SS研究活動 三重大学研修(医学部・工学部・生物資源学部)


2年生11名が三重大学の医学部・工学部・生物資源学部の協力のもと、1年間の研究活動を行い、12月の学年発表会、2月の研究成果発表会にて発表を行いました。

目標  
 「科学的探究心の醸成」を柱として、1年間を通し希望するテーマに沿った研究活動を行う。
 夏季休業中に三重大学の各学部で集中的に実験・実習や研究を行い、三重大学等との連携による指導を受け、校内での課題研究活動を行う。
 成果を行内外で発表する。
日程と内容
(医学部)

≪医学部≫


担当教員:三重大学医学部 腫瘍病理学 石井健一朗助教

日程:5/19(木)・6/16(木)・6/30(木)・7/26(火)・7/27(水)・7/28(木)・9/1(木)・9/15(木)・10/13(木)・10/20(木)

テーマ:「癌について」

内容概略:
 ・総論の授業
 ・病理学の授業
 ・マウス解剖の実習
 ・病理組織や培養がん細胞の実習(病理組織の切り出しと染色の実習)
 ・病理組織や培養がん細胞の実習(スライド標本で、細胞形態の相違の観察)
 ・病理組織や培養がん細胞の実習(培養がん細胞で有効な抗がん剤の探索実習)
 ・発表スライドの作成
 ・発表原稿の作成
 ・発表の予演会
 ・総括 
日程と内容
(工学部)

≪工学部≫

担当教員:三重大学工学部 情報工学 石黒光茂講師

日程:5/10(火)・5/17(火)・5/24(火)・6/28(火)・7/5(火)・7/26(火)・7/27(水) 

テーマ:「コンピュータープログラミングの基礎と電子工作」

内容概略:
 ・Raspberry Piのセットアップ(Linuxの基礎)
 ・Scratchを使ったプログラミングの基礎学習
 ・外部接続端子を使った簡単な電子工作(プログラムと連動)
 ・上記の知識を使い、自分のアイデアで何かを作る(メイン)
 ・センサーを使った電気回路(7/26)
 ・プログラム言語パイソンの使い方(7/27)

日程と内容
(生物資源学部)

≪生物資源学部≫

担当教員:三重大学生物資源学部 海洋微生物学 福ア智司教授

日程:5/10(火)・5/11(水)・5/12(木)・7/26(火)・7/27(水)・7/28(木)・9/5(月)・9/6(火)・9/15(木)

テーマ:「硬質表面の洗浄技術と洗浄度評価法」

内容概略:
 ・実験内容の説明
 ・培地の調製
 ・菌数測定
 ・超音波霧化方式による付着菌の殺菌
 ・超音波霧化方式による空中浮遊菌の殺菌
 ・通風気化方式による付着菌の殺菌
 ・通風気化方式による空中浮遊菌の殺菌
 ・実験結果の整理
 ・各方法における殺菌効果の考察とまとめ
 ・発表資料の作成



   研究活動の様子 

≪医学部≫

      


      


≪工学部≫


      




  生徒の感想 

≪医学部≫

 ・今回のSSH活動を通して、研究の楽しさ難しさを学んだ。計10回の三重大学での研修は、三重大学の石井先生から基礎的な医療についての知識を学んだのち、自分たちで「癌」に関する研究課題を見つけ出し、実験・研修を進めていった。現在の癌の課題を発見し、それを紐解く手がかりを探していく活動は私たちにとって難しいことだったが興味深かった。普段の学習のように、教科書に書いてあることを理解するのではなく、不思議を探究していく研究がとても魅力的に感じた。また、今回の研究は4人で行ったため、チームワークも大切に感じた。4人での研究は、チーム内で意見が分かれたり、衝突することもあったが、4人で行うことの意義も感じた。多くの意見や見解があることにより、より理解が深まったからだ。また、「研究とは実験をして結果がでることに意味があるのではなく、それを誰かに伝えることに意味がある。」という石井先生の言葉が印象的であったが、2回の発表を終えた今、その言葉の意味が分かってきたように思う。放課後を利用してのパワーポイント作りはなかなか伝えたい事が、数十枚のスライドにまとまらず、苦戦した。「自分たちが学んだことをいかに分かりやすく相手に伝えるか」が課題だった。考えに考えた分、発表を終えた時の達成感は大きかった。私は今、医科栄養学科をめざしている。大学に入ったら、癌を食で治す研究をしたいと思っている。SSH活動を通して学んだことを活かし、これからも研究を続けていきたい!!今回このような研究活動を行える機会があり、自分は本当にLucky girlだと思う。

 ・私はSS研究活動を受講して、「がん細胞と正常細胞の違い」を学び、これからのがん治療についての自分の意見を持つことができた。私はこの活動をする以前、がんについての知識はほとんどありませんでした。そんながんについて何も知識のない私が、同じような人たちに分かりやすく自分達が一年間学んできたことを伝えられるようになるのか、始めはすごく不安でした。しかし、三重大学でがんについて学んでいくなかで、次から次へともっと知りたい、という気持ちが増えていくようになりました。発表のためのスライドを作るために放課後、何度も集まり、他の子に自分の意見についてどう思うかを聞いたり、仲間の意見を聞き、それについて考えてみたり、毎回違う発見があってとても勉強になりました。時には意見がすれ違ったりしてしまう時もあったけれど、あの時そこでみんなでその話題について考えたからこそ、2月の発表のためのスライドの内容に大きくそれを反映することができ、より濃い内容の発表ができたのだと思います。約一年間の活動を経て、初めはがんについてほとんど無知だった私も「これからのがん治療」について自分の意見を持つことができ、とても驚いているのと同時に嬉しく思います。また、発表用のスライドを作るとき、初めは何も操作の方法がわからなかったけれど、友達に教えてもらったりしながら何とか作ることができました。発表のとき、スライドの順番もとても大切で、スライドの順番だけで発表の印象が変わることもわかりました。プレゼンテーションでは、自分の伝えたいことをどのように伝えるか、話し方、話すスピードなどが重要だと学びました。これらの活動で培った能力は将来、大学生、社会人になったときに、すごく役立つと思うので、それらを高校生であるうちに学べたことが自分の一つの大きな自信になりました。

≪工学部≫

 ・私は、三重大学工学部研修でIOT機器やプログラミングについて学びました。特にプログラミングについては、言語がさまざまな種類存在しており、初心者向けのものから、上級者向けの複雑なものがあることを知りました。私たちは「ライントレースするロボット」というものを製作しました。そこでは、ロボットがイメージ通りに動くためにプログラミング言語を書く難しさやどのようなものを組み合わせば、よりよく動くことができるのかを考えることの難しさを学びました。これらの研究活動を通して、私は難題に対して放り投げず、試行錯誤しながら頑張るひたむきさを学び、物事に対する接し方が変化したと思います。 

 ・この研究活動を通して私は、IOTやプログラムの事を深く知ることができたと思います。最初は苦戦することもありましたが、自分で思い通りに動かすにはどうしたらいいかなど考え実行に移す。そしてその成果を発表する。普段はあまり取り組めない経験をして、将来使うであろう力を育めたと思います。自分だけでは考え付かなかったであろう、アイデアや互いの考えを話し合うという機会などがたくさんあり、今までの視野だけでなく色々な方向から見ることができるようになったと思います。自分の意見を相手に伝える、相手の意見を聞いた上で、考えるなどのコミュニケーション能力が成長したと思います。


≪生物資源学部≫

 ・今回SS研究活動を受講して、普段の授業では学べないようなことを体験することができた。夏休みには実際に大学まで行き、実験だけでなく大学内を見学したり、大学生と話すことができたので、自分の進路について考えるきっかけにもなった。私たちのグループでは、細菌数の変化を調べることを中心とした実験を行い、仮説を立てたり、実験結果から答えを導こうとすることで考えたり、判断したりする力が身についたと思う。

 ・私は三重大学生物資源学部のSS研究を受講して変わったと思うことは、得たデータをプレゼンとしてまとめて発表することです。これまで私はデータに対して、考察などを加えて整理することが苦手でした。しかし、福ア先生にテーマの決定から教えていただきデータをわかりやすいプレゼンになるように工夫してまとめました。