PTA寄稿 スポーツと食事7 自分で食を選べるか?
(2013.2.22/18:57公開)
[編集者]
名張高校の前身は、大正5年(1916年)創立の名賀郡立農学校(のち三重県立名賀農学校)です。
戦後の昭和23年(1948年)に、新制高校(名張高校)として再スタートを切ってからも、しばらくは農業科や畜産科が存続していました。昭和48年(1973年)に上野農業高校が創立された際に、農業関係の学科の機能移転があり、以後、本校の農学校時代の伝統は幕を閉じました。
しかしそれまで半世紀以上もの間、伊賀地域において、農業関係の人材育成に努めてきた実績は残ります。
そのような先人の皆様方の影を慕うには大変おこがましいのですが、今現在グラウンドの脇に、小規模ながら野菜や花を栽培して楽しんでいるクラブがあります。微々たる試みですが、ビタミンの摂取をめざしています。
ジュニア・アスリートフードマイスターの資格をお持ちの本校PTA役員の方からの、7回目の寄稿です。
[寄稿者]
今回から、「食事選び」について話します。
「アスリートの食」について考えるとき、栄養素や食べる量、食べ方など様々な面から
「アスリートとして、最善のものを選べるようなる」
ことが大切です。
体が資本ですので、適切な食べ物を適切なタイミングで食べることを心がけてください。
1回の食事で必要な栄養素を完璧に補うことはできないので、中食(おやつ)や外食での食事選びができるようにしましょう。
食品の機能について、以下のように分類します。
●1次機能:栄養・健康の維持
3大栄養素(炭水化物・脂質・タンパク質)
5大栄養素(炭水化物・脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラル)
※5大栄養素が過不足無く、とれることが大事
●2次機能:おいしさ、食べる楽しみ
間食・嗜好品(菓子類、清涼飲料水)
●3次機能:機能性
水分補給、特定保健用食品
まず、1次機能としての栄養素について。
■炭水化物
一日の摂取するエネルギーのうち、半分以上を占めることが望ましいとされるエネルギー源です。
米・パン・麺などの穀類、芋・カボチャ・とうもろこし・バナナ・砂糖など。
炭水化物の種類と摂取のタイミング
運動前 :腹持ちがよく、消化の良いもの(おにぎり、バナナなどの果物、脂質の少ないパン等)
運動直前:液体など摂取しやすく、すぐエネルギーとなるもの
運動中 :スポーツドリンク・果物ジュースなど
運動直後&運動後
:ゆっくりとエネルギーになるもの(おにぎり・パンなどの主食、芋類、かぼちゃなど)
■脂質
少ない量で多くのエネルギーを摂ることができる栄養素。
油脂・アボガドなど。
油脂そのものの利用では、植物性油脂を中心に、動物性油脂は食品に含まれているもの程度にとどめます。バターや生クリームなどの乳化された油脂は、風味を生かす程度に控えめに使用します。
■タンパク質
筋肉・骨格・臓器などの体構成成分。ミネラル、脂質などを体内で運搬する役割あり。
タンパク質源は、加工肉、加工魚ではなく、素材そのものを中心に摂取しましょう。
タンパク質量だけでなく、食事全体として十分なエネルギーが補給されていることも重要です。また、鉄の供給源としても重要ですので、赤身肉や赤身魚などの摂取もしましょう。
特に、質の良いタンパク質は、肉・魚・大豆製品です。
■ビタミン・ミネラル
エネルギー代謝や体の構成物質として、利用されます。体の調子を整えるものです。
野菜・果物・海藻の他、動物性食品から摂取しやすい、ビタミン・ミネラルもあります。
■鉄・カルシウム
アスリートにとって、積極的に摂取したい栄養です。
鉄:赤身肉、魚、海藻、あさり、はまぐり、大豆製品、小松菜、大根など。
鉄分を食品から摂取したいときは、ビタミンCも一緒にとりましょう。
カルシウム:骨や歯の成分、血液の凝固、筋肉の収縮に関与します。
牛乳・乳製品・海藻・高野豆腐・小魚・モロヘイヤ・大根など。
ジュニア・アスリートフードマイスター M.E
[写真は、本校・第2グラウンド脇にて、ソフトボール部が育てた長ネギ]
(2012.11.8撮影)
※長ネギは、葉の部分にβカロテン(ビタミンA)が、茎の部分にビタミンCが、多く含まれる。