様式1                     平成23年度 学校評価報告書            学校名 宮川高等学校

(1)学校経営の改革方針における今年度の重点取組についての評価結果

項目

行動計画の目標・評価方法

達成状況・評価結果

具体的取組に関する成果や課題

 地域との連携

最終年度の重点取組の1

「地域貢献活動を継続し、地域に根ざし、地域から信頼される学校づくりを推進します」

(1)「宮高がんばり隊」の活動を積極的に支援し、地域・学校の協働を通じて双方の活性化を図る。

(2)宮川高校通信を年間3回発行し、地域の回覧板を活用して大台町全世帯と情報のキャッチボールをする。

(3)学校設定科目「地域体験・ボランティア」の授業を通じ地域理解・地域貢献をさらに推進する。

(4)地域住民参加の図書館講座の実施し、地域と共に学び合う地域の学校としての役割を果たす。

(5)宮川高校環境週間を年間6回設定し、校内・地域清掃を通じて地域環境の美化に取り組む。

<評価>地域住民アンケート結果により学校対応満足度の学校経営数値を60以上、保護者アンケート結果により宮川高校教育活動全般の満足度を80以上とする。

(1)「宮高がんばり隊」の活動をバージョンアップ。地元商工会と連携し、様々なアイディアを“ありがとう”の形に表現した。新たに「バッグハンガー」、「パッチリール」等を作成、奥伊勢サービスエリア・道の駅奥伊勢おおだいで販売した。その他学校の活性化を目的に地域・学校の熱い思いがみごとにコラボした活動を展開。率先実行大賞では「奨励賞」を受賞した。

(2)計画通り年間3回発行。地域住民アンケートでは、ほとんどの項目で満足度が過去最高になった。

(3)地域の方々の協力を得て、地域理解・地域貢献と共に学校理解も進んだ。

(4)地域と生徒の交流が深まり、学校図書館の理解・活用が促進された。

(5)地域清掃や校内清掃・ゴミ分別活動により生徒の環境意識向上につながった。

<評価>地域住民の学校対応満足度の学校経営数値は69.9、保護者の宮川高校教育活動全般の満足度は89.0で目標をいずれも達成、過去最高となった。

・「宮高がんばり隊」の活動や、宮川高校通信の回覧、授業を通した地域との連携・交流により、学校教育活動が地域の多くの方々に理解され、地域との協働がさらに進んだ。地域住民アンケートを地元大台中学校の協力を得て実施、回収率が大幅にアップした。地域からの要望や意見を集約し、本年度の取組に効果的に活かすことができた。最後の年度で目指す学校像に大きく近づいた。

・学校経営品質推進委員会を中心に、年間計画に基づき推進活動をすばやく実効あるものとして実施できた。

・平成24年3月末に閉校を迎えることから、宮川高校通信の発信内容・形式に工夫を凝らした。学校理解がさらに深まり、地元大台町役場との連携強化にもつながった。

・マスコミ等情報機関への情報提供・連携をさらに進めることで、地域・学校双方の活性化が進んだ。

 教科指導・生徒指導

 

最終年度の重点取組の1

「基礎学力、基本的生活習慣、コミュニケーション能力を身につけた生徒の育成と進路保障を実現します」

(1)毎朝「朝の漢字テスト」を行い漢字の力を伸ばす。

(2)授業公開を実施し、授業力向上につなげる。

(3)資格取得に取り組む生徒を育成する。

(4)授業態度見直し週間を設け、授業規律を身につけ授業に臨む態度を育成する。

(5)生徒会活動を推進し、自主的・主体的に活動できる生徒を育成する。

<評価>生徒アンケートにより、生徒の学習指導、生徒指導に関する満足度の学校経営数値をそれぞれ80以上とする。

(1)朝の漢字テストは定期的・効果的に実施できた。生徒の漢字力は着実に身に付いた。

(2)授業公開日を土曜日とし、午後に講演会を開催することで参加者が増加した。

(3)商業科目の資格取得ではこの数年で久し振りに3種目1級合格者が出た。大きな成果と言える。

(4)授業態度見直し週間では重点目標をより明確化することで授業態度が大きく改善された。

(5)生徒会を中心に生徒・教職員の対話が活発に行われ、様々な取り組みを企画・実行できた。

<評価>学習指導に関する満足度の学校経営数値は

86.5で目標を達成し過去最高に、生徒指導に関する満足度の学校経営数値は77.0で目標を達成できなかったが、満足度は過去最高であった。

・表彰制度(宮高グランプリ)の設定は、生徒の生活習慣の改善・学習意欲向上につながった。朝の漢字テストの取り組みは就職・進学試験の強みとなった。

・授業公開は授業改善の良い機会となった。生徒たちにとっても良い刺激となり、授業態度の改善につながった。

・資格取得は生徒に目標を待たせ、やる気の喚起に大きく役立った。

・授業態度見直し週間、定期考査期間の学習時間調査は学習時間の増加と事後指導への活用に寄与した。

・宮川高校最後の年度で生徒数・教職員数が激減する中、生徒の満足度はすべての項目で過去最高となった。このことは教職員の学校経営参画満足度でも過去最高の数値として表れた。

(2)組織の状態の評価結果

アセスメントから明らかになった状況

  強   み

(1)「目指す学校像」が簡潔でわかりやすく同じベクトルで組織的に学校経営に取り組むことができる。

(2)「宮高がんばり隊」の結成で団結力が強まり、様々な活動を組織的に実施することで地域・学校の協働へとつながっている。

(3)職場環境が良く教職員の協力関係がしっかりできている。小規模校であるため、教職員の情報交換、意思疎通が図りやすい。

(4)生徒・保護者・地域住民・教職員へのアンケートを定期的・継続的に実施しその満足度データを有効活用している。データは、推移が経年的に誰にでも容易に把握できるよう、パーセントではなく学校経営数値で表し改善へとつなげている。

(5)情報発信を積極的に行い、地域活動にも進んで参加することで保護者・地域との連携を強めている。

弱 み

最終年度であるため生徒・教職員数が激減した。

 

 

(3)学校関係者による評価結果

学校関係者評価から明らかになった改善課題

       

(1)地域住民アンケートを地元大台中学校の協力を得て実施したことは、回収率のアップと中・高・地域の連携につながった。

(2)厳しい就職状況の中、就職内定率100%は素晴らしい。ただ、昨年度卒業生の離職率は低いとは言えない。離職する生徒の原因は様々である。本年度卒業生はさらに充実したキャリア教育を受けてきたと聞いている。内定先を離職することなく社会人としてしっかりと取り組むことを期待する。

(3)生徒・教職員数が激減する中、「宮高がんばり隊」としての活動は学校に元気を与えた。社会との接点を持った活動を高校時代に行ったことが、就職して社会人になった時、必ず役立つ。

(4)どんな取組でも、最後の生徒一人ひとりに役割をもたせ、責任を担わせたことは良かった。また生徒一人ひとりに目標を決めさせ、それに向けて学校全体で支援・指導したことが、生徒一人ひとりに達成感や自信を持たせ進路実現につながった。

(5)最終年度で生徒・保護者・地域住民・教職員すべての満足度が過去最高になったのは、弱みを強みに変える生徒・教職員の力(変化する力)が大きな推進力となったからだ。

(6)数年前の生徒指導・学習指導面で大きな課題があった学校が、これほどまで素晴らしい学校になったことはとても嬉しい。本年度で閉校というのはとても残念だが、今までの先生方の取り組みに心より感謝したい。

 

(4)組織力向上のための取組(改善策)

次 年 度 に 向 け た 取 組

★宮川高等学校は本年度で閉校となるため、次年度に向けた取組ができない。宮川高等学校学校経営品質推進委員会では、宮川高等学校の学校経営を通じて、他校でも活かしたい経営の考え方を話し合い、次のようにまとめた。

(1)生徒の実態・状況を良く観察し、アンテナを高くして指導・教育を行うこと

(2)変化することが大切(前例主義の打破、社会・生徒・学校は常に変化しているという意識)

(3)小さな集団でも同じ考え方の仲間をつくることで、学校改革の大きなうねりとなる

(4)学校改革には「宮高がんばり隊」のような核となるような組織を立ち上げることが大切

(5)外から見られること(学校だけでは真因は見えない、外からの支援・協力・連携を積極的に)

(6)対話の推進(教職員同士、生徒と教職員、保護者と教職員、生徒同士、生徒と保護者、学校と地域、等)

(7)「ムダ、ムリ、デキナイ」という言葉が飛び交わない職場環境(過去の経験のみで判断しない、変化していることを認識、未来を見る・今を見る、

どうしたらデキルかへスイッチオン)