三重県立明野高等学校
 平成28年度 明野高校人権講演会


20161130日、明野高校体育館にて、人権講演会を行いました。

講師は車いすフェンシングの強化選手である、恩田竜二さん。

車いすフェンシングをはじめたのは2015年ということですが、すでに日の丸を背負われて、東京2020パラリンピックの出場、メダル獲得を目指されている方です!


講演の演題は「車いすだから行ける場所へ

車いすだから」と聞いて、続く言葉をマイナスイメージで想像してしまいがちです。

ところが続く言葉は「行ける場所へ」

講演の最後で、演題に込められた思いを話していただきました。

車いすだから、パラリンピック出場、メダル獲得という夢が持てた。

車いすとともに目指すのは、そういう未来である。

東京パラリンピックで車いすフェンシングの日本代表として出場し、表彰台の一番高いところに!とお話しくださいました。

仕事中の事故で、障がいを負われたのは12年前とのこと。

お話の中には、車につけているマークの説明や、身体障害者用の駐車場の理由、そしてトイレの問題など、短時間でしたが生徒の心に残るお話でした。 


ここで質問です!

身体障害者用の駐車場が店舗の近くにある理由。

一つは乗り降りに不都合のない広いスペースを取れること。

そして近いことで、雨に濡れたりせず、また移動が困難でないように。

もう一つ、大切な理由があるのです。なんでしょうか。

 

生徒にクイズを出していただきました。

「ここにいますよ」ということを店員さんに伝えられるようにという答えが出ました

正解は、人が気づけるように。です。

恩田さんは、1人で車を運転し、後部座席に乗せた車いすを片手で降ろし、自分で運転席から車いすに乗り移ります。

そういった1人で移動が可能な方が、車いすに乗り移るときに、こけてしまったり、うまく乗れず、落ちてしまったりする場合もあります。

そんな時、店舗から遠く離れた駐車場では、通る人も少なく、気づいてもらえません

それは命にかかわることです。

店舗の近くなら、店員さんだけでなく、多くのお客さんが通ります。

落ちてしまった方の手助けができます。そういう理由があるそうです。

 

そんな話を聞いた生徒は、

・もうすぐ免許を取ります。春には車を運転しますが、絶対に身体障害者用のスペースに停めません。

・駐車場の障害者駐車スペースには、今まで考えたことがなかったけれど、たくさんの意味があっての場所なのだと改めて思いました。もっと周りを見て、行動したいと思いました。

・車いすマークのある駐車場に平気でマークをつけていないのにとめている車があるのを見かけます。この講演を聞く前から気になっていました。自分が免許を取ったら、本当に必要な人が使うことができるようにしたいです。

などと感想にありました。

 

同じように、障がい者用トイレについても、時間を決めてトイレに行っている方もいるし、感覚がないことで我慢をすることができない方もいる。

トイレが混んでいるからなど、安易な気持ちで障がい者用のトイレを使うと、困る人がいることを改めて教えてくださいました。

 

車いすテニス、バスケット、フェンシング、陸上の動画も見せていただき、また、2015年に競技種目を変更するまで恩田さんがされていた、車いすテニスのデモンストレーションを見せていただきました。軽やかに車いすを操作し競技される恩田さん。

「かっこいい!」

車いす競技のかっこよさが伝わった時間でした。

その後、生徒は車いすテニスを体験しました。

競技用車いすの操作は難しく、右に曲がりたいのに左に行ってしまったり、戻って来れず、ずっと遠くまで行ってしまったり。

操作しながらテニスラケットを持ちましたが、なかなか踏ん張れず、テニスの経験者でも思いどおりにいかない様子でした。

華麗なプレーをされた恩田さん。そこには想像を超えた努力と時間があるのだと改めて思いました。

 

私たちの持つ、車いす、障がい者というイメージを一新させてくれる一日でした。

恩田さん、金メダルを見せに、また明野高校にきてくださいね!

パラリンピック、絶対見ます!応援してます!

 

〜生徒の感想から〜(一部抜粋)

・車いすだからとマイナスな考えになるのではなく、車いすだからこそというプラスな考え方に尊敬をいだきました。2020年の東京パラリンピックで活躍している姿を見たいです。

・車に貼ってあるマークの意味や、駐車場の意味など、初めて知ったことが多くて、もっと障害に関係のあるマークや意味などを学びたいと思った。

・大変な事も多くあるはずなのに、パラリンピックで金メダル!という先の目標や期待を持ち、前を向いて次へと進んでいかれる姿勢を感じ、自分も思春期で色々と考えてしまったりすることもあるのですが、もっと頑張っていきたいと思いました。

・近いからという理由で必要のない人が駐車する、混んでいるからと言ってトイレを使う、そういった考えの人がいなくなってほしいと強く思いました。

・オリンピックと同じくらい、パラリンピックに興味があり、見ています。どのようなハンデがあっても、同じようにスポーツを楽しむことができ、目標や夢に向かう姿はとてもかっこいいと思いました。これから機会があれば、いろいろな障害者スポーツを見に行きたいです。

・福祉を学んで気が付いたことは、障害があるからと言ってふさぎ込んでしまうのではなく、前向きに生活されている方が多いという事です。恩田さんの四年後の活躍を心の底から応援したいと思います。私も前向きに過ごし、卒業後の職場で活躍したいと思います。

・差別をなくすためには、自分たちが経験したこと、話を聞いたことを少しでも多くの人に伝えていかなくてはいけないと思いました。気づかないうちに、障害のある人たちのことを何も知らないのに差別していたのだなと考えさせられました。

・まだまだ私の知らないことがたくさんあるのだと思います。普段何気なく見ていたマークにも深い意味があることを知り驚きました。多くの人に知ってもらい、たくさんの人が安心して過ごせる環境になればと思いました。

・講師先生は、辛かったこと、悲しかったことなどを話されませんでしたがきっとそういうこともあったと思います。もしそういうことがあっても、乗り越えていける、乗り越えて欲しいという先生の思いが伝わりました。

・車いすだからできることが制限されるのではなく、環境にできなくさせるものがあるのだと思った。それを補うために、私たち人の力があるのだと思う。

・障がいがあると、自分一人ではできないことも多く、不便だろうし、好きなこともできないと考えると怖くなりました。だけど、講演を聞いて考えが変わりました。障害があっても、決して不幸には見えませんでした。色々なスポーツをされていて、人生を楽しんでいるように見え、とてもかっこよかったです。

・恩田さんの講演を聞いて、私はすぐにあきらめてしまうところがありますが、あきらめず自分なりに、自分のやりたいことをすればいいのだということを学びました