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もくじ

はじめに

1.現状と課題の把握

(1)学校の概要
(2)生徒の人権意識
(3)保護者や地域の人権意識
(4)教職員の人権意識

2.学校教育目標

(1)めざす学校像(基本理念)
(2)重点目標

3.行動計画

(1)仲間づくり
(2)生徒の自主活動
(3)人権・部落問題学習
(4)進路・学力保障
(5)カリキュラムと教材開発
(6)保護者との連携
(7)職員研修
(8)推進体制
(9)相談機能の充実

水平線

人権教育推進計画
三重県立宮川高等学校
2005年3月策定

はじめに

 2001年10月に行われた県奨学生研修会の分科会で、グループ討議中に本校生徒Aが友人の差別発言に出会った体験(2000年6月)を話しました。私たちは、この差別発言を本校生徒の中にある差別意識の現れと重く受け止めました。これまでも本校は、講演やグループ討議を取り入れた人権教育を行ってきましたが、実際には私たちの伝えたい思いが生徒一人ひとりの心に届いていなかったことを痛感しました。そこで、この差別事象を生徒・教職員の人権意識を高めていくチャンスとしてとらえ、人権教育をあらためて見直し、充実させていこうと決意を新たにしました。
 本校の人権教育を見直す過程で、生徒と教職員との間に信頼関係を築き、生徒が何でも話すことができる環境を作ること、生徒の思いや実態をつかむことが大切であるという認識に立ちました。そして、一つの試みとして全生徒・全教職員による「個別面談」を実施しました。試行錯誤の中で、生徒・教職員双方が何らかの手応えを感じたのは事実です。これからもこの「個別面談」を核として人権教育を推進していきたいと思っています。
 さて、国連が「人権教育のための国連10年」を提唱し、国や県も行動計画や基本方針等を策定して人権教育を推進しています。まさに人権教育は大きな潮流となった観があります。本校も生徒・教職員が主体になって、保護者や地域の人々とともに確かな人権意識を育成し、豊かな人権文化を構築していくために「人権教育推進計画」を策定します。

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1.現状と課題の把握

(1)学校の概要

 本校は大台町にあり、多気・度会両郡の山間部の中心に位置しています。宮川の清流に臨み、自然に恵まれた環境にあります。各学年3クラスの小規模校で、魅力ある学校づくりを推進するために、地域の要望や生徒の実態に応じた教育課程を編成し、平成9年度から普通科2クラス、情報・ビジネスコース1クラスのコース制を採用しています。普通科では1年次に80名を3クラスに分けて、よりきめ細かな指導をめざしてきました。平成17年度から普通科80名定員を3クラスで編成し、その中に情報・ビジネスコースを設ける予定です。また、英語・数学などの基礎教科では習熟度別学習を導入し、20名程度の小編成で「わかる授業」をめざしています。情報・ビジネスコースでは資格取得とパソコンの実務能力の向上を目標にティーム・ティーチングで授業を行っています
 生徒は北は松阪市から南は紀伊長島町までの広範囲に及ぶ地域から通学しています。出身中学校は24校にわたっています。生徒の約80%はJRを利用しており、列車の本数が少ないため不便を感じています。
 生徒は休み時間や放課後になると、職員室にやってきて気さくに雑談をしていきます。小規模校ということもあって、アットホームな雰囲気に包まれています。

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(2)生徒の人権意識

 「個別面談」で生徒に小・中学校の人権LHRの内容や印象を尋ねると、人権LHRのことはあまり印象には残っていませんでした。どんな話を聞いたかについては記憶が定かではなく、「差別をしてはいけません」「差別語を使ってはいけません」という結論だけが残っているようでした。また、部落差別についても「実感がわかない」「自分の問題としてとらえられない」と感じている生徒がかなりいました。自分とは関係のない遠い話、他人事ととらえてしまっているのです。ただ、生徒の中には、印象に残っていることとして被差別の立場にある人の実感のこもった体験談や自分や友人が演じた人権劇を挙げた生徒もいました。
 また、入学後に実施するアンケートでは、「あなたが関心を持っている人権問題を選んでください」という設問について、全般的に「関心がない」と答える生徒が多くいました。また、「今までに自分の人権が侵害されたと感じたことがありますか」という設問に対して70%が「ない」と答えています。2年生対象に実施したアンケートでも「差別を身近に感じたことがありますか」という設問に対して72%が「ない」と答えています。日常生活の中で差別を感じることなく暮らしているとしたら幸せなことですが、この数字は差別に対する感度が鈍く、身の周りの小さな差別を見抜けないことを表していると思われます。また、「差別はなくすことができると思いますか」という設問に対しては69%が「できない」と答えています。差別はなくしていかなくてはいけないと思いつつも、結局のところは無理だと多くの生徒はとらえています。このとらえ方を克服するためには、ただ「差別をしてはいけません」ではなく、「差別をなくしていくにはどうしたらいいか」をもっと議論し、そのことに取り組んでいる人たちの活動に学ぶ機会を増やしていくことが大切だと考えます。「できない」と答えたある生徒は「一人では何もできない」と理由を述べています。ここに差別に立ち向かうとき、仲間の存在が大切であり、だからこそ仲間づくりが重要であるということが見えてきます。
 学年別の人権講演会は、「講話&個別面談」の形式で実施して講話の後、グループでの振り返り、個別面談、グループ討議と続きます。一対一での個別面談では、「先生と話をしてよかった、楽しかった」「先生と話をしてスッキリした」という感想もかなりあり、実によく話してくれますが、グループ討議になると、生徒間の横のつながりが弱くなり、対話が進まなくなることが多くあります。入学時、周りに自分の思いを何も伝えられなかった生徒が、部活動や生徒会活動を通じて多くの友人や教職員との出会いがあり3年間がんばって続けてこられた、と卒業のとき語ってくれます。一方、周りからどのように見られているかに腐心し、新しい出会いを避けて、コミュニケーションの相手を「好み」の合う親しいものに限定してしまう傾向もあります。このような状況の中で、仲間づくりをどう進めていくかは大きな課題であります。その課題を越えることが、校内人権の集いへの参加、さらに高校生友の会、中高生の集いなどへの参加につながっていくと思います。
 学習面では、確かに基礎学力が身についていなくて本当に苦労している生徒もいますが、どちらかというと「やればできる」にもかかわらず、勉強に身が入らないで低迷している生徒のほうが多いと思います。彼らは、宮川高校に来たくて来たのではないという「不本意」をいつまでも引きずっていたり、何のために高校に来ているのかという目的を見出せず惰性で毎日を過ごしてしまっています。それは、表面的には意欲の欠如と映りますが、その根底には「自分を大切に思う心」言い換えれば「自尊感情」の欠如があると思います。外部というよりもむしろ彼ら自身が抱いている本校に対する「マイナスイメージ」を生徒と教職員が力を合わせて払拭し、彼らの「自尊感情」を育てていくことが重要となります。「自尊感情」が生まれ育ってこそ自分の周囲や社会に眼を向けることが可能になり、他の人たちの大切さを認める気持ちも生まれてくると考えるからです。

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(3)保護者や地域の人権意識

 毎年、入学式やPTA総会、3年生の進路説明会で本校の人権教育の概要を説明し、家庭との連携について協力を求めています。
 2003年度までは、7月を中心に6地区の会場に分かれて地区懇談会を、200年度は11月に学校を会場に学年懇談会を実施し、保護者との話し合いの場を持ちました。
 中学校訪問のとき、生徒が住むそれぞれの地域の状況を把握するように努めていますが、生徒は広範囲に及ぶ地域から通学しており、保護者やそれぞれの地域の人権意識は多様です。校内で実施する人権講演会や地区懇談会・学年懇談会への参加を呼びかけますが、参加者数は少数にとどまっています。
 地元大台町については、大台町人権教育研究協議会担当者会や親の会で話し合いの場を持っています。

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(4)教職員の人権意識

 私たち教職員は、生徒の成長・自立を見守り支える良き伴走者でなくてはなりません。
そのためには生徒との関わりを密にし、一人ひとりを大事にするという気持ちを常に持ち続けることが大切です。本校生徒の中には、高校生活の中で反発したり壁にぶつかったりしながら、ものごとの良否の判断能力などを身につけていくといった「遅咲き」の生徒もいます。このような生徒にこそ粘り強い対応が必要です。ただ、そちらに重点を置きすぎると、他の生徒、特に地味で表面上は何の問題もないように見える生徒の指導がおろそかになってしまいます。しかし、この表面上は何の問題もないように見えるおとなしい生徒にも「自己表現ができない」などの別の問題があることが多いのです。そして、就職の時に苦戦しているのはむしろこのタイプの生徒なのです。極端に異なるタイプの生徒の指導をどうバランスよく行っていくかはこれからの大きな課題です。
 私たちは、何気ない一言が人を傷つけるということを十分認識しているつもりですが、学校生活の中で、生徒にとってよかれと思ってとった言動が生徒を傷つけていることがないとは言えません。常に自分たちの言動を省みる必要があります。私たちは様々な「差別意識」を知らず知らずのうちに植えつけられています。そのことから自由であると言い切れる人はいないと思います。
 人権教育推進に先立って、もう一度、私たち自身のなかの「差別意識」を見つめ直し、人権教育の意義について率直に話し合うことが大切です。時には助言者の力も借りて、全教職員の共通理解をより確実なものにしていく必要があります。私たちは、人権・差別問題についてはある程度解っているつもりでいますが、実際のところは知らないことのほうが多いように思われます。研修会・学習会への積極的参加や被差別の立場にある人たちとの「出会い直し」を通して、もっと人権・差別問題について学習していかなくてはなりません。私たち教職員が人権・差別問題を自分自身の問題として深く認識して初めて、生徒も自分自身の問題としてとらえられると考えます。
 全生徒・全教職員による「個別面談」を始めてから3年になります。多くの生徒は、学校へ来ると友だちと話ができるので楽しい、と言ってさまざまなことを話してくれます。一方、口数が少なく対話がなかなか進まない生徒もいます。通学時間や部活、クラスでの人間関係など普段の生活から人権講演会の内容などじっくり時間をかけたやりとりの中から、生徒の思いが伝わってきて、少しずつ課題も見えてきます。一対一の面談や自己表現が苦手な生徒も面談を積み重ねることで少しずつ苦手意識を克服していくようです。「個別面談」を通じて、私たちは生徒へのアプローチの大きな足掛かりをつかんだように感じます。私たちの人権問題に対する真摯な思いと工夫された教材・教授方法がうまくかみ合ったとき、人権教育は確実に前進すると思います。

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2.学校教育目標

(1)めざす学校像(基本理念)

○「地域に根ざした高等学校」それが宮川高校の基本理念です。
 「地域の子どもが夢を持って入学する高等学校」
 「将来、地域を支える人材を育てるための高等学校」
 「地域と共に教育を考え、育み、地域の期待を実現する高等学校」にします。
○宮川高校を、生徒一人ひとりが、安心して過ごせる学校、元気が出る学校、進歩の喜びを味わえる学校にします。

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(2)重点目標

1. 生徒一人ひとりに、社会生活を営むために必要な基礎的な知識、思考する力、コミュニケーション能力を身につけさせます。
2. 生徒一人ひとりに、自分自身の良さを社会的に認めてもらえるように、基本的な生活習慣・生活態度・言葉づかい・マナーを身につけさせます。
3. 生徒一人ひとりに、将来に夢と希望を持たせ、その実現をめざして努力させ、自己実現につながる進路を決定させるために、誠心誠意支援します。
4. 生徒一人ひとりに、正しい人権感覚を身につけさせ、豊かな人間関係を築かせるために、人権教育を着実に推進します。
5. 地域との交流活動を強化します。本校教育の課題や将来展望について、地域の方々の理解を求め、地域の信頼を高めるように努力します。

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3.行動計画

(1)仲間づくり

・生徒一人ひとりが思いや考えを出し合い高め合う仲間づくりをめざします。
・自分の大切さとともに他の人の大切さを認める仲間づくりをめざします。
・仲間づくりの基盤であるクラスでの仲間づくりを重点課題として取り組みます。そのためにも、仲間づくりの観点からLHR・総合的な学習の時間・年間行事等の内容の再検討を行っていきます。
・「個別面談」の充実を図り、生徒・教職員の信頼関係を構築しながら、自由に思いや考えを出し合える環境づくりに努めます。また、生徒の自尊感情を育て、自己確立を支援します。

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(2)生徒の自主活動

・「校内人権の集い」の活動を大切にし支援します。メンバーが互いに人権感覚・意識を高め合い、他の生徒にも発信していける場としての「集い」をめざします。また、生徒が気軽に参加できる雰囲気をつくり、あらゆる機会に生徒の参加を呼びかけていきます。
・「高校生友の会」や「中高生の集い」等に積極的に参加して、他校生や地域の人たちとの交流を進めます。

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(3)人権・部落問題学習

・生徒が人権感覚・意識を身につけ、他人の痛みに共感し、それを自分の問題としてとらえて行動できる力をつけるために取り組みます。
・生徒の実態・状況に即した教材・方法等を工夫します。特に、さまざまな人との「出会い」学習を重点的に導入します。
・各教科でも、人権・部落問題学習を積極的に取り入れ、人権LHR・人権講演会等と適切にリンクさせます。(知識と実践力)
・生徒向けニュース「虹rainbow」の充実を図り、人権学習にも活用します。
・教職員が常に自らの人権感覚・意識を問い直し、「人権」の視点での学校づくりを進めます。

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(4)進路・学力保障

1. 進路保障
・1年生の早い時期から、総合的な学習の時間等を使って、生徒が自分の興味・関心・適性に応じた進路選択ができるよう指導を行います。また、生徒の視野を広め、自分の進路に対する関心を高めるため、外部講師による分野別の進路ガイダンスや職場体験、学校見学会等を実施します。
・3年生の就職に関しては、きめ細かな面接・作文指導を行うとともに、社会人としての自覚等もうながしていきます。
・生徒の意欲を高めるために、情報ビジネスコースを中心にさまざまな資格取得の指導を行います。
・年間継続して、生徒の進路相談に対応します。
・生徒が集団生活における規範等を尊重し義務や責任を果たす態度が身につくように、日常的な生徒指導を、教職員全員が一丸となって取り組みます。
・進路指導部を中心に、企業開拓を行います。
2. 学力保障
・「わかる授業」「魅力ある授業」を追究し、授業の公開等を通して、教授方法の向上に努めます。また、授業について、各学期末に生徒に対してアンケート調査を実施します。
・習熟度別・少人数授業・ティーム・ティーチングによって、生徒一人ひとりの個性・課題に対応したきめ細かな指導に努め、学習意欲・基礎学力の向上を図ります。
・放課後・長期休暇等に生徒一人ひとりのニーズに対応した補習を行います。 (基礎学力・進学・資格取得等)
・基礎学力の充実をめざして、全ホームルームで、始業前に「朝の漢字練習」を実施します。

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(5)カリキュラムと教材開発

1. LHR
○1学年目標:自分と仲間を大切にし、人権問題の基礎を学習する。

1学期 ○人権教育に関するオリエンテーション「なぜ、人権を学ぶのか」
○人権に関するアンケート調査
○人権LHR「仲間づくり」(友人関係・いじめ等)
2学期 ○人権講演会「人権問題入門−さまざまな人権問題」
○グループ討議(人権講演会を受けて)
○個別面談(人権講演会を受けて)
3学期 ○人権講演会「差別の現実から学ぶ」(女性差別・外国人差別・ハンセン病問題等)
○人権LHR(人権講演会を受けて)
○個別面談「1年間を振り返って」

○2学年目標:部落史を中心に学ぶとともに、問題解決の姿勢を育む。
1学期 ○人権講演会「差別の現実から学ぶ」(「障害」者差別)
○グループ討議(人権講演会を受けて)
○個別面談(人権講演会を受けて)
2学期 ○人権LHR「部落史から学ぶ−近現代を中心に」
3学期 ○人権講演会「差別の現実から学ぶ」(女性差別・外国人差別・ハンセン病問題等)
○人権LHR(人権講演会を受けて)

○3学年目標:差別を社会問題としてとらえ、差別に立ち向かう実践力を育む。
1学期 ○人権講演会「差別の現実から学ぶ」(部落差別)
○グループ討議(人権講演会を受けて)
○個別面談(人権講演会を受けて)
○人権LHR「統一応募用紙の取り組み」
2学期 ○人権LHR「部落差別の現実から学ぶ−就職・結婚差別」
3学期 ○人権LHR「3年間で学んだこと」
○人権に関するアンケート調査

2. 総合的な学習の時間
総合的な学習の時間を活用して、人権学習や進路学習を進めていきます。
○1学年目標: クラスや学年でさまざまな学校行事などの取り組みの中で仲間づくりに努め、自分と他人の大切さや人間関係を築くスキルを学びます。生徒の視野を広め、将来の進路に対する関心を高めるため、進路ガイダンスを実施します。
○2学年目標: 自分の考えや気持ちを伝え合い分かり合うためのコミュニケーション・スキルを学びます。自分の興味・関心・適性に応じた進路選択ができるように職場体験や学校見学会などを実施します。
○3学年目標: 就職・進学試験で自分の考えを的確に伝えられる表現力をつけ、一人ひとりの進路実現に努めます。

3. 各教科・分掌
教科の学習を通じて生徒が人権についての知的理解を深めるとともに人権感覚を十分に身につけることができるように、教科毎に学習教材と指導方法の研究を行います。詳細はシラバスに掲載します(シラバスは平成16年度から生徒全員に配布)。
教科・分掌 教材・内容等
国語 授業を通して人権意識を養い高められるよう関連のある話題を折りにふれる。様々な意見を認めることで、自分とは異なる他者の存在を認め合うことを学ぶ。
社会 (世界史)戦争・迫害による人権侵害、在日韓国人・朝鮮人問題
(日本史)沖縄・アイヌ民族をめぐる問題
(地理)世界の人口問題(人口爆発、中国の一人っ子政策、少子高齢化社会
(現代社会)日本国憲法の三大原則(基本的人権の尊重、平和主義、国民主権)
数学 習熟度別学習による個に応じた指導、T.T.による生徒同士で教え合い学び合う環境づくり
理科 (化学)実験・実習を通しての仲間づくり
(生物)遺伝の法則(優性・劣性など)
保健体育 (体育)集団活動を通じての仲間づくり
(保健)性差に関わる学習(遺伝子・生理学的な性差、思春期の体と行動、結婚生活・家族計画の中での男女の役割と尊厳)、公害や病気に対して無知から生じる差別について(HIV感染者、水俣病・イタイイタイ病など公害の被害者に対する偏見や差別)
芸術 (美術)理想・真実を追究する姿勢を育てる。お互いの個性を認め合う。人権ポスターの制作
英語 「障害」者問題、戦争・迫害による人権侵害、人種差別、子どもの人権、HIV感染者への差別、環境問題、脳死問題など
家庭 福祉関係分野の中での諸問題やノーマライゼーションの考え方など
商業 個人情報とプライバシー、ネチケット
教務 総合的な学習の時間での人権学習の計画と運用のとりまとめ
生徒指導 いじめや暴力に関する指導
進路指導 統一応募用紙についての説明、面接時の不適切質問についての説明とそ の後の対応について、進路ガイダンス
図書 人権に関する本の収集、人権コーナー作り
保健 性教育と命の大切さについて、不登校生徒へのかかわり、「障害」がある生徒のサポート
生徒会 生徒会行事を通じての仲間づくり、人権フェスティバルへの参加
教育相談 不登校生徒へのかかわり

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(6)保護者との連携

 人権教育を推進するうえで、家庭との連携・協力は不可欠です。さまざまな機会や場において人権文化を発信し、連携・協力に努めます。
 具体的には次のように進めます。
・新入生の保護者に対して、本校の人権教育の概要を説明し、家庭との連携について協力を求めます。
・PTA総会や1・2年生の学年懇談会
・3年生の進路説明会で人権講話を行います。
(ここ3年は、統一応募用紙の「保護者欄」斜線化の趣旨説明)
・生徒向け人権講演会に保護者の参加を呼びかけます。
・保護者向けのニュースを発行し、人権学習の内容等を紹介します。

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(7)職員研修

 人権教育の推進において最も重要なことは、教職員が熱意と主体性をもって取り組むこと、教職員が意思統一をして全員参加体制で取り組むことです。同時に、教職員が自らの「差別意識」を常に見つめ直し、人権問題を自らの問題、「自らの生き方が問われる」問題としてとらえることが大切です。
以上をふまえて、次のような研修に取り組みます。
・人権LHRのテーマについて学年団で指導案検討を中心に学習をします。
(テーマにかかわりの深い助言者を招く)
・人権講演会を教職員自らの研修の場として位置づけ、講話後に意見交流をします。
・実践力を高めるために、「自分史」−部落問題との出会いやそれに対する思いなど−「ロールプレイ」−自分はどう考え、どう行動するか−等、参画型研修を取り入れます。
・各教科で、人権意識を培うための授業研究を行い、授業の公開等を通して、人権教育の効果を高めるように努めます。
・研修会や学習会に積極的に参加します。また、校内人権の集い・高校生友の会・中高生の集いなど生徒たちの活動の場に参加します。

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(8)推進体制

1. 人権・同和教育推進体制

人権・同和教育推進委員会

〈構成〉 10名
校長 教頭
教務部 生徒指導部 進路指導部
1学年 2学年 3学年
人権・同和教育推進担当(正・副)
〈活動内容〉
・人権LHR・人権講演会・教職員研修等を計画し、実施内容の検討・協議を行います。
・生徒の状況を把握し、課題解決のための連携・協力体制づくりをめざします。

人権・同和教育推進協議会

〈構成〉 7名
校長 教頭
PTA会長 地域の方々(2名)
人権・同和教育推進担当(正・副)
〈活動内容〉
地域の方々から助言をいただくとともに、地域との連携を強化します。

2. 小中学校や地域との連携
・中学校訪問等によって、中学校との連携を強化します。
(生徒の状況把握・奨学金制度の説明・公開授業参観等)
・大台町人権教育研究協議会担当者会に参加し、地元での連携を強化します。
・集会所訪問等によって、地域との連携を強化します。
・大台町の人権教育推進指導員と連携し、本校の人権・同和教育に助言をいただきます。
・中高生の集い、親の会、町人権フェスティバル等に参加し交流を深めます。

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(9)相談機能の充実

・日頃から、生徒と教職員との間に信頼関係を築き、生徒がいつでも何でも相談することのできる環境を作ります。
・担任による個別面談・全教職員による「個別面談」を通して、生徒の状況を的確に把握するとともに、これらの面談のカウンセリング機能の向上にも努めます。
・課題を抱える生徒には、担任・学年団を中心に各分掌が協力して対応し、保護者との連携を図ります。また、必要があれば、専門機関との連携を図ります。

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