラス全員の前で緊張しながらも、自分たちで調べたこととそれを通して考えたことを、一生懸命伝える姿勢が見られました。

 26日には他のクラスのポスターもすべて見て、学年間で交流を行いました。互いに学び合いながら、修学旅行で自分の目で確かめてきたいことを、改めて考えてほしいと思います。

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1学期終業式(定)

 アメリカのペンシルバニア州に、イタリア移民がつくった住民同士の連帯感が非常に強いロゼトという町があり、その町では心臓病による死亡率が大変低かったそうです。ところが、時代が進んでロゼトが普通の町と化していくにつれて住民同士の連帯感も弱まり、心臓病の死亡率も他の町と変わらなくなったそうです。

 私たちは毎日、互いに頼ったり、頼られたりして暮らしています。時には迷惑をかけたり、迷惑をかけられたりもします。このような双方向の関係を嫌がり、過度な自立意識を振りかざして強がっていては連帯感など生まれません。パソコンやスマホが普及して、隣で仕事をしている同僚に口で言えばよいのにメールで用件を伝えるとか、1年経っても名前の分からないクラスメートがいるとか、人間関係の在り方が徐々に変化してきている例は枚挙に暇がありません。

 そうではなく、私たちの日常には、「あなたのおかげで助かった。」「あなたがいるので何とかやっていける。」と言い合える関係がもっとあってもよいのではないか。当たり前のように助け合い、つながり合い、共存して生きていく力、すなわち、共生社会を築いていく力こそ、今求められる「生きる力」だと言いたいのです。

 そのためには先ず、他人が捨てたゴミでも拾う。高齢者には電車の席を譲る。先に道を譲る。段差で動けない車椅子の人がいれば、すすんで手を差し伸べることです。これらのことは、「何故、自分がこんなことをしなければならないのか。」という気持ちを乗り越えなければできません。「何故、自分だけが」という気持ちがある限り、他者とつながり合うことなどできないのです。

 学校も同じです。「自分の仕事」と「他者の仕事」の間にある「誰の責任でもない仕事」は最初に気づいた者が片付ける。「自分の仕事」なのか「他者の仕事」なのか判断に迷う仕事はさっさと自分が引き受ける。「自分のために」から「他者のために」へ、「他者の幸せは自分の幸せ」、それが共生社会の基本ルールだと思うのです。そして、このような基本ルールによって築かれていく共生社会では、「孤立」に陥る者などいるはずはなく、「依存」から「共存」へ、そして「自立」へという道筋のなかで、一人ひとりが「生きる力」を身に付けていくのだと思うのです。

 春爛漫の中で始まった1学期も、厳しい暑さの中で終わろうとしています。明日からの夏休み、時間と健康の自己管理をきちんと行い、「成長の夏」にしてください。

 以上で、1学期終業式の話を終わります。

2015年7月17日 東 則尚

1学期終業式

 1学期の学校生活を締めくくるに当たり、今日は、「私たちは今、どのような時代を生きているのか」ということについて話したいと思います。

 一言で言うと、私たちは今、非常に厳しい時代に生きているということです。日本は今、世界一厳しい大きな課題を三つ抱えています。一つ目の世界一は「高齢化世界一」、二つ目の世界一は「財政悪化世界一」、三つ目の世界一は「原発処理」です。

 先ずは高齢化について。総人口に占める65才以上の高齢者の割合を「高齢化率」と言います。1950年の高齢化率は5%に満たなかったのですが、1985年に10%を、2005年には20%を超え、現在は26.0%に達しています。つまり、4人に1人は65歳以上のお年寄りという割合です。そして、2060年には39.9%に達し、10人中4人が65歳以上の高齢者となる社会が到来すると推計されています。すなわち、今から45年後の日本は、6割の現役世代で4割のお年寄りを支える国になるということです。この高齢化の割合、そして高齢化のスピードは世界一です。日本は、どの国も経験したことのない、人類史上未だかつて経験したことのない「超高齢社会」に突入するというわけです。

 この高齢化に伴い、年金を含む社会保障費は年々膨張し、国はそれを借金でまかなっています。平成26年度の国債発行総額は177兆7,000億円で、これもまた世界一。

 そして三つ目の世界一は、史上最悪のレベルに達した原子炉メルトダウンへの対応です。日本はまさに三つの世界一を持つ「課題先進国」なのです。

 皆さんは、自分が生きている今の日本社会が抱えるさまざまな課題について、どの程度関心を持っているでしょうか。

 ここで、ある国際調査の結果を示します。この調査は、日本、アメリカ、中国、韓国の中学生・高校生を対象に、2009年に行われた意識調査です。その調査の中に、このような質問がありました。

「あなたは、自分の参加により、変えてほしいと思う社会現象を少し変えられると思いますか。」

社会への参加意欲を問うこの質問に対し肯定的に答えた中高生の割合は、高い順にアメリカ69.8%、韓国68.4%、中国62.7%、そして日本は30.1%でした。他の3カ国の中高生に比べて、日本の中高生は社会への参加意欲がかなり低いということです。この質問以外にも、社会への参加意欲を問う質問がありましたが、同じような傾向が読み取れる結果となっていました。

 皆さんは、この結果をどう受けとめますか。そして、自分と社会との関わりについて、どう考えますか。

 「自分はあまり新聞も読まないし、ニュース番組もあまり観ない。ボランティア活動もしたことがない。だから、社会への参加意欲は低い。」というふうに考える人も多いかもしれません。

 たしかに私たちは、世界で最も厳しい課題をはじめ、多くの課題を抱える日本という国で生きているわけですが、同時に、日々の生活の中で、何かの生活課題や困難さを抱えて生きています。それが現実だと思います。

 私は皆さんに、「自分の生活課題だけではなく、社会的な課題にも広く眼を向けてほしい」と思っていますし、社会的な課題に対しては、「自分には関係がない、誰かが、大人が解決するだろう」という姿勢ではなく、「自分に何ができるか」という姿勢で、自分なりに社会に関わりを持ち続けてほしいと思っています。皆さんも知っているとおり、選挙権年齢が18歳以上となりましたので、この思いはますます強くなりました。

 その一方で、このようにも考えてほしいと思っています。すなわち、「社会的な課題だけではなく、自分の生活に直接関わる課題を考えたり、解決しようと努力したりすること自体が、実は社会的な課題に向き合うことになる」ということです。何故なら、自分にとって身近な問題は、社会が抱える問題と無関係ではないことが多いからです。今、皆さんが、どうすればよいのか分からず困っているという問題があるとすれば、その問題は、「自分一人で解決すればよい」と考えてしまうかもしれませんが、私達一人ひとりが考え、解決しなければならない社会的な問題であるかもしれないのです。

 とにかく、身近な問題や課題を出発点にして、日本の社会が抱える問題に対しても、避けるのではなく、自分なりに考えてみることが大切だと思うのです。

 春爛漫の中で始まった1学期も、厳しい暑さの中で終わろうとしています。

 明日からの夏休み、3年生にとっては「試練の夏」「挑戦の夏」になるはずです。時間と健康の自己管理をきちんと行い、「成長の夏」にしてください。

 以上で、1学期終業式の話を終わります。

2015年7月15日 東 則尚

2019(令和元)年度授業公開および入門講座のご案内

授業公開

  1. 日時  2019(令和元)年8月28日(水)午後
  2. 会場  各教室
  3. 日程
    12:50~14:20  受付(本校管理棟1階事務室前)
    13:05~14:10  4限目 授業
    14:20~15:25  5限目 授業
    16:00~17:00  部活動見学(自由見学)
  4. 申込  メール、FAX、はがき のいずれかの方法で直接お申し込みください
  5. 問い合わせ先
    Tel  0595-21-2551(総務部 大内、松井)

 

高校生活入門講座

  1. 日時  2019(令和元)年9月21日(土)午後
  2. 会場  本校体育館・各教室等
  3. 日程
      9:00~  9:40          受付(本校体育館)  
      9:40~10:30          吹奏楽部歓迎演奏・学校紹介  
    10:50~11:30         体験授業  
    11:40~12:00           部活動見学(自由見学)  
  4. 申込 各中学校を通じてお申し込みください
  5. 問い合わせ先
    Tel  0595-21-2551(総務部 大内、松井)

進路の手引き 巻頭言「自己指導能力を高める」

校長  東 則尚

 相手の話を聴いて直ぐにどうすべきかを答えることができるカウンセラーが優れたカウンセラーではないように、子どもが自分で考え、自分でやるべきことを肩代わりする親が良い親ではありません。自社の製品を顧客の意に反して押し売りできる販売員が優れた販売員ではないように、指導内容を一方的に生徒に教え込む教師が良い教師ではありません。何かを求める相手への対応の場において、優れた対応に概ね共通してみられるのは、「相手が自分で考え、判断し、自ら行動するように配慮している」という点です。

 ある高校で、3年生の担任をしていた時のことです。ほぼ全員が進学希望というクラスの担任は初めてということもあり、進学情報誌やデータブックには目を通すよう心がけ、関係情報の収集に努めていました。1学期末の三者懇談を控えたある日、各生徒の成績、進路希望等とデータブック等を見比べながら受験を勧める大学・学部を考えていた時に、「これは一体誰が解決すべき課題なのか」とふと思ったのです。その後、私は、「担任が進学情報に熟知するだけではなく、生徒自身が必要な時に必要な情報を得る方法を熟知していることこそ重要である」と考え、「調べる方法」の指導を強化していきました。そして、よく考えもせずに進路相談に来る依存傾向の強い生徒に対しては、受験という「人生課題」を自分で解決していけるよう支援に心がけました。

 「人は、自分の目標達成や課題解決を人任せにしている自分に気づき、自らの責任でやるしかないと覚悟を決めた時に、達成・解決への最も大きな一歩を踏み出す」と言えるのではないでしょうか。本校の生徒には、早くこのことに気づき、「その時、その場で、どのような行動が適切であるか、自分で判断し、決定して実行する能力」、すなわち「自己指導能力」を身に付けた「自立した学習者・生活者」に成長してほしいと強く思っています。この「自己指導能力」は、目標を明確化し、その目標に到達する方法を自ら考え、見つけ出し、達成状況を自己評価しながら目標へと自らを導いていくことで向上していきます。

 この『進路の手引』は、生徒の皆さんが「自己指導能力」を高めながら、受験という「人生課題」を自分で解決していけるよう、進路に関する基本的な情報を卒業生の体験談も織り込みながら取りまとめた手引書です。本書を大いに活用してください。そして、皆さん一人ひとりの「大いなる夢」の実現を期待しています。